第112話 「激闘後の学園生活」
僕たちは学園生たちに賞賛され、彼のいない学園で平和に青春を送っていた。
それどころか今となっては、分不相応な周囲からの扱いとなってしまっている。
「マノワールさんおはようございます!!!」
「ご機嫌麗しゅうマノワール様」
「うん。おはよう」
僕は何故か学生たちに慕われていた。
ナルシオとの戦いがンこの結果となったようだ。
僕の戦闘が凄かったからと、この子たちは言っていたけど。
かなり大きな割合でナルシオへの恨み言と、敗北への喝采が含まれていた。
どんだけ嫌われていたんだアイツ。
「あいつがいなくなって、なんて過ごしやすくなったんだろう! この学園は天国ですよ!!!」
「本当にありがとうございますマノワール様」
「マノワールさんカッケェ!!! 俺もあんな冒険者に絶対なってやるぜ!!!」
「あはは。言い過ぎだよ。でもみんなが楽しく過ごせるなら何よりだ」
学生たちは大いに喜びあい、楽しそうに念願の学生生活を謳歌しているようだ。
あのマザコンはどれだけの巨悪として扱われていたのか。
ナルシオの今までのエピソードを聞く限り、当然としか言いようがないが……
「マノワール様。ご機嫌麗しゅう」
「「「「「セインセス様! おはようございます!」」」」」
王女がやってくると、学生は皆整然と立ち並び挨拶をする。
ナルシオの不在から、名実ともに彼女が学生の頂点へと君臨したようだ。
アイツ王女殿下にまで公衆の面前で口説いたりして、舐めた態度とっていたみたいだからな。
王室もそれに抗議できないほど、ナルシオという戦力の貢献度は凄まじかったようだった。
王族関係者が極秘裏に僕に感謝を述べに来たときは、呆れすぎて空笑いが漏れてしまった。
そんあ彼女は優雅に答えると、僕の前に進み出てきた。
きっとあの話をしに来たのだろう。
「おはようございますセインセス様」
「少し二人になっても、よろしいでしょうか?」
「はい。わかりました。いつものところでしょうか?」
やっぱりあの話か。
こればかりが今の学園生活の気がかりなところだが、でも彼女にも立場がある。
自分と仲間たちの立場のためにも、話だけは拒絶してはならないな。
「マノワールさんほどの男になれば、セインセス様にも恋してもらえるのかな」
「あんな素敵な方なら、すぐに貴族になって、王族の肩からお嫁さんになってもらえるでしょうね」
「あのナルシ野郎よりも強いんだから! 私もお嫁さんにしてほしーい!」
何か小さな声で言っているが、聞こえないな。
セインセス様は少し頬を赤らめている。
風邪でも引いたのかな?
そんなこんなで中庭の真ん中にある、噴水近くのテーブルで歓談に入る。
いつも通りメイドまで排除し、彼女自らお茶を入れてくれた。
「わざわざお茶までありがとうございます」
「いえ。このような申し出をするのですから、お気になさらず」
いつも彼女は僕に向かって腰が低い。
そして常套句となってきた、謹んで固辞したい誘いをしてくるのだ。
僕を取り込みたいのは彼女の政治的判断力が為しているからだとはわかるが、敬遠したいありがた迷惑でしかない。
「セインセス様。申し訳ございませんが、何度も言っている通り、私は貴族になど身に余ります」
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