第105話 「悪役令嬢仮面、登場」
僕はあることを試すため、訓練場を借りていた。
仲間たちには学校を休んでもらって、付き合ってもらっている。
「改めて皆ありがとう。それではよろしくね」
「仲間だからな! どこからでもかかってこい!」
「マノワールさんのため、一肌脱ぐにゃ!」
仲間たちに戦闘訓練を頼む。
ナルシオに対抗するための、僕の修行という事だ。
「―――――ダメにゃあ~~~!? 自宅に籠ったマノワールさん強すぎですニャ! ミーニャたちじゃ手も足も出ないニャ!」
「ステータスが根本的に違い過ぎる……でも自宅から出たらナルシオ対策にはならないし……」
「二人とも……着実に戦闘経験にはなっているよ!」
コックロとミーニャは稀にしか見ないほどの猛者。
それが二人でかかって来るのだから、普通ならば秒で瞬殺だろう。
だが冒険者の頂点であるAランククラスの猛者でも、最高位に位置する僕とナルシオの戦いには及ばないのだ。
5本ほど戦って見たけど、段々と慣れてきた。
4本目まではおっかなびっくりだったけど、もう確実に彼女たちには勝てるだろう。
ここまでステータスに差があるのに、4本もかかった時点で僕のセンスがなさすぎるけど……
だがナルシオの超ステータスの練習台にはならない。
あまりにも実力差がありすぎて、練習になるのかな……
皆の時間を取らせて申し訳ないし、何か考えないといけないかも―――――
「―――――わたくしは悪役令嬢仮面!!!!!!!?!!」
そこに煽情的なドレスを着た、目元を覆い隠した仮面姿の女性が現れる。
布地がほとんどない露出された胸の谷間は、とても豊満で柔らかそうだ。
ミーニャさんも凄いスタイルだが、それ以上かもしれない。
流石にコックロみたいな見たこともないような超弩級のスタイルではないが。
「えっと……どちらさまで……?」
「わたくしは悪役令嬢仮面ですわ!!! マノワールさん! あなたの修行に付き合ってあげましょう!」
「なにをやっているんだアクレ―――――」
「―――――ボクは悪役令嬢仮面!!!!! 恵まれない人々を影より助ける、カッコいい謎の女性なんだよコックロ!!!!!」
コックロが何かを言いかけるが、それに被せて叫ぶ悪役令嬢仮面。
彼女たちは知り合いなのだろうか?
いきなり現れたが、本当に彼女は何者なんだ?
それにボク……?
本当は僕っ子なのかな?
他に見たこともないので、従妹のアクレイを思い出す。
それにしてもキャラがブレブレだな。
見たところ10代には全く見えないし。
20代後半ってところかな?
色んな意味で、すごくキツイ……!
それにこんな刺激的な格好をされると、正面からこの人を見て話せないよ色んな意味で。
「ナルシオは近接戦闘力だけではなく、魔法にも長けている。それがなければ仮想敵にはなりえませんわ」
「確かに」
「エルマージさんにはそれぞれ加護をかけて頂き、それで試してみましょう。わたくし魔法には、それなりに自信がありますの! 魔力の問題は魔法薬にてある程度解消できますわ!」
魔法を使える人を入れて、ナルシオの再現を行うということか。
三対一の構図になれば、確かに拮抗するかもしれない。
そういえば悪役令嬢って、アクレイの職業でもあったな。
物凄い強職業。
最上位に位置するステータスと成長補正がかかる、天才の象徴だ。
彼女は近接戦闘も強そうだ。
体幹はしっかりしているし、強者特有のオーラがある。
彼女の言葉通りに訓練すれば、僕は更なる高みへと至れるかもしれない……!
「見たところマノワールさんは格上と戦った経験が、ほとんどない様子。自分が対処しきれない攻撃を見極めて、確実に攻撃を当てるという訓練をお勧めいたします」
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