第131話 「女子トーク猥談に巻き込まれる冴えないオッサン」
「ザマーバッカー町にいたころに買ったものですね! エルマージさんとミーニャさんと一緒に良くお買い物してたんですよ。あの町は大きいだけあって、いいお店が多かったですから」
何とも反応しづらい話題で盛り上がる、ニンメイちゃんとオーエラさん。
のしかかってくるニンメイちゃんに包まれながら、それを聞く僕は色々な意味で口を噤まざるを得ない。
視界の端から何ともセクシーな下着に包まれた、母性二つがチラチラと見える。
色合いもそうだが、布面積が小さすぎる。
胸部を支える役割を果たせているのかな?
あんな煽情的な下着付けていたのかオーエラさん。
それを着てどうしようと……
そんなことを考える程に股間が反応してしまう。
煩悩を退散させようと、僕は他のことに集中しようとしたが、エッチな話題に耳と思考は吸い寄せられてしまう。
「コックロさんも脱いじゃいましょう~! おっぱいでっっっっっか!?!?!?」
「よしてくれオーエラ。こんなもの剣の邪魔だし、恥ずかしくて」
「この中で一番の貧乳からしたら、嫉妬を隠せません! いつも男の人の視線を集めて、しまいにはマノワールさんの視線も奪うだなんて!?!?!?」
「モゴモゴ……女性は胸だけじゃないよ。だから僕は見てなんていない!?!?!?」
「アンッ♡ そんなにチューチューしちゃダメです♡ 後で二人きりになったら、満足するまで吸わせて堪能させてあげますから! 巨乳なんて記憶からも性癖からも吹き飛ばしてやります!!!」
恥ずかしがるコックロの巨大山脈が、元ギルド受付嬢の手によって露出された。
物凄い脂肪量で、とんでもなく波打っている。
酒も相まって、頭がクラクラしてしまうほどの色香を放っていた。
ニンメイちゃんが悔しがりながら、僕の口元に胸を押し付ける。
そんなことをされては意識が混濁しそうなほどに、性欲が滾ってしまう。
僕は完璧理論にて、メイド服の女の子の言葉を否定した。
「お兄ちゃんはおっぱい大きい女は好き? お兄ちゃんの部屋に昔あったエッチな本では、すごく大きな女性が多かったけど……いつも私の胸を見てくるの恥ずかしいけれど、そういうことでいいんだよね……?」
「なんで見てるのぉぉぉぉぉ!?!?!? それと不快にさせていたならゴメンねぇぇぇぇぇ!?!?!?」
余りにも無体な事実の暴露というインパクトから、絶叫する僕。
家族同然の妹分に知られたという、頭がおかしくなりそうな複雑な心境。
しかも仲間たちの前で知らされるとか、人の心がないのか……?
ジロジロと不躾な目線を送ってしまったなら、謝らなきゃだけどさぁ。
「それじゃコックロさんに勝てる人なんて誰もいないじゃないですか! 離れ離れだった幼馴染とかいう勝ち確属性なんて、ズル過ぎますよ!?!?!?」
「お兄ちゃんなら別にいいんだけれど……すごく恥ずかしいから、ジッと見られるのは頭がおかしくなっちゃいそうだけど……でもお兄ちゃんは性癖凄く広いぞオーエラ。ロリから熟女まで、スレンダーからムチムチまで。獣人からエルフまで全部網羅していた」
「よかった~! 引き続きロリの魅力を体に教え込んであげます! えいっ! 貧乳の谷間こそ、マノワールさんの住処であるべきです!!! エリートロリコンになれば、世のムチムチ女性なんて目に入らなくなりますね!!!」
「やめて! やめて!!! 本当にやめて!?!?!? そんなのなりたくない!? 助けてよ!?!?!?」
なんで知っているんだ。
なんでそれをみんなの前で言うんだ。
なんでオッサンの性癖を、酒の肴にしているんだ。
酔いどれ仲間たちは、好き勝手に僕を弄り回してくる。
この世界は残酷だ。
ニンメイちゃんの双丘の間は天国だけど。
「凄かったな~獣人の尻尾をあんなことに使うなんて。しかもエルフの耳にも、あんなにエッチな……性癖の可能性は無限大だって、それに書いてあった。幼い頃の私とアクレイは、人生観が揺らぐほどに衝撃を受けたよ。私たちの性の目覚めは、多分それが原因だったかもしれない」
「ニャ……ニャア……♡ みゃうぅ……♡」
「うぅ……マノワールのバカぁ……」
恥ずかしそうに体を縮こまらせて、チラチラとこちらを見てくるミーニャ。
エルマージは耳を抑えてこちらに涙目を向け、顔が真っ赤になっている。
やめてくれ。
そんな目で見ていたように思われるじゃないか。
妹分の性の目覚めを促した兄貴分って何だよ。
まるで僕が悪いみたいじゃないか。
僕のせいで幼き少女の性的価値観を歪ませてしまった、みたいなことを言わないでくれコックロ。
僕はニンメイちゃんの胸部に挟まるという天国と、地獄のような女子トークの間で圧砕されそうであった。
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