表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

203/241

第203話 「仲間たちの奮闘」




 全速力で駆けだした4人。

 風景が次々と後ろへと遠ざかって、目まぐるしく景色が変わってゆく。

 その先には王都の中でも一際大きな建物が見えてきた。




「辿り着きましたね! ここからでもわかるくらい油臭い……」


「私とニンメイは裏口から行く! 二人は表側から制圧してくれ!」


 エルマージたちは狭い裏口から攻める。

 挟み撃ちの構図でセイリムリを追いつめるのだ。






「行きましょうミーニャさん~!」


「みんなを助けるニャ!」


 獣人とドリアードの二人は、表口から入っていく。

 そこには異様な光景が広がっていた。




「何あれ気持ち悪い」



 そこには縛られた民間人。

 そして多くのセイリムリが存在していた。

 しかしどの個体もまだ子どもサイズで、不幸中の幸いといったところか。


 相変わらずの汚らしい食べ方。

 あんなに音を立てながら食事をしていては、同席していたいものなど皆無だろう。


 そしてどんどん個体数も増大している。

 このままではマノワールと戦っていた個体と、同等の大きさまで至ってしまうだろう。




「オキャルンさんは民間人を! 私が素早く殲滅しますニャ!」



「子どもたちは守りますぅ~!」



 オキャルンは植物の蔓を伸ばし、民間人を保護する。

 長命である彼女からしたら幼い人間の命を守るため、慈愛深く全力を尽くすのだ。






「「「「「「「「「「でしゅかぁ~~~?」」」」」」」」」






 そこにいた大量のセイリムリ。

 異常を察知したのか、一斉に振り向いた。


 だが大小さまざまで、一番大きな個体でもオキャルンよりも小さい。

 大体が子犬サイズのセイリムリばかりだ。


 小さくてもキモいので、女性陣は全員表情を嫌悪に歪めている。

 小さい物なら何でも可愛いというなら、女性は虫をも愛することだろう。






「ニャッ! はぁっ! これで終わりニャ!」



食べ粕を零しながら、腹に蓄えられた醜い脂肪を揺らして応戦を試みる。

 だがミーニャの身体能力を生かした猛攻にはついていけない。




「「「「「怖いお姉さんたちから逃げるのでしゅぅ~~~!?」」」」」



「セイリムリが裏口から逃げてしまうニャ!?」



「大丈夫です~! お二人が来てくださいます~!」



 焦ったミーニャは気を取られるが、年長者のオキャルンが注意する。

 その言葉通り、援軍が来た。


 厨房の方からメイド服の少女と、エルフの女性。

 二人がセイリムリを薙ぎ倒しながら、こちらへと向かってきた。






「厨房くっっっっっさ!?!?!? セイリムリくっっっっっさ!? 鼻が曲がります!!! このストレスはセイリムリにぶつけてやりますからね!!!」




「ハンバーガーばっかり食ってんじゃねえょブタが!!! だから太るし臭いんだよ!!!」




「ブッッッッヒィィィイィッッッッッ!?!?!? ぼくたんをバカにしゅるなぁぁぁっっっ!?!?!?」




 悪臭に表情を歪めた二人が、奥から飛び出してきた。

 厨房にもセイリムリがいたのだろう。


 そして醜悪な魔物たちを蹴飛ばしながら、駆除してゆく。

 彼女たちは健康推進の言葉と共に、気色悪い生命体を撃破していった。




「エルフのように野菜や果実を摂取しろ! 健康にも美容にも良い! そういうところからお前たちと私たちとでは差があるんだよ!!!」




「肉と炭水化物だけは捨てられないでしゅ~~~!!!」




 草食文化が根強いエルフの一員である、エルマージは相当に気が立っている。

 油の強い臭いは彼女に吐き気を催させたようで、ひどく不快感を示していた。






「砂糖や油ばっかり摂取するな! まったく摂取するなとまでは否定しないが、そればかりを偏食していては健全な人生にはならない!!! それがお前たちの敗因だ」



「ヴィーガンのクソ癌細胞共がよぉぉぉぉぉぉ!?!?!? おまけにルッキズム拗らせやがってぇぇぇ!? お前たちが真の邪悪でしゅぅぅぅぅぅっっっ!!!!!」



「黙れデブ。不摂生は甘えだ」



 最後のセイリムリを、エルマージは短剣で切り裂くと。

 その悪手で女性陣を苦しめた魔物は、ドロドロの液体に溶けていった。






「セイリムリ……成敗っ!!!!!」



「やったニャアっ!!!」



「流石エルマージさんです!!!」



 勝利を喜び合う美女たち。

 民間人たちも安堵の涙を流し、彼女たちを称える。



 しかしオキャルンだけは人生経験から、冷静に戦場を俯瞰していた。

 まだ戦いは全て終わっていないと思っていたのだから。

 そしてエルマージも続いて異変に察知する。




「待ってください~!?」




 悲鳴をあげた褐色肌のドリアード。

 彼女の視線の方向には、異常が始まっていた。






「なっ……セイリムリたちが合体していく!?」










面白い、または続きが読みたいと思った方は、


広告下↓↓↓↓↓↓↓↓↓↓↓↓↓↓↓↓↓↓↓↓↓↓↓↓↓↓↓↓↓↓↓↓↓↓↓↓↓↓↓↓↓↓↓↓の☆☆☆☆☆から評価


またはレビュー、ブックマークしていただけると、モチベーションに繋がりますので執筆の励みになります!!!!!!!!!!





評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。


旧作も読んでくださると嬉しいです!

 『異世界神様チート貴族転生したら、女装して女学園に通って悪役令嬢を誑かして婚約破棄させるように言われた。クラス転生していた悪役令嬢に男バレして追放されたがもう遅い。聖女(?)として復讐だざまぁ!』

テンプレ末期戦異世界チート転生女学園潜入もの書いてます。
こんなタイトルですが、神々の争いに主人公が巻き込まれるシリアス戦記です
 

 『追放ザマぁジャンルの研鑽について、また個人的対策案の成否に関する所感』

初エッセイです。本作品を基に書きました。
また初創作論です。
追放ザマぁジャンルを執筆する作者として、自分なりに反省点を交えた考察。
追放ザマぁの構造的問題への解決につながるかもしれないアプローチ。
新追放ザマぁシステム『連続追放』を通して分析することで、違和感なく楽しみながら完読できる小説を目指すという、ジャンル全体における質の向上を目標とする文章です。
皆さんの目で、お確かめ頂ければともいます。


一日一回投票いただけると励みになります!(クリックだけでOK)

小説家になろう 勝手にランキング
― 新着の感想 ―
[良い点] 「不摂生は甘えだ」  がっはぁァっ! 突き刺さる一言!  きょ、今日は休肝日にします(汗)  簡単にはいかないセイリムリ……小さいのも合体するのもキモすぎ! 流石です!
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ