第232話 「新たな故郷の復興 反乱発生」
ある程度エルフの森の復興作業が、軌道に乗った頃。
僕はオキャルンさんといつものように話しながら魔法を発動していた。
目の前に存在するのは、まだ若木ばかりだが一面に広がる緑。
復興作業は少しずつ、だが着々と進んでいた。
「オツカレッシター! ようやく森の復活も順調に進んできましたね~マノワールさん。この調子なら来年の今頃には終わりそうです~」
「オツカレッシター! オキャルンさん。引き続き僕は、この森の周りに防御陣地を作っていきます」
「はい~旦那様~えへへ~♪」
「よろしくお願いします奥様」
照れ笑いする、可憐な妻。
彼女と行う、やりがいのある仕事。
幸せを噛みしめる穏やかな日々。
「陽キャたちやジュクレンコさんたちも、建設を頑張ってくれてますね~」
「あいつらも手慣れたなぁ~もう一人前だ」
森の中心部には、皆が暮らすための住居が次々と建てられている。
それは既に何千人も住めるくらいだ。
体力がある若い男衆には、馬車やテントで我慢してもらっているが。
それも無くなるのも時間の問題だろう。
発展が続けば誰もが不便をしない、僕の理想とする街ができるはずだ。
「大変ニャ!? 獣人の商人たちが急いで知らせてくれた、重大な速報があります!!!」
「何かあったのかい?」
その時露出の多い服を着た、獣人の女性が駆け込んできた。
僕の妻の一人であるミーニャだ。
普段は快活だが、礼節を心掛ける彼女。
にもかかわらず、この様子はどういう事だろうか?
「魔王城でクーデターが起こったらしいニャ!?!?!?」
「えっ」
オキャルンさんが植物の種が入った籠を取り落とし、顔を青ざめさせた。
こんなに動揺しているところを見るのは初めてだ。
僕も困惑するばかりだ。
今まで影もなかったように見受けられる、魔王軍内での反乱。
何が起こっているのだろうか?
「このエルフの森に作られた集落のことを掴んだ魔王幹部が、それについて魔王様に追及したって!!! それは魔物に対する裏切り行為だと主張して、反旗を翻したらしいです!!! もう反乱から一日近くたっているニャ!?!?!?」
「それって魔王城でのことで……それじゃ皆が危ないですっ!?!?!?」
涙目で叫ぶオキャルンさん。
こんなに取り乱すところを見るのは初めてだ。
魔王城には彼女の知り合いが沢山いるのだろう。
何より魔王もその一人だ。
「すぐにみんなを集めよう。ここも襲撃されるかもしれない。そして作戦会議をするんだ」
魔王様がいなければ、とんでもない大戦争が起こる。
僕達の種楽も存在を許されなくなる。
僕の妻、仲間たちがみんな不幸になる。
そんなことは許しては置けない。
立ち向かうんだ。
戦って平和を取り戻す。
皆を守るために、皆と幸せに生きるために。
魔王城へと向かい、魔王様を助ける。
「僕たちが行かなくちゃ!!! 魔王様を守るために!!!!!」
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