第230話 「エルフの森跡地、到着 ギャル獣人妻の性癖」
僕たちはエルフの森に向かい、辿り着くや否や開拓していく。
ダンジョンコアの恩恵もあってか、スムーズに進めることができた。
森の大半が焼け落ちていた。
魔物たちはエルフを駆逐してから消火活動を行ったようだが、見る影もない。
エルマージたちは泣きだして膝をついた。
彼女だけではないエルフたちも、ここで命を落とした同胞を想い、思い思いに涙を流した。
彼らも仇である魔王に従わなければならない。
想像を絶する苦痛があるだろうに、それをやるのだ。
自分と生き残った同胞たちが生き延びるために。
「ミーニャさん。お願い」
「わかりました!」
獣人たちの商隊の第一陣がきた。
これで色々な道具が補充でき、復興作業も捗る事だろう。
ある程度の物資を補充し、僕は物珍し気に物品を見る。
文化圏が違えば、置いてある物も全然違うな。
もう今日は仕事も終わったし、妻たちに何か買うか。
「これなんてどうでしょうか!」
「ミーニャさんに似合っているよ。買おうか」
「えへへ♡ ありがとうございます!」
皆の分も取っておく。
そして気に入ったらしい髪留めを手にして、装着して見せてきた。
本当に綺麗で、未だに自分のお嫁さんだと信じられないな。
「付けてあげるよ」
「にゃあんっ♪」
薄い水色のツインテールにアクセントになる、青い装着品。
腰まで届く艶やかな髪は、いつまでも触って居たくなるほどに柔らかい。
頬を赤らめているのは、アクセサリーのせいか、僕が髪を撫でているせいか。
そうして夫婦の時間を、心臓の早まる鼓動と共に過ごした。
「最近は随分とミーニャさんに付きっきりです。ズルい!」
「どうしても獣人たちのことを話していると、獣人の家族に聞いちゃうからね。寂しがらせたならごめんねニンメイちゃん」
「許しません! ギュってしてください!」
両手を広げる彼女を覆うように、彼女の小さく細い体に腕を巻き付ける。
学生服が似合う彼女は、まだ甘えん坊だ。
寂しがらせないように……と思った瞬間ある女性の表情を察知した。
「コックロもおいで。寂しそうな顔なんて、しちゃいけないよ」
「わ、私は」
「甘えるのが下手だからね。皆に存分に時間を使ってあげられれば、いいんだけれども」
ハーレムって実際にやるのは大変さの方が際立つ。
実際にやっているとわかるけど、僕には無理だよ。
そもそも女性が苦手なのに、何の因果かこんなことになってしまった。
後悔はないけど、彼女たちの気持ちが気がかりだ。
「でも短い時間だけしか会えなくとも、寝とっているみたいで興奮します……♡ 自分の心のことですが、初めて知りました……!」
「語尾にニャって着けないのガチっぽい~!?!?!? 脳が爆発するぅ~!? 僕は二十年以上お兄様が好きだったのにぃ~!?!?!?」
ミーニャがとんでもない事を口走り、僕は思考が止まる。
アクレイはいつも通り泣き始め、頭から放電しながら煙をあげている。
「実際ハーレムって上手くいかないこと多いんですから、自分で楽しみ作っていかないと、嫉妬で可笑しくなりますよ? 獣人は一夫多妻とか乱婚とか多いですけど、それでも痴情のもつれ多いですから。それが私の性癖という訳にゃ♡」
「ずっと遠くから見ているだけって、恋愛漫画で失恋する負けヒロインみたいなことしてたから~!?!?!? 恋愛弱者はこうやって生きていくしかないんだぁ~!? それよりはマシだと思い込んでい生きていくぅ~!!!」
思考を停止していてはいられない。
彼女たちにできるだけのことを、夫としてしなければ。
「アクレイ。情けない旦那で済まない。でも君に尽くしていくつもりだ。僕は君のために生きていくと誓うよ」
「ふぁ……♡ お兄様かっこいい……♡」
甘えるように擦り寄って来る妹分。
一緒に暮らしていた時よりも、幾分か素直だな。
昔は理由をつけて僕に抱き着いて来ていたけど、年月と共に性格も変わったことを実感する。
エキセントリックさも増しているが、でもいい変化だと信じたい。
「あっ! 今のめっちゃ寝取りたいニャ!!!」
「台無しだよぉ~~~!?」
「いい雰囲気をぶち壊す、悪い女にお仕置きしてニャア~♡」
「無敵かよぉ~~~!?」
泣き喚くアクレイと、頬を赤らめたミーニャ。
僕はげんなりとしながら、妻たちの乱行に思い悩んだ。
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