第228話 「アクレイたちの移民交渉」
「獣人は種族意識や国家意識などが薄いから、色んな所に住んでいる。群れは非常に大事にするが。マノワールが心配するようなことは起こらないはず」
「よかった。ありがとうございます」
獣人間でも色々な問題があるかとも思ったが、杞憂だったようだ。
差別問題などがないならば、何かとやりやすい。
フラットに付き合えるだろう獣人たちがいて、よかった。
「他に何かあればここで言え。出来るだけ用立てる」
「それでは僕よりも適任者に……妻であるセインセスとアクレイに頼みます」
素人の力には余ることなので、自慢の妻たちにバトンパスする。
僕じゃわからないからプロに任せよう。
「交渉を承ったアクレイと申します。人間たち、あるいは魔物たちに攻められたとき、どの程度ご協力いただけますので?」
「私の派閥に攻撃しているということだから、全面的に協力する。私も出ることができる状況であれば、私も戦闘に参加する」
それは有難い話だ。
今攻められたら結構苦しいからな。
僕の妻たちも物凄い猛者揃いだけど、物量に耐えられるかと言ったら否だ。
結構戦える陽キャやエルフたちも大勢いるけど、非戦闘員が多すぎるから。
「お久しぶりです。私もマノワール様の妻となりました。お尋ねしたいことは法制度と税金についてです。そちらの魔物や獣人たちと諍いが発生した場合、どのように対応しますか?」
「聖女か。ふむ……魔界共通の法制度は存在しない。私は魔物の代表に過ぎない。法全般の制定権利は、その土地の領主の方に帰属する。裁判もだ。ここは私の領となるので、あとで法典を送る。それまで派手な行動は慎んでほしい。そして税はこの1年は免除する。その後については発展度から応相談。こちらも資料を送る」
「わかりました。何か問題あれば相談させて頂ければ」
「ああ」
流石は統治に携わっていた王族。
手際よく話を詰めていっているな。
その後も10分ほど、やり取りが交わされる。
しかし相談内容が多すぎて、キリがないみたいだ。
「やはり文化の違いから、すり合わせるのが難しい。まずは法典などを読み込んでから、相談するのが建設的と思うのだが」
「そのようですね」
魔王と聖女が平和裏に話し合っている光景だが、お互いに疲れた面持ちだ。
色々な意味で神経を使ったことだろう。
「少し時間を置いてまた来る。私も忙しい身だからな」
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