第201話 「生理的嫌悪を催す魔物の凶悪なる能力」
「セイリムリの能力を見たであろう? すでに分裂したセイリムリが大量に王都に潜んでいる! もしセイリムリを倒せば、それが同じ個体全てに察知され、王国全土を襲う手筈となっている!!!」
ブラフか?
しかし信憑性は高い。
セイリムリがすでに分裂しているなど、予想して然るべきこと。
そんなことになれば、多くの人々が犠牲となってしまう。
加えてセイリムリの攻略法を見つけてもいないが、そもそも倒せないではないか。
冷や汗が額から顎に伝った。
「マノワール! 偵察力に優れたわたしとニンメイで伝えに行く! お前たちはここを抑えてくれ! セインセス様も私がお連れする!!!」
「わかった!」
「マノワール様。ご武運を」
状況判断力に長けたエルマージが、すかさず外へと向かう。
しかしどうする?
真実ならばとんでもない被害が及びかねない。
僕だって容易に推測できることだ。
セイリムリのような魔物が何体もいるとしたならば……
「ゲースリンス……貴様、国民すら人質にとって……」
「王あっての国だ!!! 私のために死ぬなら、下々の民も本望であろう!!!」
本気で言っているのであろう。
勝ち誇ったような下衆は耳の腐るような発言をしても、まったく悪びれもしていない。
「もう既にセイリムリが死ぬような異常事態が起こったことは、私の手の内の者からセイリムリの分裂体へと直に知らされるであろう! 私を見逃せ! そうすれば国民に手をかけることはない!!!」
「貴様ぁぁぁぁぁっっっ!?!?!? 貴様のような奴がいるから世界はぁぁぁぁっっっ!?!?!?」
「落ち着くんだお兄ちゃん! 冷静に考えないと、マズいことになりかねないぞ!」
あまりの言い草に激昂してしまう。
本気でキレたことなど久しぶりで、コックロがいなければ抑えが効かなかっただろう。
「でも……ここで王太子を取り逃せば、マズいことになる。しかし倒してしまっては、直ちに連絡が向かう。どうすればいいんだ」
「みんなを信じよう! セイリムリを殺さずここで押さえ続ければ、セイリムリの分裂体を倒してくれるはずだ! それに配下に連絡させると言ったのなら、分裂体同士は離れているなら連絡手段がないということだ!」
「猿知恵だな! そんな簡単に見つかるわけもないだろう!?」
僕達はセイリムリを抑えるべく、再び剣を振り上げる。
こいつをここから出してはいけない。
なんとか探し出して倒してくれ……!
ニンメイちゃん! エルマージ!
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