第174話 「燃えるエルフの森」
エルフの里に魔物たちが攻めてきたのだ。
突然の凶報だが、数々の戦闘経験から疑念を押し込む。
何よりもまずは今の状況を把握しなければ。
報告してきた女の子に問いかける。
「今はどんな戦況なのニンメイちゃん!?」
「奇襲を受けましたが、対応できているようです! しかし敵の戦力が多く、次第に押し込まれているようです。何よりも森を燃やして、隠れられる場所と生存区域を潰す徹底ぶりで……」
「この里には優秀な術師が沢山いるのに、押し込まれるほどの戦力……相当の大戦力みたいだな。何より完全に里を破壊するつもりか……!」
エルフの隠れ家兼陣地となる森の枯死。
そして食糧生産基盤を破壊するためだろう。
魔物たちはエルフを滅ぼすつもりなのだ。
昨日話していた危険が、皮肉にも起こってしまった。
間が悪い男の面目躍如だな。
「見えました!」
「ストレングス! ハードニング!」
「アース! ジタクアタック!!!」
僕たちの連携で、視界に入る魔物を鏖殺していく。
大量の自宅が空を舞い、魔物たちへと猛烈な勢いで降り注いだ。
しかし奴らは既に散会して森を囲んでいるようで、戦闘効率が悪い。
「次のところへ! 残敵を掃討するよりも、一体でも多く早く無力化せねば!」
「ああ!」
そうしていくうちに、エルフたちと合流できた。
皆は傷だらけで、激しい戦闘をしていたことが伺える。
「エルマージ! 無事だったか! マノワール殿も感謝する! おかげで楽になった!」
「いえ。そちらこそ」
「エルリフォムさん! 今はどうなっているんだ!?」
あちこちに傷を負っているようだが、動くのに支障はないようだ。
流石は全員が一流の魔法使いであるエルフ。
しかし彼らは疲れ果てている様子。
これだけの攻勢に、全力で抵抗しているのだから当然だ。
「数が多すぎる……! 私たちはかなり魔物を倒したが、。このままでは逃げる事すら危うい……」
「何を弱気なことを! 不平を漏らさず、血の犠牲を厭わず勝利へと邁進せよ! 我らエルフはこの森で生まれて以来不敗! 神森不滅の意気をもって、立ち向かうのだ!!!」
疲労困憊している若いエルフたち。
熟練の戦士である老年のエルフたちすら、一様に肩で息をしている。
すでに魔力を使い果たす寸前なのだろう。
精神論を掲げ、闘志を促しているが。
しかし無言でも不満が募っている様子。
声を出して論争する気力すらないのだ。
それでも長老たち年老いたエルフたちは、意気軒昂に徹底抗戦を叫び続ける。
まさか最後の一人になるまで、この場所に居座り続けるのであろうか?
「母なる大地を守れ!!! 魔物どもに偉大なる種族が負けるはずがない! 必勝への筋道は、忍耐にこそある! エルフとしての誇りを胸に、草の根を噛むとも敵を打ち払うのだ!!!!!」
種族意識を高め、郷土愛を喧伝する。
同族を守るべく、戦地の中心へと赴くのだ。
長老すら弓を片手に、意気揚々と特攻する。
駆け出した彼は年齢を感じさせないほどに速い。
「必勝の意思を秘め、戦士たちよ矢と成れ!!! 聖戦を制するのは己を殺してでも、種族に奉仕する者たちである!!! 全軍突撃―――!!!!!」
老若男女問わず武装して、突撃をする。
ここからが決戦となるのだ。
勝利に身を捧げるべく、誰もが覚悟を固めてしまった。
先が見えているだろう者たちは、半ば絶望の表情をしながら後から続いた。
前進の果てには、何が待ち受けているのだろうか。
「―――――――助勢致します。進撃を停止してください。回復させます」
「セインセス王女殿下!?」
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