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第234話 「援軍到着」




「インペリアルキャッスル!!!!! お姉さんは僕が守るっ!!!!!」



「マノワール……!」



 空中に城の如き自宅を形成しながら内部に入り、両者の間に飛び込む。

 巨大質量が重力と共に落下し、甚大なダメージを与えるはずの一撃。


 だが段々と押し返される。

 物凄い膂力、ステータス補正がなければ押し負けていただろう。


 魔王は僕のことを待っていたのかもしれない。

 僕の救援を信じて、時間稼ぎに徹していたのだ。




「お待たせしましたお姉さん!」


「お前を待っていた。これで勝てる」


 魔王を呼ぶと、安堵が滲んだ返答が為された。

 加勢で五分くらいに持ち込めただろう。


 彼女にも余裕が生まれている。

 もう逃げ回るだけではなくなったと、精神的にも上向いたからだ。






「随分と仲がいいな! やはり情にほだされたか! 股でも開いて誑かしたのだろうなっ!!!」



「お姉さんはそんなことをしない!!! お前の欺瞞には騙されない! 僕は平和な世界を、お姉さんと作って見せる!!!」



「まだ籠絡はしていない」



「ん?」



 なんか変な言葉が聞こえた気がするが、空耳だ。

 こんな真剣に戦っているんだから、冗談なんて言わないはず。


 僕は彼女を背中に、迎撃を繰り返す。

 激しい激闘をしていただろうから、少しは休ませてあげないといけない。




「クソッ!? ちょこまかと動き回り負って!!!」



「アース! アース! アース! ジタクアタック!!!」



 自宅をばら撒き爆撃しつつ、それらに飛び込んでは弾丸のように飛び出す。

 自宅内での超絶的ステータスを駆使した、高速移動を可能とした僕。


 攪乱して時間稼ぎだけでもしよう。

 お姉さんが本調子になれば、巻き返せるはずだ。




 いや、隙がある。

 僕でもわかる程にがら空きだ。






「……あれは! 今がチャンス!」



 全神経を集中させ、単眼の巨人の脇腹へと突貫する。

 出血を強いることができれば、かなり楽になる。


 この戦いを僕が終わらせることができるかも。

 そう思い至った瞬間、やるべきことは一つだった。




「トドメだ―――――――」



 僕はその首を狙い、全速力で突貫した。

 好機を逃さない。






「―――――――まてマノワール!!! それは罠!!!」



「なっ!? アース!」



 僕はその言葉が聞こえた瞬間、自宅を足場にして飛びのく。

 僕が行こうとしていた先には、レーザーのような閃光が走っていた。

 あのまま進んでいれば完全に飲み込まれていた。




「おや。避けられてしまいましたか」



 笑う敵の魔王幹部。

 異様な頭の形をした、人間の老人のような見た目の魔物だ。

 奴はこれを狙っていたのだ。


 多対多戦闘に慣れていないことが仇となった。

 相手は魔物。


 僕よりも寿命がずっと長いのだろう。

 戦闘経験値が違い過ぎる。






「こんな簡単な罠に嵌りかけるとは。頭まで悪い人間など大したことはないな」



「その人間を恐れて共生すらできないのは笑える。自己矛盾している事すら気づけないお前は、何が人間より勝っている? 自己矛盾に気づけないほどに頭が悪い癖に、自省しないからお前は弱いタフモンオス」



「貴様ぁぁぁぁっっっ!!!!!」



 戦闘経験値がとても敵わない。

 種族の固有能力、そして連携が段違いだ。


 僕は魔王と戦うのも初めて。

 しかしこいつらは幾度となく戦場を共にしたのだろう。

 お互いの戦闘を熟知している。




 魔王の挑発がなければ、あのまま乗せられていた。

 自分の未熟さが恨めしい。




「それでも倒さなければならないんだ!」



 僕は力を振り絞って、発奮する。

 形成するのは最強の自宅。






「自宅警備員は自宅に引き籠って、強者男性を羨んでいるがいい!!!」




「職業で人を差別するな!!! 努力すれば誰もが変われる! お前にだって勝てるんだ!!!」




 僕とタフモンオスの攻撃が衝突する。

 圧倒的質量が暴虐的な威力を伴って、僕の身体を打ち据えようと激突してきた。

 容易に肉片となりかねないインパクトを、歯を食いしばって押し返す。


 僕は魔王幹部をはじめとする強敵に勝ってきた。

 そして修行を怠ったことはない。

 それでもここまでの激戦は経験したことがなかった。




「チィッッッ!? 魔王が引き入れただけのことはある。だが!!!」



「ようやく来ましたねぇ!!! タフモンオス閣下!!!」



「援軍が来たのは魔王! お前だけと思うなよっ!!!」










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 『異世界神様チート貴族転生したら、女装して女学園に通って悪役令嬢を誑かして婚約破棄させるように言われた。クラス転生していた悪役令嬢に男バレして追放されたがもう遅い。聖女(?)として復讐だざまぁ!』

テンプレ末期戦異世界チート転生女学園潜入もの書いてます。
こんなタイトルですが、神々の争いに主人公が巻き込まれるシリアス戦記です
 

 『追放ザマぁジャンルの研鑽について、また個人的対策案の成否に関する所感』

初エッセイです。本作品を基に書きました。
また初創作論です。
追放ザマぁジャンルを執筆する作者として、自分なりに反省点を交えた考察。
追放ザマぁの構造的問題への解決につながるかもしれないアプローチ。
新追放ザマぁシステム『連続追放』を通して分析することで、違和感なく楽しみながら完読できる小説を目指すという、ジャンル全体における質の向上を目標とする文章です。
皆さんの目で、お確かめ頂ければともいます。


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― 新着の感想 ―
[良い点]  カッコいいぞ、マノワール!  流石主人公です! 魔王様の本音がちょろりと漏れるのもナイス(๑•̀ㅂ•́)و✧  しかし、敵もさる者。更に援軍ですか……これはヒロインズにも活躍の機会があ…
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