第164話 「マノワール好みの女の諸見解」
「エルマージが敬語を使っている!?」
「年長者には敬語を使うだろう? 何を当たり前のことを言っている。オキャルンさんにもそうしているだろう」
そう言えばオキャルンさんには、敬語使ってたな。
緑髪褐色肌の彼女の包容力が凄すぎて、まるで違和感がなかった。
そうか。見た目が若々しいから失念していたのだ。
ミーニャやオーエラさんと同年代に見えるからな。
でも失礼ながら違和感というか……
エルフの彼女が頼りがいがあるのも、この集団でオキャルンさんを除いて最年長だからか。
そう考えると納得できた。
「ずっと若いというのはいいな。憧れるよ」
「ボクたちも大人の色気というものがあるだろう! 若い女には負けない!!! はず……!」
「わたしも大人の魅力でマノワールさんを悩殺です~」
41歳の僕からしたら、まだまだ若いのに……
コックロたち二人は自分たちの美貌に、自信がない様子。
もっと若い子たちからは、そのスタイルの良さを羨ましがられることだろう。
オキャルンさんがやる気を出している。
大人……
いや体の一部分は非常に大人だが、いや性格というか母性は随一だな。
「魔物にエルフに獣人に、色んな女の子がいるな~お兄様ってどんな女性が好みなんだろう? みんな知っているかな」
「あっ! わたしも皆さんの見解が気になります!!!」
「やめてニンメイちゃんに変なことを教えないで!? 大人の汚い部分を教えて汚さないで!?!?!?」
なんてことを話題にしてくれるんだ。
ニンメイちゃんはまだ恋愛もしたことのない、純真無垢な子なんだよ。
恋バナに興味があるのだろうが、もっと優しい綺麗なものから始めていくべきだと思うんだ。
でもアクレイもすぐに溶け込めたみたいでよかった。
こういうことはやめてほしいけど、まぁ僕をダシにして仲良くなれるなら……
やっぱり嫌だ。嫌すぎる。
女所帯だから、恋バナとかは女の子たちで固まってやってくれよ。
「そんな……わたしを自ら汚したいだなんて……ポッ♡」
「私も性知識を教え込んでください! 教え上手と言われておりますが、そっち方面は疎いんです!」
頬を赤らめるニンメイちゃんと、食い気味のオーエラさん。
もう手遅れだったらしい。
娘のように思っていたニンメイちゃんは、僕の知らないところで色々なことを知ったらしい。
これだから嫌なんだ時間の残酷さは!?
「エッチなことでは教師と生徒が逆転しちゃうのにゃ……?」
「お兄ちゃんは女騎士に主君として無理やり……ゴクリ……」
「新人ギルド受付嬢を狙う中年男爵、こんなのエッチすぎます! エッチなことはまだ早すぎです! で、でも結婚前でもチューくらいなら……」
「えーとえーと……ダメだウマいことが思い付かない!? 他の女たちのプレイのダシにされるぅ~!? あばばばばば」
三者三様の妄想を深めながら、僕を竿役にしている失礼過ぎる女の子たち。
なんで僕なんかを据えるかな。
男として見られていないんだろうが、そういうことを言っていると他の男から白い目で見られてしまうよ。
アクレイの頭から激しく放電し、何かよくわからないことを言っている。
昔から変わった子だったが、どういう意味なんだろう?
最近の若い子の考えることは、オッサンには難しいな。
「え、えっちなんて……はぅ……」
「あまり露骨な話は……その……苦手だ……」
オキャルンさんは頬を真っ赤に染めて、恥ずかしがっている。
エルマージも露骨な猥談は苦手なようだ。
年長者二人は恥じらってくれている。
そうだよこういうのが大事なんだ!
「むっ! あまり直接的な話よりも、恥ずかしがる女性がいいんですか! これは作戦変更です!」
「マノワールさんは紳士的ですから! そんなところが素敵です」
「もう遅いからね!?」
ニンメイちゃんもオーエラさんも年頃の女の子。
そういう事に興味が出ても仕方ない。
でも少しハジケすぎだ。
適切な性教育をするように、年長組辺りに頼まないとな。
そんなことを言っているうちに、案内地に到着。
木の上に建設されている住居。
並大抵の技術ではこのような芸当はできないだろう。
いや木そのものと住宅が一体化しているのだろうか?
巨大な樹木はその生命力を一切損なわず、住居と一体化している。
どんな技術を使えばこんなことができるのだろう。
エルフとはすごい種族だと改めて実感する。
「長老に挨拶を」
「ご苦労エルリフォム。人間のお客人。エルマージと共によく来てくれた。」
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