第24話 「街最強の冒険者パラフィリオ」
「彼らを偵察要員として勧誘していたところだ」
エルマージさんにこんな口を利けるのは、このギルドで只一人。
パーティリーダーのパラフィリオ。
この町で最強の男という事だ。
その性格は褒められたものではないことで有名だが。
実力は折り紙付きでAランクにも差し迫り、もう内定を得ているのではと噂されている。
「なんだよ! それならとっとと言え! その冴えないオッサンとガキか?」
「初対面の方。そして頼みごとをする相手にする態度ではないだろう! お二人ともご気分を害されたら申し訳ない」
「いえ」
「……」
強烈な人格だ。
これくらいできる人は、こうなるのかもしれないが。
しかしニンメイちゃんは露骨に嫌そうだ。
何とか断りたいところだが。
「は~ん。ガキの方は少しはできるみたいだな。仮加入ってことで許してやるよ。おら適当な依頼持ってくるぞ。試運転だ」
「おい! 勝手に決めるな! まだ許可も取ってないというのに!」
「うるせぇ! 誰に向かって物を言ってんだ! 女ごときが口答えするんじゃねぇ!」
「なっ!?」
最低なことを当然のように口走る。
誇り高きエルフであるエルマージさんは、顔を真っ赤にして震えている。
ここまでの男だったとは。
周囲の人間たちはそそくさと離れている。
ラグニアとはそこまで避けられるような、嫌われ者という事らしい。
「この町で決める事なんぞ、初めから決まってる! 依頼は俺が決めるからだ! 分け前は働き次第だ! いいな!」
「そんなことなら断る―――――――」
「まさか断るとか言わねぇよなぁ? 俺は親戚とダチがギルドに大勢いてよ。もし断るってんなら、相応のことは覚悟してんだろうなぁ?」
「なっ!?」
とんでもない俺様。
脅迫まで使うとは。
「偵察員はなかなか俺の眼鏡にかなう奴がいなくてよ! オマケにツンと尖った育ちかけの乳しやがってよぉ……見た目は気に入ったから俺の女にしてやるよ!」
「いやっ!? 離してっ!」
「いい加減にしろっ!? 異常性愛も大概にしないと、パーティの品格を疑われるんだ! ニンメイから離れろゲスが!」
ニンメイちゃんに肩を組むが、エルマージさんに止められる。
なんてセクハラ野郎だ。
こんな暴挙が広まらない。
つまり権力で揉み消していたという事。
間が悪いオッサンだ。
こんな奴に目をつけられてしまうとは。
「荷物持ちくらいなら役に立つだろうがよ! ヒャハハ! そんじゃ行くぞ!」
面白い、または続きが読みたいと思った方は、
広告下↓↓↓↓↓↓↓↓↓↓↓↓↓↓↓↓↓↓↓↓↓↓↓↓↓↓↓↓↓↓↓↓↓↓↓↓↓↓↓↓↓↓↓↓の☆☆☆☆☆から評価、またはレビューしていただけると、執筆の励みになります!!!!!!!!!!




