第233話 「決戦、魔王城」
マノワールが決意した同時刻、
魔王城では決戦が行われていた。
露出の多い衣装を着た、高貴なる青肌の美しい少女。
その戦闘相手はタフモンオス。
力による支配を是とする、最強の魔王幹部。
「いい加減降参したらどうだ? 土下座して許しを請い、股を開いて無様に喘げば許してやらんこともない」
「私一人に何人もかかってきて、そのザマとは笑わせる。お前のような雑魚に、どんな女が股を開くか」
「減らず口を……お前のような女如きが、俺に舐めた口を利くなぁっ!?!?!?」
人間の身長ほどもある太い腕を振って、激怒する単眼の巨人。
尋常でない破壊力が、必然的な物理現象を生じさせる。
魔王城は崩壊寸前の様相となり、そこら中の壁が軋みを立てて罅割れを起こしていた。
「俺は自他ともに認める、職業強者男性。雑魚のオスどもとは違う、メスを屈服させる存在。世界最高のオスだと、生まれた瞬間から決まっている!!!!!」
「職業で他の存在に対してそう決まっているのだとしても、更なる上位者たる魔王の私には勝てない。降伏すれば楽に殺してやろう」
「逃げ回る事しか能がない小娘がっ!? 性奴隷として生かしてやろうかと思っていたが、引き裂いてくれるわっ!!!」
魔王幹部を三体も相手にしていても、魔王は余裕を見せている。
だが反乱勢力は攻めあぐねている様子だ。
恐らく魔王幹部は二体までなら倒せるが、三体同時だと相打ちくらいで実質的に負けるといったところだろう。
魔王と魔王候補であるタフモンオスが相打ちで死ねば、魔物たちは次の魔王を決めるために荒れる。
そうなれば弱き者が先に犠牲となることは必然なのだから。
だから魔王マオは動くに動けない。
大切なものを守るためには、彼女は勝たなければならないのだ。
「戦争などしても、弱い者が犠牲になるだけ。お前のような邪悪なる魔物に、魔王の座は渡せない」
「所詮この世は弱肉強食!!! 戦で死ぬのは弱いから悪い! 強き者がすべてを奪い、弱者はそのお零れに与ればいいのだ! それが世界の自然な姿であり、捻じ曲げることができない宿命である!!!」
「お父様が私を後継者に選んだのは。私が一番強いからではない。強い者がすべてを支配する世界など間違っている。お父様が愛し残された国は、お前などには渡さない」
クーデターを起こされる魔王。
タフモンオスは魔王が、思想的にも派閥的にも性別的にも気に食わない。
その考えに同調する者たちは、かなり多いらしい。
それがこの状況を生み出していた。
「人間どもを引き入れて何を言うか」
「そうすることで優位に立つため。お前たちもやっている事」
「俺が人間にやっている姦計を、お前は同胞たる魔物にしている!!! 俺は人間を裏切らせるという功績をあげた! 対してお前は工作員を引き入れただけの失敗なのだ! 人間どもの戯言を鵜吞みにすることは、明白な裏切り!!!」
人間の集落は隠しきれず、マノワールとの協力がばれたこと。
それが不利に働いてしまった。
あれだけの人数を隠し通そうとするのは、無理があったのかもしれない。
タフモンオスの懸念は間違っていない。
主導権を握る者が優位に立つことは、この世の真理。
人間たちの勢力が大きくなれば、離反を企む者も出る。
現に魔物に反感を持つ者は、エルフや陽キャたちにもいる。
力を得れば独立を模索することだろう。
魔王が失政をすれば、人間性力は爆弾になり得ることは自明であるのだ。
決して派閥闘争による、なし崩しの決定であってはならない。
魔王の選択には危うさがあることは、誰にも否定できないのだ。
「奴隷として使役するならともかく、協力者足り得ない!!! 弱い人間は我らの社会において、最底辺として生きていればいい!!!」
「それはお前の思い込み。他人に押し付けるのは、愚か極まりない所業」
腕のひと振りで壁が爆散し、魔法の一つで床が焼失する。
であるのに息一つ乱さない、この世界で最高レベルの強者たち。
だが魔王の地位が盤石になるのは避けたいという、タフモンオスの思惑も介されたポジショントークであることは否めない。
魔物が人間を一方的に弾圧できると言えば、現実的ではない。
人間の組織力は侮れない。
種族差がある魔物の間隙を狙い、何が何でも人類勢力の復権を狙うことだろう。
再び乱世が訪れることは必至なのだ。
現状の戦況は、多勢に無勢。
だが活路はある。
魔王が待っていた、その時が訪れたからだ。
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