表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

129/241

第129話 「酔っぱらいヒロインたち」




 僕が与えられた屋敷の家具なども、貴族の格に相応しいもの。

 このソファーを手に入れられたとは、少ないけど嬉しい点の一つだな。

 現在は部屋に仲間一同集まり、あまり明るいとは言えない酒盛りをしていた。




「やってられるかぁ~~~~~!?!?!?!?!?」



 飲み始めたら大声で叫び始めたコックロ。

 その頬は赤らんでおり、セクシーな魅力が出ていて目に毒だ。


 日中はチギュドーを初めに、散々に嫌味を言われた僕ら。

 そのストレス発散にと、はとこの女騎士に飲みに誘われたのだ。

 珍しく彼女は飲んだくれて管を捲いている。




「クソッ!? あの口のまわる奴め!? チギュドーは本当に嫌な奴だ! だから薄っすら他の貴族にも見下されているんだ!!!」



 コックロは酒を飲みながら、愚痴を漏らしている。

 学園にいた頃は楽しそうにしていたが、随分と荒れているな。


 あのようなことを言われれば、無理もない。

 彼女も何もかも忘れたい時くらいあるのだろう。





「いつもいつも私ばかり、ネチネチと嫌味を言ってくるんだ!!! 私が外様で発言力が無いからと、日頃からアイツがサンシータに見下されていた鬱憤を晴らしてきていたんだよ!!!」



「それは……最低だ」



 あのチギュドー男爵という男は、汚職貴族が粛清されたことが原因となり。

 今となってはヴェンリノーブル侯爵から、かなり重用されているとのこと。


 別に仕事ができるわけではないが、文官が足りなすぎるらしい。

 多くの貴族が、部下である貴族を中々粛清できないのは、これもある。

 でも処断しなければ面目が立たないから、苦渋の決断だったのだろう。




 ヴェンリノーブル侯爵も本当に大変だ。

 最近では露骨に体調が悪そうだし。

 あんな激務は絶対にやりたくない。






「お前も苦労していたんだなコックロ。そんな職場でよく頑張っていた」



「エルマージほどじゃないさ。パラフィリオとかいうキチガイが犯罪行為しているのを、必死に傍で何年も止めていたんだろう? エルフという種族の精神力は、尋常ではないと感嘆するよ」



「あぁ……放っておけば性犯罪被害者が増える、もう無間地獄とも思える苦行だったよ」



 遠い目をするエルマージ。

 少しだけパーティに参加していた僕にとっても性的トラウマだ。


 寿命の長いエルフの彼女でさえ、辟易としていたのだ。

 あんな変態の介護なんてしていたら、一日で音をあげる人ばかりだろう。




 ここには追放された者たちばかりがいる。

 だからこそ気持ちを共有できた。




「オーエラも大変だったね。私なんか全然軽いものニャ」



「あのお局は本当に碌でもありませんでしたが……あのナルシマザコン野郎の教師やるよりは、全然マシだったかと」



「ショワジ組以上の職場があるとは思いませんでした。ミーニャさんも相当な経験をされましたよ」



「いやいやターゲットにされていたニンメイちゃんが、一番気の毒でしたニャ」



 本当にこのパーティメンバーは、余りにも理不尽な目ばかりに遭っているな……

 でも誰が最下位争いをするかなんて、不毛すぎることだ。

 未来志向で少しでも幸せな明日をつかみ取りに行かなくては。






「ここにいる皆は不幸な目にあってきた人ばかりだ。でもだからこそ協力し合える真の仲間だと思う。今日は飲んで、明日からまた頑張ろう」



「その通りです! 今晩は飲み明かしましょう!!!」



「そうだねオーエラさん。美味しいお酒を楽しもうか」









面白い、または続きが読みたいと思った方は、


広告下↓↓↓↓↓↓↓↓↓↓↓↓↓↓↓↓↓↓↓↓↓↓↓↓↓↓↓↓↓↓↓↓↓↓↓↓↓↓↓↓↓↓↓↓の☆☆☆☆☆から評価


またはレビュー、ブックマークしていただけると、モチベーションに繋がりますので執筆の励みになります!!!!!!!!!!





評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。


旧作も読んでくださると嬉しいです!

 『異世界神様チート貴族転生したら、女装して女学園に通って悪役令嬢を誑かして婚約破棄させるように言われた。クラス転生していた悪役令嬢に男バレして追放されたがもう遅い。聖女(?)として復讐だざまぁ!』

テンプレ末期戦異世界チート転生女学園潜入もの書いてます。
こんなタイトルですが、神々の争いに主人公が巻き込まれるシリアス戦記です
 

 『追放ザマぁジャンルの研鑽について、また個人的対策案の成否に関する所感』

初エッセイです。本作品を基に書きました。
また初創作論です。
追放ザマぁジャンルを執筆する作者として、自分なりに反省点を交えた考察。
追放ザマぁの構造的問題への解決につながるかもしれないアプローチ。
新追放ザマぁシステム『連続追放』を通して分析することで、違和感なく楽しみながら完読できる小説を目指すという、ジャンル全体における質の向上を目標とする文章です。
皆さんの目で、お確かめ頂ければともいます。


一日一回投票いただけると励みになります!(クリックだけでOK)

小説家になろう 勝手にランキング
― 新着の感想 ―
[良い点] 今回は酔っ払い愚痴大会でしたね! コックロさんもエルマージさんも、最低な男から酷い目にあったうえなんども追放されてしまった仲間ですもんね。今思い返しても、サンシータやパラフィリオは本当に…
[良い点]  さて、次話はサービス回か(笑)
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ