第139話 「貴族たちによる悪辣なる罠」
陽キャたちは働いてくれたし、なんと魔物たちとも戦ってくれた。
集落の女の子たちも、頑張る彼らを見直し始めたようだ。
だからこそ不屈の精神を持つ陽キャたちは、女の子たちにいいところを見せようと頑張り始める。
人にはそれぞれ輝ける場所がある。
彼らがそれをできる手助けをできたなら、人生の先達として嬉しい限りだ。
「何を勝手に移民を入れているマノワール!?!?!?」
食って掛かってきたのは、チギュドー男爵という内政が得意な同僚。
細い目に出っ歯、瓶底眼鏡でやけに幼く見える姿。
彼より突然の呼び出しを受けて、僕は出頭したのである。
甲高く早口で聞き取りにくい言葉が特徴だ。
ビジネスライクで疎遠な関係だった。
いやそうなるように避けていたが、ここまで怒るとは何かをしてしまったらしい。
「外交問題だぞ!!!」
「陽キャたちは追放されたとのことでしたが、それでも」
「あれは形だけで、元住んでいた場所の住民台帳にはまだ残っている! そのコミュニティで要らないバカどもを受け入れる、お人よしの無能貴族に因縁をつけて、社会的に攻撃するためのエサだったんだよ! そんなこともわからないのか成り上がりが!? あれだけ侯爵に隙を見せるなと言われていたにもかかわらず、お前は嵌められたんだよ!!!」
「そんな……僕は善意で……」
唾を吐き散らかしながら、罵詈雑言を述べるチギュドー。
僕が貴族社会の陰謀に疎いせいで……
みんなに迷惑をかけることになってしまったのか…….?
「おいオッサン!!! ん……? なんか見た目が幼いが……いやよく見ると皴があるな。おい子どもオッサン!!! マノワールの兄貴を悪くいうのはやめろや! 俺たちがいくらでも頭を下げる! ここから出ていったっていい!!!」
「なんだと無礼者が!? お前たちごときが勝手に決めるな! 処刑されたいのか! 貴様らまとめて皆殺しにできるのだぞ! いや……その方が手っ取り早いな! クソ貴族たちの領民が無礼を働いて、この僕が無礼討ちにしたとすれば、一気に僕たちは有利になる!!!」
貴族に対する言葉を持たない、陽キャたちの代表であるチャライ。
それに対してチギュドー男爵は、慈悲もない言葉を述べた。
平民が貴族に対して、非礼を働いたという事実は確かにある。
しかし器の狭いチギュドーは、それを利用して陰湿な策謀を弄するのだ。
流石にやり過ぎだ。
「チギュドー男爵!!! そんな人倫に反する行為が許されると思うか!?!?!?」
「人倫だと!? そんなクソの役にも立たないもの、何の意味がある!? 僕は貴族だぞ! 許すのを決めるのは僕だ!!!」
下劣なる言葉を喚き散らす、サンシータのような悪徳貴族。
何という奴だ。
いくら貴族だからといって、人の命を勝手に奪っていいものではない。
彼は陽キャたちの命など、何とも思っていないのだ。
「今お前……仲間を殺すって言ったか?」
チャライの空気が一変する。
仲間を傷つけるという、彼ら陽キャの逆鱗に触れたのだ。
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