第101話 「最強職業マザコン」
「決闘って……学園じゃ校則違反じゃないの……?」
「うるさいうるさいうるさいうるさい!?!?!? 僕の言う事が正しいんだぞ!?」
矛先が向いてきてしまったことに、悲嘆する。
なんて間が悪いオッサンなんだ僕は。
本当に関わりたくないので、断ろうとするも自分ルールを押し付けてくる。
手に負えない。
そういうとナルシオは奇声を上げて襲いかかってきた。
「悪い奴は退治してやるんだじょぉぉぉぉぉっっっ!!!!!」
「マノワール!? 大丈夫か!」
「アース! いきなり攻撃してくるとは……その威力、普通の学生じゃ怪我じゃすまなかったぞ?」
瞬時に自宅を形成し、自らを防御する。
危なかった。
厳しい言葉でナルシオを問い詰める。
しかしまったく悪びれていない様子で、自らの腕を眺めていた。
彼は呆然としていた
僕の攻撃で、右上腕部から流血している。
「…………今……攻撃してきた」
「何を言っているんだキチガイが。お前がマノワールを攻撃してきたんだろう!!! 正当防衛だぞ! これは学園長に報告させてもらう! 覚悟してお―――――――」
「―――――――ママから貰った……大事な体に……傷を…………」
傷だらけの身体が光る。
そしてナルシオと似た顔立ちの女性の幻像が浮かぶ。
何だこの現象は?
猛烈に嫌な予感がしてきた。
「痛い痛い痛い痛い!?!?!? たしゅけてま゛ん゛ま゛ぁ゛ーーーーーっっっ!?!?!?!?!?」
駄々をこねるように、騒音をがなり立てる異常者。
その光景に生理的嫌悪感を催しながらも、危険を示すシグナルが頭に鳴り響く。
何が起こるというんだ。
最大限警戒しながら、目の前のナルシオを見据える。
「ママから生まれ直すよぉーーーーーー!!!!!!!!!!」
ナルシオは赤子のように体を丸め、女性像の下腹部に収まる。
そして光が収束し、眩しさが頂点に達した。
僕たちは目を追い隠す。
そして光が晴れたころ、信じられない光景が目に映った。
「―――――――僕☆再誕!!!!!!!!!!!」
聖なる光に包まれる、白い天使のような羽が生えたナルシオ。
飛び立つようなポーズをして、いや本当に空中に浮いていた。
神聖な光景のはず。
しかし鳥肌が立つ。
この異常者の傷は、完全に治っていた。
「嘘……だろ……?」
「嘘であってほしいほどにキモい」
「本当に無理です」
「マジ死んでほしいニャー」
「これ以下の存在は、この世界に存在しないだろうな」
目を疑うような吐き気を催す物体。
この狂人は今、回復したのか?
何が起こっている。
魔法ではない様子だ。
しかしこんな何でもできるような職業とは一体……
「僕の職業はマザコン! 母への愛が無限に強くさせる、ママがくれた愛の証なんだもん!!!!!」
満面の笑みで恍惚としながら、説明する金髪イケメンであるはずのナニカ。
粘度が高い笑みに、悪寒が生じる。
そして僕たちを見下ろしながら、こちら目掛けて魔法陣を起動した。
なんだあの魔力は。
反射で避けるべく、体は動いた。
「くらえ! ウォーターレイン! ママが僕を産んだ時の羊水スプラッシュバージョン!!!!!」
「うわぁぁぁぁぁぁぁ!?!?!? アース!?!?!?」
二重の意味で必死に回避した。
思わず叫んでしまった。
いやでも大体の人が悲鳴を上げると思うんだ。
鳥肌が足の裏まで立った気がする。
僕は自宅を放棄し、土魔法をぶつける。
それでやっと相殺できた。
僕の職業は防御力が最も優れている。
それを上回るとは、何という職業だ。
「ママの愛がある限り、僕は無敵だぁぁぁあ!!!!!!!!!!」
またもや女性像が空に浮かび、更に魔力が上昇する。
ナルシオのテンションは最高潮に達しようとしていた。
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