第205話 「VS巨大化デブ怪物」
とは言ったものの、なんて大きさだ。
剣を構えるが、これでは対処できないだろう。
「アース!!!」
「ストレングス! ハードニング!」
「クズ間男のマノワール。よくも愛しいお嫁さんとの結婚式を、邪魔してくれまちたねぇ」
僕は自宅を創造し、エルマージも支援魔法をかけてくれる。
最高のコンディションだが、倒しきれるか。
物凄い再生速度に、斬っても分裂し始める。
そんな生物相手に、どう立ち向かえばいいのかを考える。
「お前は楽には死なせまちゃん♡ お前の仲間たちを一人ずつ犯して、それをじっくりと眺めさせてやりまちゅ♡」
極悪なる言葉と共に、見下ろしてくるセイリムリ。
邪悪に笑い、仲間を傷つけようと目論む仇敵だ。
負けるわけにはいかない。
この背中には大切な人たちの尊厳がかかっている。
「そんなことは絶対にさせない。僕がお前を倒すからだっ!!!!!」
セイリムリ打倒の意思を宣言する。
そうしなければ何も守れない。
その時だった。
まったく期待すらしていなかった、声援が届けられたのは。
「頑張れマノワール伯爵ぅぅぅぅぅっっっ!」
「その魔物を倒して英雄様―――――!!!!!」
「どうか勝利をぉぉぉぉぉ!!! 我々すべてが願っておりますぅぅぅぅぅ!!!」
みんなの激励が僕に力をくれる。
クズだったぼくが、こんなにも応援されている。
胸の奥がアツくなる。
体が炎そのものになったように、勇気が湧いてくるんだ。
「ウザイ人間どもでしゅねぇ……こいつらを殺してからでもいいか……」
「勝つのは僕だ!!! お前をぶっ潰す!!!!!」
創造しろ。最大最高の自宅を。
皆を守れる警備員に僕はなるんだ。
「――――――――インペリアルキャッスルだっ!!!!!! おりゃおりゃおりゃおりゃおりゃおりゃっっっっっっ!!!!!!!!!!!」
「でしゅぅぅぅぅぅっっっ!?!?!?!?!?」
上空へと城を形成し、押しつぶす。
カース王城よりもさらに大きな質量が、重力と共に墜落する。
その破壊力たるや、隕石が落ちたかのようだ。
そうすれば分裂しても地面にたたきつけられて逃げ出せない。
僕は上昇したステータスでダメ押しとばかりに、最大速度で連打した。
「婚約破棄ラッシュだオリャアッッッ!!!!!!!!!!」
爆散を繰り返す城を殴りつけ、崩壊まで至らせる。
瓦礫と化した城でも、セイリムリが動けなくなるので有用だ。
「どんなに無敵のデブでも、飯が食えなければ生きていけない。それだけの巨体だ、消費エネルギーは尋常ではないだろう」
これは足止め作戦。
身動きが取れないさせたセイリムリの再生能力が尽きるまで、ダメージを負わせ続けて拘束するのだ。
「さらに押し潰せば、さらに修復エネルギーも必要! 再生しなくなるまで殴り続けてやる!!!」
秒間10発にも及ぶ、猛烈な殴打。
そのインパクトは、一撃で王城内の部屋を数個消し飛ばすほどだ。
「どんなに凄いデブでも、食べ物には勝てない。生産者と料理人、そして食べ物への敬意を持てっ!!!!!」
その言葉を言いきった瞬間、城の下から押し返されていた抵抗が途絶えた。
瓦礫の下にはブヨブヨした感触があったが、それは霧散するように消えてゆく。
「――――――――――そん……な…………こんな……人間に…」
「お前のように心も体も醜く太ったデブに、僕は負けないっっっっっ!!!!!!!!!!!」
ヘドロのような液体に消えていったセイリムリ。
長かった因縁も、ここに清算できた。
僕たちは勝利した。
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