表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

111/241

第111話 「仲間たちの声援 母の言葉 尊き勝利」




 広大なる学園広場に、それらすべてを覆うような巨大要塞が顕現する。

 土中の鉄分を周囲から集め、内部も分厚く頑健なる岩盤が幾重にも積み重ねられた自宅。


 もはや民家とは言えないような、戦争手段の具現化。

 その中に入った僕は、これを操り敵に立ち向かう。






「チイィッ……悪あがきを! 僕はママを取り戻すんだ!!!」




「これで勝って見せる!!! 仲間たちと未来に進む!!! お前すら僕は変えて、正しい道へと進ませて見せる!!!!!」




 絶対防御とも思える程の、重厚長大な外壁。

 警備するためとは過剰と言えるほどの攻撃力で、この要塞は岩石砲弾を射出し始めた。


 秒間数発にも及ぶ、隕石が落ちたような衝撃が外界へと繰り出される。

 Bランク冒険者すら、数十人単位で即死させられると確信できる性能。




 だが―――――






「―――――速すぎる」






 あと一押しなのに、狙いが定まらない。

 ナルシオも余裕があるわけじゃない。


 だがここで効いてくるのは、戦闘経験値とセンスの差。

 相手はこちらの攻撃を読むように、飛び回って攪乱しているのだ。




 巧みに動き回るナルシオは、効率的に要塞を破壊してゆく。

 しかし軽やかに飛翔するナルシオに、僕は有効な攻撃を与えられない。






「負けてしまうのか……? 大事な戦いなんだ。目を覚まさせるために」




「ははははは!!! 口ほどにもない奴だ!!!!!」




 もはや勝ちを確信したように嘲笑う、戦闘の天才マザコン男。

 しかし刻一刻と差は開いてゆく。






「お前如きがママの愛を語るな!!! ママのことは僕が一番わかっているんだ!!! だから僕が一番正しいんだ!!!!!」






 狂気的信仰。

 彼の力の源泉は捻じ曲がった精神による、思い込みの激しさにあるのだ。


 そんな想いに勝てるのか。

 でも僕には別種類のパワーがあったんだ。

 こんなクズなオッサンだけど、支えてくれる仲間たちが僕に無限の力をくれる。






「頑張れマノワール!」




「負けないでくれ」




「勝ってください」




「信じている」




「無事に帰ってきて」




「僕は―――――――」




 みんなの声援が集まる。

 決して僕は凄い人なんかじゃない。

 やっぱり凡人で、才能がある人間には遠く及ばない。


 そうだ。僕たちには仲間がいる。

 かけがえのない絆が、今までも、これからも無限大とも思える力をくれる。

 みんなの掌が、自宅を操作する僕の手に添えられた気がした。






「―――――――僕には導いてくれる仲間がいる!!! 一人で身勝手に自分の世界に閉じこもる、お前には負けない!!!!!」




「マノワールさん。さっきのセリフかっこいい……お姿が見えないことが残念……ポっ……♡」




「ぐぎゃぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁママがマノワールなんかを応援じでる゛ぅぅぅぅぅぅぅぅぅぅ」






 ナルシオは何故か僕が攻撃する前に、断末魔の叫び声をあげた。

 顔中の穴から血をいきなり噴き出した。






「なんだ……? スタミナ切れか? だが好機! これでトドメだナルシオ!!!」




 突然悶え苦しんだ金髪のマザコン美少年。

 チャンスか?






「目を覚ませぇぇぇぇぇぇ!!!!!!!!!! スティープルソーーーーードッッッ!!!!!!!!!!」




 極大の剣を創造し、ありったけの力を込めて要塞ごと振り下ろした。

 隕石が落ちたかのようなインパクトが、地面を抉り破壊し尽くした。


 爆風が晴れるとナルシオは、痙攣しながら血を噴き出している。

 継戦能力を失ったようだ。




 僕も片膝をついて、荒い息を吐いた。

 もう体力も魔力も残っていない。






「しょ……勝者マノワール殿!!!!!」






「「「「「「「「「「うぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉっっっっっ!!!!!!!!!!!」」」」」」」」」






 校舎から、いや学園中から爆発したような大歓声が挙げられる。

 いつの間にこんなに集まっていたのか。


 僕のことを応援していてくれたみたいだ。

 この勝利は自分だけの力じゃない。

 自分がやったことだから、理解できた。







「お兄ちゃん!」




「みんなの声が聞こえたんだ。みんなの手が僕の手に添えられた気がした。みんなの声が僕に力をくれたんだ。きっとみんなと出会ってなければ、きっと負けていたのは僕だ」




「マノワールさん」




 思わず涙ぐむ。

 皆も感情を共有してくれているらしい。


 一緒に泣いてくれるパーティメンバー。

 得難い出会いが、僕を強くさせてくれたんだ。




 一人孤独に戦ったんじゃない。

 みんなの力が、僕に勝利をくれたんだ。

 僕たちは真の仲間だ。






「みんな。僕と仲間になってくれてありがとう。いつも力を貰ってるんだ。だからきっと、どんなに怖くとも戦える」



「マノワールさんのバカ。無茶して……臭い台詞なんて言わないでください。あなたが傷つくと、いつも苦しくて」



「はは……いつも心配をかけてごめんねニンメイちゃん」



 一番長く一緒に居たニンメイちゃんは、僕が無理している姿を一番見ていた。

 彼女には心労をかけてしまっている事だろう。


 でも性分なんだ。

 もっと悲しむ顔を見たくない。

 だから僕は頑張れて、どんな怖い事にも立ち向かえるんだ。






「マノワール様。ありがとうございました。あの子を、ナルシオを叱ってくださって……」



「いえお母さま。あなたの愛が目覚めさせたのでしょう。それは全てあなたの人生が積み上げてきたコトの結果です。私の力ではございません。私は親ではありませんが、あなたを親の一人として尊敬いたします」



「マノワール様ぁ♡ やだぁ年甲斐もなく胸が高鳴ってしまいますぅ♡」



「かひゅっ」



 大きく血を吐いて、倒れ込んでいたナルシオ。

 噴水のように血を口から出して、干からびてしまった。






「これもしかしてトドメだったのでは?」


「マノワールさん天然で酷いですね」


「勝ったのも、お母さんがマノワールさん応援してたから……?」


「えぇっ!? 戦後は本当に何もしてないんだけどぉ!?!?!?」









涙を流すほどに感動した! 尊い光景だった! という方は惜しみない賞賛を頂ければ幸いです!!!!!!!!!!






面白い、または続きが読みたいと思った方は、


広告下↓↓↓↓↓↓↓↓↓↓↓↓↓↓↓↓↓↓↓↓↓↓↓↓↓↓↓↓↓↓↓↓↓↓↓↓↓↓↓↓↓↓↓↓の☆☆☆☆☆から評価


またはレビュー、ブックマークしていただけると、モチベーションに繋がりますので執筆の励みになります!!!!!!!!!!





評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。


旧作も読んでくださると嬉しいです!

 『異世界神様チート貴族転生したら、女装して女学園に通って悪役令嬢を誑かして婚約破棄させるように言われた。クラス転生していた悪役令嬢に男バレして追放されたがもう遅い。聖女(?)として復讐だざまぁ!』

テンプレ末期戦異世界チート転生女学園潜入もの書いてます。
こんなタイトルですが、神々の争いに主人公が巻き込まれるシリアス戦記です
 

 『追放ザマぁジャンルの研鑽について、また個人的対策案の成否に関する所感』

初エッセイです。本作品を基に書きました。
また初創作論です。
追放ザマぁジャンルを執筆する作者として、自分なりに反省点を交えた考察。
追放ザマぁの構造的問題への解決につながるかもしれないアプローチ。
新追放ザマぁシステム『連続追放』を通して分析することで、違和感なく楽しみながら完読できる小説を目指すという、ジャンル全体における質の向上を目標とする文章です。
皆さんの目で、お確かめ頂ければともいます。


一日一回投票いただけると励みになります!(クリックだけでOK)

小説家になろう 勝手にランキング
― 新着の感想 ―
[良い点] マノワールさんの岩の要塞、すごいですね。 鉄壁な上に凄まじい攻撃です! それでも避けることができるナルシオ君の戦闘センスは本当に才能としか言いようがないですね。 そしてママの愛を信じて疑わ…
[良い点]  仲間との絆の勝利! サイコーです!  ナルシオの笑えるやられ方もとても 良いです(๑•̀ㅂ•́)و✧  
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ