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第147話 「陽キャたちの仕事ぶり」




 そうと決まれば、すぐに建設作業へ。

 僕たちはもうお金に余裕もない。


 それに大量の人間を抱えているのだ。

 猶予を得たい。

 これだけの人間を養える金銭を提供してくれるのも、もうここくらいしかないだろう。




 気を引き締めて現場に赴く。

 頑張ればアクレイも認めてくれるかもという淡い期待に縋る自分が、我ながら幼稚に思えた。






「お前ら! 気を引き締めて臨めよ!」



「「「「「「「「ウス!!!!!」」」」」」」」」



 掛け声とともに、作業に従事する。

 陽キャたちにも概略を説明し、手本を見せてから土木工事を行わせる。


 彼らも自分たちが追い込まれていることを理解しているからか、気力十分に仕事をしてくれた。

 それにしても手慣れているな。

 恐らくは経験者だろう。




 そうして日が暮れるまで、いい汗をかいた。

 かなり進捗がいい。

 彼らは体格がいい者たちばかりだが、ここまで進捗が早いとは。




「今日はここまでだ! オツカレッシター!」



「「「「「「「「「オツカレッシター!!!!!」」」」」」」」」



 現場作業は日が墜ちたら終わりだ。

 事故などがなくて助かった。


 やっぱりみんなは経験者だろう。

 今日は見回りに集中していたが、注意することがほとんどなかった。


 素人ならば付きっきりでも危ないくらいだ。

 ここまで筋がいいのは嬉しい誤算だった。




「みんな凄いじゃないか! 素質の塊だよ!」



「へへっ! 兄貴のご指導の賜物っすよ!」



「兄貴こそヤベェすげぇっす!」



「まぁそれは年の功というやつだ」



 口の上手い奴らだ。

 僕なんて年齢と経験からしたら、大したスキルではない。

 

 もちろん誰よりも努力してきた自負はあるが、才能でいったら凡人以下だろう。

 でも褒められると嬉しいものだ。






「働き口だが、これしか見つからず済まなかった。魔物が出るかもしれない危険な仕事だ。その分給金は高いが、割に合うかは……」



「気にしないでくださいッス! マノワールの兄貴! 元から俺たち土方で働いてたんで!」



「そういうことか。道理で筋がいいと思ってたんだ。今度色々教えてやろう」



 言い淀むと、励ますように声をかけてくれる。

 気のいい奴らだ。


 ボクも少しは仲間として認められたのかな。

 ならば彼らが自立できるように、仕事を取ってきて全力で遂行しなければ。




「マジすか兄貴ありがとうございます!!!! 兄貴強ぇし、マジ尊敬っす!」



「「「「「「「「「兄貴カッケェーーー!!!!!」」」」」」」」」



「おいおい大げさだ。若い奴らは面倒見てやるのは当たり前のことだ」



 人懐っこい奴らだ。

 段々と可愛くなってきたな。




「流石っス兄貴! 痺れるわぁーーー!!!」



「大げさな。それじゃ僕は見回りに行ってくる。しっかりな」



「「「「「「「「「ウス!!!!!」」」」」」」」」



 僕も頑張って彼らを養わねば。

 最後の点検に向かい、今日の仕事をしっかりと終えよう。


 今のところ魔物はいない。

 それでも水面下では魔王の大侵攻が迫っている。

 だからアクレイを守るためにも頑張らなくちゃな。




 それで彼女に許してもらって、また昔みたいに話せたら―――――――

 そんな愚にもつかない想像をして、一人で自嘲の笑い声をあげた。


 辺りは夕闇に沈み始めていた。

 この情けない姿が、月にしか見られていないことが救いだった。










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 『異世界神様チート貴族転生したら、女装して女学園に通って悪役令嬢を誑かして婚約破棄させるように言われた。クラス転生していた悪役令嬢に男バレして追放されたがもう遅い。聖女(?)として復讐だざまぁ!』

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 『追放ザマぁジャンルの研鑽について、また個人的対策案の成否に関する所感』

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新追放ザマぁシステム『連続追放』を通して分析することで、違和感なく楽しみながら完読できる小説を目指すという、ジャンル全体における質の向上を目標とする文章です。
皆さんの目で、お確かめ頂ければともいます。


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― 新着の感想 ―
[良い点] 押し寄せるほど大勢の陽キャたちなので、養うのは大変ですよね。それをどーんと引き受けられるマノワールさんはさすがです。 陽キャたちもすっかり、マノワールさんを信頼していて、可愛いというのも…
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