第227話 「おねショタだいすきマオおねえさん」
「だからお姉さんでいい。呼び方にはこだわらない。公の場では相応の礼儀を求めるが」
「えっ!? 昔から冗談かわかりづらいんですよ!?」
開幕から貫き通されるお姉さん呼び要求。
臣下の礼を取る時くらいはと思ったが、それすらも気にしない方のようだ。
そう言えば昔も、こんな感じでいつも振り回されていたな。
黙って聞いていたエルフの妻も、横から口を挟んでくる。
故郷を滅ぼした魔王を糾弾しようとしたのかと、一瞬焦ったが。
だか彼女が不満に思っていたことは、全く別のことだったようだ。
「ズルいぞ魔王! 私だって41歳とおねショタしたい!!!!!」
「ボクはもう42歳になるんだから、やめてエルマージ!?」
「エルフの40代なんてケツの青いガキだぞ!? エルフのロリコンショタコンが人間と付き合うのは、そういう事だからな!!! エルフの子どもたちはそれはもう大切に育てられるんだ! 手を出すなら何も知らない人間しかいないんだよ!?!?!?」
「それがマジなら聞きたくなかった~!? 種族への幻想が崩れる~!」
41歳のオッサンとおねショタとか言う意味不明発言が、唐突な角度から投げ込まれる。
エルフには異常性愛者がいて、だから人間を狙う一派もいたとは。
年齢に興奮するとか意味が分からない。
長い時間を生きていると、性癖も捻じ曲がってしまうのだろうか?
まさかまだ独身であるエルリフォムさんも……
あまりの想像に身震いした。
なんてことを僕は気づいてしまったのか。
気づかない方が幸せだった。
「いい趣味をしている。私もおねショタは好きだ。ショタおねは許さないが」
「は? やはり魔王とは相いれんな。私はマゾだ。ショタおねの方が好きなんだが」
「貞淑だって言った口はどこに行ったのエルマージ!?!?!? 史上最低の理由で決裂しかけないでーーー!?!?!?」
戦雲が垂れこめる、謎の展開。
なんてことだ。
普段振り回されている僕だが、最近は特にひどい。
こんな結婚生活を今後ずっと送るのだと思うと、絶望してきた。
でも自分が決めたことなんだ。
だからこそ僕は考えるのをやめた。
「チッ……ビジネスの話ならしてやる……チッ……」
「ケンカしちゃダメですよ~そんなんじゃお姉さんにはなれませんからね~」
「私は優しいお姉さん」
変わり身はやっ!? という言葉を何とか胸の奥に押し込めて。
僕は社畜時代の根性から、歯を食いしばって魔王へのツッコミを我慢した。
「とりあえずは……必要なものがあるなら支援する。それは商人の獣人に運ばせる。魔物の時もあるから、そちらの交渉窓口は獣人がいいだろう」
「それではミーニャさんお願いできますか?」
「わかりましたニャ!」
ミーニャも獣人なので、中立に近い種族として橋渡しを期待したいのだろう。
魔物との取引の窓口となる人物は、限られるだろう。
学があって信頼できる家族で、魔物に反感を持たれないのは彼女だけ。
是非とも任せたい大仕事だ。
「お姉さん。魔王領に住んでいる獣人は、人間に反感ってあるんですか?」
2月18日に完結予定となります。
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