第158話 「甘えてくる従妹」
「はぅ……♡ お兄様のナデナデ♡ 好き好き好き~♡」
思わず自然とアクレイの頭を撫でる。
蕩けた表情で、擦り寄って来る。
本当は寂しがりで甘えん坊な子なんだ。
これをすると許してくれるんだ。
昔は可愛らしかったが、でも今はなんだかいけないことをしている気分になる!
その瞬間、撫でていた手をはたき落とされた。
痛い。
あっ! 自然と昔みたいに撫でちゃってた!?
「って他の女を抱いた汚い手で触るなぁぁぁ!?!?!? ヴォエ!!!!! 微粒子レベルあるいは概念レベルで残っている他の女の汚い汁が、ボクの頭に降り注いでいる!?!?!? 過去からの憎い刺客に汚染されて、女として敗北させれているぅぅぅぅぅ!!!!!」
「汚い手!? 酷くない!? ちゃんと毎回洗っているよ!」
「どんなに洗ったところで、魂から汚いんだよ! って毎回って本当のことだった~!? ふざけんなビッチ野郎!!!」
「そこまで言う!?」
理不尽すぎる。
手が汚れたら毎回洗うくらい普通じゃないか?
僕も酷いことをしたけど、でもこれも中々に不条理だ。
でもそうされて当然のことをしたんだ。
甘んじて受け入れなくちゃな。
僕のメンタルはズタボロだ。
「この苦しみは誰にもわかるはずもない!!! ボクは純愛しか認めないぞ!? 結婚報告も出産報告もする女は、もう友達ではない! ボクはもう愛などいらない! コックロとだけ生きていく!!!!」
「嫌だよそんなの……相変わらず素っ頓狂な女だな……はとことして恥ずかしいよ」
コックロが呆れたように断る。
純愛とか結婚報告とか、気にしていたのか……
「こんなに美人なのだから、気にすることないと思うけど……誰でもアクレイと結婚できるなら嬉しがると思うよ」
「そ、それってお兄様も嬉しい……?」
「僕なんかにはもったいない、素敵な女性だよアクレイは」
「にへにへにへ~♡♡♡ お兄様好き好き好き~♡♡♡」
「おっとと……甘えん坊だなアクレイは」
抱き着いて胸に頭をぐりぐりと押し付けてくる。
まだまだ子どもだな。
結婚を嫌がっていたのは、男嫌いか何かなんだろう。
彼女も難しい立場だし、色々あったんだろうな。
過去に男から酷い嫉妬や悪意を受けていたし、当然なのかもしれない。
そんなことを想っていた時だった。
「クッソ寒いもん見せてんじゃねぇよジジババども!!! お前らはさっさと死んで、俺に遺産寄越せばいいんだよ!!!」
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