第238話 「マノワールたちを追放した者すべての末路」
その頃の人間たちはカース王国に侵攻。
我先にと略奪などに明け暮れていた。
しかしある問題から、足並みが揃わないでいる。
取り分を巡って人類間戦争が勃発しようとしていたのだ。
「ええい! ナルシオ一人にどれだけの被害を出している!?」
「二国の軍隊が壊滅するとは、何という体たらくか!」
「ナルシオが弱体化したと言ったのは貴様らだろう! あれのどこが弱体化しているというのだ! 我々を騙したな!?」
椅子を蹴り出して罵り合う、高貴な風体の戦装束を着た人間たち。
カース王国の英雄であったナルシオ。
職業マザコンで、母親との確執や自身の愚行から、その能力を著しく減じたとされていた。
だが何らかの要因によって、ある程度は能力を取り戻したのか。
原因は不明だが、侵略者を次々と殲滅しているようだ。
そして内戦一歩手前といったところだったが、ヴェンリノーブル侯爵の機転により国軍は温存されていた。
また貴族たちも自身らの命運を悟っていたので、必死に応戦しているようだ。
それにより激しい抵抗にあっていた。
「貴様らは信用できん!!! 我々の国境線を侵しているからこそ、戦力を割けなかった! 情報共有すら怠り、自己利益を追求した貴様らこそ人類の敵だ!!!」
「貴様……その言葉、宣戦布告とみなすが?」
「弱兵どもを従えて、いい気になるなよ小僧。今快進撃をしていられるのは、我々がナルシオを食い止めているからだという事を忘れるな」
脅しを込めた口上。
そして彼らも戦争で因縁があったのだろう。
過去の戦争結果を引き合いに出して、挑発をした。
「次に会う時は戦場だ。貴様らの王に伝えておけ。次は人質では済まんとな」
「われらが王を愚弄するか!?!?!?」
以前からの軋轢もあってか、仲が悪すぎて仲間割れ。
混迷しすぎる政治状況で、ここで魔物たちの分断工作が功を成してしまった。
魔物たちの進行が鈍くなり、ついに停止したことから人類側は内輪もめに明け暮れる。
不和を煽られていた、反目を隠さなくなっていていた。
「お二方お待ちを!!! 今こそ人類のために、総力を結集して魔物たちに立ち向かうべきです!!!」
「…………」
「神の代理人を無視とは、なんたる不敬!? 破門されてもいいと申されるのか!?!?!?」
教皇はこれを止めようとしたが、どの国からも相手にされず。
その権威は偽聖女事件のことからも、失墜していた。
だが心ある人々は教皇に付き、教会内の政治闘争からも宗教戦争が勃発。
人類は血みどろの内戦へと突入していった。
だが魔物たちも主戦力たる魔王幹部が、軒並み戦死。
戦力補充に明け暮れることになる。
数年後人類侵攻を再開したタフモンオスであるが、当初は見事な戦果を挙げたものの。
補給線が伸び切ったところで、人類国家は教皇の下で集結。
逆襲を食らって、魔王マオの時代の国境までに押し戻される。
もちろんそれまでに人類圏に忍ばせた魔物が、人類国家で口に憚られる卑劣な権謀術数を弄し。
隣人すら信用できない世の中に変貌していた。
当然の推移ではあるが、お家騒動などが頻発して魔物との戦どころではなくなる。
魔王タフモンオスも実質的敗戦による責任問題から、地位が危うくなり。
クーデターが頻発して、その対処に追われる。
人類も魔物も問わず尽くが疲弊して、史上最悪の戦渦として歴史に刻まれるのであった。
今週17日土曜日に完結予定を修正いたします。
第241話で完結となります。
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