表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

162/241

第162話 「次の追放先へ」




 オッサツイホ領から出て数日、僕たちは行き先と旅の目的をどうするかについて。

 思い悩みながら相談していた。


 まさか実家からも出なくてはならないとは思わなかった。

 どうしたものかと何度目になるのかわからない、同じ話ばかりをしてしまう。




「さて。これからどうするか」



「ボクの資産があるのだから、ゆっくり考えようじゃないか。元手はあるのだから、商売すれば理論上は天井知らずに増やせるよ! もう領主業務はないし、時間さえくれればお手の物さ!」



 国家最高レベルの天才である彼女がいれば、お金の心配はないだろう。

 オッサツイホ領はあれだけ豊かになっていたのだし、従妹の手腕には疑いはない。

 

 これだけの規模の武装勢力など、もはや軍隊のようなものだ。

 老人や子供も多いので移動手段として、すでに馬車は大量に買った。


 陽キャたちの中に馬を飼っていた者もいたので、御者をさせている。

 足りない分は雇っているが、いずれ器用な陽キャたちも馬を操ることが液るようになるだろう。






「考えていたのだが、私に提案がある」


「ほほう! エルマージ君の腹案とやらを聞こうじゃないか!」


「呼び捨てでいい。仲間となるのだからな」


「これは性分みたいなものさ。皆も気にせず平民となったボクのことは、敬語とか使わなくていいからね! それでどうするんだい?」


 平民になったとは言うが、実際そんな簡単にできるのかな?

 僕とコックロは出てきちゃったけど……

 まぁアクレイが言うのだから、間違いはないのだろう。


 早速親交を深めつつ、これからの計画について議論する。

 そして思いがけない単語が、エルマージの口から発せられた。




「私の里に赴く。交易品などの商売はできるだろう」



「エルマージくんの故郷である、エルフの里という事かな?」



「でもエルフの里って閉鎖的と聞いたことがあるんですが」



 オーエラがエルマージの提案に、疑問を呈した。

 子どもでも知っているようなことだ。


 時折エルフの手による高度技術魔道具などが流れてくると聞くが。

 そんな簡単に取引をしてもらえるものだろうか?

 





「あぁ事実だ。だが私がいれば歓迎してくれるだろう。小さな里だから、全員を中に入れることはできないが……代わる代わる里に滞在すればいい。陽キャたちがキャンプの準備をしてくれるだろうから、その間に入れない方々も問題ないだろう」



「陽キャさんたちは本当に器用ニャ。マノワールさんの方が素敵だけどニャ!」



「あれは尊敬しますよね~わたしもマノワールさんの方が大好きです!」



「二人とも!?」



 ニンメイちゃんとミーニャは僕の腕に抱き着いてくる。

 褒めてくれるのは嬉しいけど、過剰にスキンシップを取られるのは男として困る。




「子どもたちの面倒も見てくれますし、陽キャさんたちはいいパパになりそうですね~マノワールさんの方がいいパパになってくれそうですが~」



「体力もあるのはいい点だな! お兄ちゃんの方が凄いけど!」



「根性もありますからね。マノワールさんの方が素敵な性格ですが!」



 僕の胸にはオーエラさんとオキャルンさんが。

 背中にコックロが抱き着いてくる。

 身動きが取れない。






「みんなズルいぞ! ボクも! ……抱き着く場所がない!? 脚しか空いてない!? うぅ……他の女たちに負けた……もう寝取られに目覚めるしかないのか……」



 従妹の女性も駈け寄って来るが、アワアワとしながら慌てている。

 僕の足にコアラのようにしがみついて、泣いているアクレイ。


 大きくなって性格も変わったのだろうが、なんだか最近おかしいような……

 よくわからないことを言っているし、若い子の考えることは難しいな。




「仕方ないな。私は身長が高いから、お兄ちゃんの下半身を分けてやろう」



「ワーイ!!! お兄様のお尻~♡ むぎゅ~♡」



「ちょっ汚いからやめなさい!? みんなも離れて!」



 僕の尻に顔を押し付けるアクレイ。

 昔から変なことをしてくる子だったが、テンションがおかしいよ。

 やっぱり養子の子がなくなったことが堪えているのか……


 余程にストレスが溜まっていたんだろう。

 当主としての重圧も、それほどのものだ。


 ここで怒るのも大人気ないからな。

 優しくしてあげよう。




 でも流石に尻に頬擦りされるのは嫌だ……

 まったく僕を揶揄って……

 女の子たちは増えれば増える程に、姦しくなるな。






「……エルマージさん珍しいですね。いつもなら我先にマノワールさんに向かっているのに」



「……ん? あぁすまなかった私もマノワールが大好きだぞ! ちょっと心配事があってな。久々の里帰りだから」










面白い、または続きが読みたいと思った方は、


広告下↓↓↓↓↓↓↓↓↓↓↓↓↓↓↓↓↓↓↓↓↓↓↓↓↓↓↓↓↓↓↓↓↓↓↓↓↓↓↓↓↓↓↓↓の☆☆☆☆☆から評価


またはレビュー、ブックマークしていただけると、モチベーションに繋がりますので執筆の励みになります!!!!!!!!!!





評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。


旧作も読んでくださると嬉しいです!

 『異世界神様チート貴族転生したら、女装して女学園に通って悪役令嬢を誑かして婚約破棄させるように言われた。クラス転生していた悪役令嬢に男バレして追放されたがもう遅い。聖女(?)として復讐だざまぁ!』

テンプレ末期戦異世界チート転生女学園潜入もの書いてます。
こんなタイトルですが、神々の争いに主人公が巻き込まれるシリアス戦記です
 

 『追放ザマぁジャンルの研鑽について、また個人的対策案の成否に関する所感』

初エッセイです。本作品を基に書きました。
また初創作論です。
追放ザマぁジャンルを執筆する作者として、自分なりに反省点を交えた考察。
追放ザマぁの構造的問題への解決につながるかもしれないアプローチ。
新追放ザマぁシステム『連続追放』を通して分析することで、違和感なく楽しみながら完読できる小説を目指すという、ジャンル全体における質の向上を目標とする文章です。
皆さんの目で、お確かめ頂ければともいます。


一日一回投票いただけると励みになります!(クリックだけでOK)

小説家になろう 勝手にランキング
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ