第226話 「セクハラ魔王と協力締結」
「無事魔王様とお話しする機会を取り付けられました~! エルフの森で会談する手筈となっております~マノワールさんもよくがんばりましたね~ぎゅう~♡」
「オキャルンさん!? 胸が! 胸が当たっております!!!」
「あれだけ絞ったのに、マノワールさん絶倫ニャア~」
「今日も頑張ってもらいますからね! お嫁さんは沢山いるんですから」
それ一夫多妻の夫として、普通よりも努力する必要があるけど……
連日のように体液を吸い取られて、僕はもう骨と皮になってしまうかもしれない。
「この匂い……? はわ……♡」
「オキャルンさんもエッチしてあげないとですよ! 仲間外れにしたら家庭崩壊ですからね!」
「わかってるけど誘い方があるから、僕らのペースでやらせてね!?」
オキャルンさんは僕の下半身を見て、手で顔を覆い隠している。
でも指の隙間からチラチラと覗いては、羞恥心に頬を染めている。
可愛い。
なんか変な考えに目覚めそう……!
いやマズい。僕は常識的なんだ。
話題転換して、意識を逸らさねば。
「まずは大事な話から! 魔王との話はどうなったんですかオキャルンさん!」
「えっと~そのことなんですが~―――――」
「―――――興味深い話だった。続けてくれて構わない」
その瞬間、青い肌をした魔物の少女が僕の目の前に現れる。
そしていつも通り爆弾宣言を。
「マノワール。臭い。精液?」
「やめてくださいセクハラですよ!? ちゃんと体は洗いました!!!」
「もっと臭いが強くなった。発情している証拠。私に指摘されて興奮しているのマノワール?」
嗜虐的に口角を吊り上げる魔王マオ。
旅をしてきた頃と音字、本当に意地悪なお姉さんだ。
僕の顔は赤くなっている事だろう。
なんで僕が羞恥プレイさせられている?
「虐めちゃいけませんよ~難しい年頃なんですから~」
「ついやってしまった。私も年を取ったか」
「セクハラオヤジと変わりませんからね!? 女性にセクハラされるのもキツイんです!」
「私が……セクハラオヤ……ジ……!?」
魔王は今までで一番表情を歪めて、目を見開いた。
そして表情を取り繕ったが、声は震えている。
「かかか会談を始めるわわわ私は」
「相変わらず根がお笑い芸人ですね……」
震えまくるビブラートボイスで、激しく動揺している魔王。
幼い頃一緒に旅していた頃も、こんな感じだったな。
「というか魔王様直々に来てくださるとは……お忙しいのでは?」
「お姉さんでいいと言っている。重要案件だから、私が来た。部下を経由すれば何処から漏れるかわからない」
それは随分と末期的に聞こえるが……
相当追い込まれているのかな?
オキャルンさんからその辺を事前に聞きたかったが……
これも交渉で優位に立とうとする魔王の策なのだろうか?
「いや僕もう41ですよ? ……睨まないでくださいよ。では……お姉さんは前にお話しした延長線上に、本格的に手を組みたいという事ですか? それでは僕たちのことが露見したらマズいのでは?」
「うん♡ いや。私達魔物もできるだけ戦争で被害はなくしたい。弱者は死ねばいいというのが、うちの幹部の大半を占めるが、それでは統治が立ちいかないこともわかっている。だからこそ人間は積極的に引き入れている。効率的に勝つために」
断ろうとするが、強烈な眼光で射すくめられる。
機嫌を損ねるわけにはいかないので、仕方なく希望通りにお姉さんと呼称する。
なんでいい年して赤の他人を、お姉さんとか言わないといけないんだ。
絶対に妻たちに聞かれたくないぞ。
もう聞かれてるけど。
しかし魔王軍もバラバラだな。
派閥争いというレベルではない。
ひょっとすると魔物をまとめ上げている立場の彼女には、すでに破綻の兆しが見えているのかもしれない。
「そんなわけでマノワール。歓迎する」
「魔王様。この度は温情を賜りまして、厚く御礼申し上げます」
面白い、または続きが読みたいと思った方は、
広告下↓↓↓↓↓↓↓↓↓↓↓↓↓↓↓↓↓↓↓↓↓↓↓↓↓↓↓↓↓↓↓↓↓↓↓↓↓↓↓↓↓↓↓↓の☆☆☆☆☆から評価
またはレビュー、ブックマークしていただけると、モチベーションに繋がりますので執筆の励みになります!!!!!!!!!!




