仮面を剥がせば
「テラやんと、マーくんに、なにを……ッ!?」
悠華は崩れかけの体を支えながら、喘ぐように問う。
対するサイコ・サーカスは仮面の様な顔のまま、竜兄弟の長兄次兄を捕らえた球を、左右それぞれの人差し指に乗せて回す。
『変わったことは何も? ただ封じ込めて捕らえただけ……』
言いながらテラとマーレを封じ込めた暗黒球を掌に。そして頭上へ放り渡してのお手玉で弄び始める。
竜の兄弟を弄ぶその口元は、薄く笑みの形に緩んでいる。が、しかしその目には未だ何の感情も差し込んでいない。
『さあどうしたの? そんなところで膝をついて? かかってこないの?』
暗黒球をお手玉しながらも、誘うように問うサイコ・サーカス。
「へっへ……うっかり足を滑らせてね」
そんな変身妨害をしておきながらの白々しい挑発。悠華はそれに軽口を返しながら、ガタつく膝に鞭打ち立ち上がる。
「今すぐに借りは返してやるし、奪い返してもやるから黙ってなさい……ッ!」
そして敵を挟んだ反対側で、梨穂も血の滴る傷口を塞ぎながら立ち上がる。
『へえ……』
サイコ・サーカスはそんな二人へ交互に目をやり、唇だけの笑みを深くする。
『ならやって見せたら?』
そう言ってサイコ・サーカスは、お手玉にしていた暗黒球を二人へ投げる。が、無造作な動作でのものにも関わらず、空を切るその速さは恐ろしいほどである。
「うっ!?」
まるで一流アスリートによる投球。それほどの速さで迫る球に悠華はたまらずうめいて手を前に。
弾ける空気。そして衝撃。
「痛っつぅう……」
掌から背中まで突き抜けた痺れ。
悠華はそれを堪えながら、手の中に収まった球を離すまいと、包む指から力を抜かない。
「やっはは、ラッキー……」
とっさに出した手が軌道上に割り込み。
衝撃から反射的に指が動いて。
骨を砕くほどの勢いでは無かった。
悠華はそんな重なりあった偶然を噛み締めるように呟く。
だが視線をずらした悠華は、その先の光景にある違和感に思わず眉を寄せる。
依然として暗黒お手玉を続けているサイコ・サーカス。
その手から頭上を回り巡る球の数は三つ。
さっきまでジャグリングしていた二つを投げ放っておきながら、今は三つの球を弄んでいるのだ。
「宇津峰さん! 手から放してッ!」
「へ? 手……えぅえッ!?」
そこへぶつけられる警告の声。
それを受けて球を掴む手を見て、悠華は眦が裂けんばかりに目を見開く。
球を握った手。正確にはその内にある闇色の球。膨れ上がったそれに押し戻されるように指が内側からこじ開けられているのである。
「……うおっとぉッ!?」
暗黒球は手の内に収まりきらぬほどに膨らみ、爆発しようとするそれ。悠華はとっさに指を吸い込もうとするその球を手放し、宙へ。
空中で放物線を描いた暗黒球は案の定、膨脹の勢いを増して爆ぜる。
「……っく、あっぶなぁ……」
黒い霧を含んだ爆風から顔を庇った腕を下ろして、悠華は安堵の息を一つ。そしてすかさず拳を固め直し、構える。
『あらあら、それが欲しかったのではなくて?』
その拳と目の向かう先では、ステップ交じりにボールジャグリングを続けるサイコ・サーカスが。
その手の間で踊るボールは、目を離した隙に三つから四つへ数を増やしている。
『おやおやおや、それともこの球? いやいや欲しがっていたのはこちらの球だったかしら?』
サイコ・サーカスは歌うように言いながら、ボールを巡らせ続ける。そうして闇色の球の連なりが一周する度に、手の間を巡るその数は次々に増えていく。
やがてピエロの手の内を巡る球は十二個にまで達する。
「そんな……テラやんはッ!?」
「これじゃどれがマーレのか……」
悠華と梨穂は回り続ける暗黒球を目で追い、それぞれのパートナーの封じられたものを探す。
『これではどれに包んだか分からなくなってしまったわね……』
だがやはり探る目をそのままに許すサイコ・サーカスではない。
『では手当たり次第に、お返しするとしましょうかッ!』
そして一際大きなステップに合わせ、再び暗黒球を二人へ投げ放つ。
「うおあッ!?」
「クゥッ?!」
飛んでくる闇色の球。それを二人は横っ跳びに跳ねてかわす。
『遠慮しないで、受け取ってどうぞッ!』
地面を、そして虚空さえ跳ね返り戻る暗黒球。
サイコ・サーカスはそれをジャグリングの輪の中へ受け入れると同時に次の投球を繰り出す。
まだ体勢の整わぬところへ迫る球に、悠華と梨穂は、それぞれよたつくように上体を振って回避。
だがそこへ重ねて迫る次のボール。
二人とも辛うじてその直撃はかわしたものの、身を掠めての余波に煽られ堪らず転がる。
転がる勢いを使って身を起こす二人。だがそこへ間髪いれずにさらなる暗黒球が投げ込まれる。
「わ、おぉうッ!?」
「クッ……うぅッ!」
『フフハハハハハハハ! どうしたの踊ってばかりでッ!? ダンスの時間なら手伝ってあげましょうかッ!?』
虚空にさえ跳ね返る剛速球。
次々と繰り出されるそれに追われて、悠華と梨穂は不規則なステップを踏まされ、転がさせられる。
悠華と梨穂の二人は、そうして追い込み漁にかかった魚のように、やがて一所へ。
「これは……ッ!?」
「やっばッ!」
合流した二人は流れるように背中合わせに。
そうして固まった少女たちへ、十のボールが反射するまま四方八方から吸い込まれるように集中。
直撃すれば骨や内臓を持っていかれることは必至。
それほどの攻撃の包囲網の中、悠華と梨穂は揃って息を呑み、身を伏せ転がる。
二人の胸から上があった空間でぶつかり、弾ける十個の暗黒球。
「いいんちょ早く!」
「分かってるッ!」
それを背後に、起き上がり駆け出す悠華と梨穂。
しかし包囲網をかいくぐったのも束の間。鈍く固い衝突音を響かせた暗黒球たちは、まるで自身の意思があるかのように地や虚空に跳ね返り、少女の背を追う。
二人はそれを一瞥もせず、八の字型に広がるように飛び込み前転。掌で地面を叩いて起き上がると、転がった勢いを殺さず地を踏み込む。
そしてそれぞれに五つの球に追われながら、追跡者を操るサイコ・サーカスへ向けて走る。
『変身もせずになかなか粘るじゃないの』
乱反射する球に追われながらも走る悠華たち。サイコ・サーカスはその姿をステップ交じりに眺めながら、感心の声を溢す。
「……そんな余裕の態度をいつまでも!」
未だにステップ踏んでのお手玉を続けるサイコ・サーカス。梨穂はそれに向けて、舌打ちに続けて最短距離のコースへ一気に踏み出す。
「いいんちょ!?」
「私の仲間を返せッ!!」
マーレの奪還を急ぎ、悠華に先んじて仕掛ける梨穂。
『ふん』
だがサイコ・サーカスは鼻で笑ってステップ。梨穂の突撃をひらりとかわす。
「まだまだッ!」
しかし梨穂はかわされながらも、身を捩って水を放つ。
ただ魔法で放水したのではなく、一定量を棒状に固めての一撃。
しなる水の鞭によるそれは、暗黒球を持つサイコ・サーカスの右手首を打ち、絡みつく。
が、いざ梨穂が引き寄せようと力を込めたところで、サイコ・サーカスが鞭の絡んだ腕を逆に引く。
「う!?」
綱引きに負けて地面から離れ、力任せに引き寄せられる梨穂。
「させるかってーのッ!」
だがそこへ、別方向から悠華が飛び込む。
蹴り足から突っ込むそれを、サイコ・サーカスは左腕を盾にブロック。
『それ』
「う!?」
そして蹴りを止めた腕を押し返すと、右手に絡んだ水の鞭を振り回し、ハンマーの要領で梨穂の体を悠華へと叩きつける。
「ウッ!」
「ぐあッ!?」
一塊にされ、もろともに地面へ叩きつけられる悠華と梨穂。
衝突と同時に鞭は飛沫と消え、大の字に重なった二人の少女が後に残る。
そこへ群がり降り注ぐ十の暗黒球。
「まずい!」
それに梨穂はとっさに右耳を弾く。
すると下敷きである悠華の背中を湧き水が押し上げ、その場から急流に乗せて運び出す。
「うおぅ!? なんじゃこりゃあッ!?」
ウォータースライダー用の浮き輪のように、梨穂を乗せたまま滑る悠華。
そうして降り注ぐ凶弾を後に、梨穂は悠華の上で股がり座る。
「悪いわね! これしかなかったの!」
「なんのなんの、グッジョブいいんちょ!」
腹筋の上に座りながら、悠華に乗り物扱いを詫びる梨穂。
対する悠華は背泳ぎ姿勢のまま、梨穂の緊急回避を称える。
『ふぅん。惜っしい』
サイコ・サーカスはそんな二人を無感動に眺めながら、跳ね戻ったボールたちをまたジャグリングの輪の中に迎え入れていく。
「いい? このままもう一度ッ!」
「オゥイエー、今度は一緒にだぁね」
暗黒球の追跡が止んだのを好機と、悠華と梨穂を乗せた水はその流れを切り返す。
そして波立つように勢いを増し、サイコ・サーカス目掛けて二人を後押しする。
対するサイコ・サーカスはその場から動くことなく、顎を上げて口を開く。
そして右手で打ち上げるようにした暗黒球を、落下任せに上向きに開いた口で受け入れる。
掌サイズの暗黒球十二個。
サイコ・サーカスはその全てを何の抵抗も無しに飲み下して、喉の下へ送る。
「なんとぉッ?!」
「バカなッ!?」
そんな吸い込みに驚き目を剥く少女二人。
直後、驚愕に固まっていたその顔が苦痛で崩れる。
「ウッ」
「あ、が!?」
二人揃っての呻き。直後、悠華たちを乗せて流れる水が、支えを無くしたように崩れる。
力を失い、潰れるように広がり流れる水。
悠華と梨穂はその内の慣性に従った、しかし弱々しい大半のものと共に、サイコ・サーカスの足元へと運ばれる。
悠華たちは水浸しになりながらも、四肢に力を込めて起き、立ち上がろうとする。
『さて、余興はここまでにしておいて、ショーのプログラムを進めましょうか』
一方サイコ・サーカスは、足元であがく二人を見下ろしながら、これ見よがしに腹をさする。
「なん、だってぇ……!?」
悠華は肘と拳を踏ん張り、上体を起こして上方向を睨む。
『次のプログラムよ。水と土、二匹のドラゴンどもを我々の中に消化吸収。幻想界の海と大地を破滅させるのよ』
生まれたての鹿か馬を彷彿とさせる悠華。それに対し、サイコ・サーカスはメイドの土産とばかりに、自身の計画を語って聞かせる。
今の幻想界の土と水を司るテラとマーレ。
仮に揃ってヴォルスに吸収、消滅させられれば、幻想界の大地と海の崩壊は確実。少なくとも、今幻想の海を襲っている破壊など比ではない汚染と荒廃が待っているのは間違いない。
『きっと胸の透くような最高のショーになるでしょうね』
そんな破滅の光景を思い浮かべてか、サイコ・サーカスはうっとりとした息を吐く。
「何がそんなに……命を壊すのが、そんなに楽しいってぇのッ?!」
爆発した憤りのまま、片膝立ちにまで身を起こす悠華。
だがその叫びに、サイコ・サーカスの顔に明らかな不快感が浮かび上がる。
『我々を生んだものが何かも知らぬくせに、よくもそんな口をぬけぬけと……』
不愉快げに顔を歪め、底冷えのする声をぶつけるサイコ・サーカス。
「……知ーるわきゃ無いっしょ? 他の命を踏みにじりたい都合なんてさぁーあ?」
しかし悠華は凍てつくほどのそれにも怯まず、あえておどけ調子に作った言葉で返す。
対するサイコ・サーカスの返事は言葉ではなく、無拍子に放たれた蹴り。
「おぅっぐぅッ?!」
「う! 宇津峰さんッ!?」
鋭く突き上げる衝撃。それは悠華を吹き飛ばし、傍らの梨穂までもを巻き込みなぎ倒す。
『人間どもも竜どもも! 揃って破滅から目を逸らしたために生まれたのが我々だッ!』
倒れ、芯を揺るがすほどの苦痛に呻く悠華へ叩きつけられる叫び。
「……な、に……ッ!?」
「そんな、嘘よ……ヴォルスの怪物を生み出したのが、私たち?」
竜族と人間。自分たちこそがヴォルスを生み出した原因だと攻めるその言葉に、衝撃を隠しきれぬ悠華と梨穂。
しかしそこへサイコ・サーカスは容赦なく衝撃の言葉を畳み掛ける。
『嘘なものか! 平穏を望んでお前らが生んだ歪みが、我々を化け物に変えたのだ!!』
先の悠華の言葉が蟻の一穴となったか、憎悪の堰が切れて溢れ出したかのような豹変ぶりを見せるサイコ・サーカス。
あらゆる命へ向けて溢れ出した憎しみのままに拳を固め、未だ起き上がれぬ悠華たちへ向けて踏み出す。
『……お前らが生き続けるために戦うのなら、我らは我らの望んだとおりに……滅亡と終末のために戦い抜くッ!!』
そして憤怒の声を引き金に二歩目を踏みこみ、黒い風と化す。
『そう! まずは綺麗なものだけを抱えて、それ以外を掃いて捨てて作られた幻想を! それを信じて疑わないドラゴンとその契約者を手始めにッ!!』
溜めこんできた怨みを吐きだしての肉薄。
殺意を込めて構えた拳は、その意思のまま真っ直ぐに悠華へ。
「……ふっざけるなぁああああッ!!」
だが悠華は気を張り上げ、地を叩いて跳ね起きて右腕を突き出す。
『……なッ!? あッ?!』
サイコ・サーカスの一撃を掠め、悠華の右拳はカウンターの形でピエロドレスへ突き刺さる。
「どんな恨みがあろうが! 事情があろうが! むやみやたらに命を奪うことなんか許せるかッ!!」
憎悪任せに飛び込んだ勢いが反転。背中から吹き飛ぶサイコ・サーカスを見据えて、悠華は叫び返す。
「……アタシの友だちも、幻想種のみんなも! これ以上殺させはしないッ!!」
そして固く握った右拳を輝かせ、力強く踏み込む。
すると悠華の丹田、へその辺りから体に沿ってオレンジの光が伸びる。
目を刺すようなその輝きが和らぐと、そこで仁王立ちになった黒いバトルスーツのヒーロー、グランダイナの姿が露わになる。
『バカな……ッ!? ドラゴンを封じ込めて繋がりは断っているはず!?』
出来るはずの無い変身をして見せたグランダイナ。それにサイコ・サーカスはテラとマーレを封じた腹に手を添える。
「やぁああ……」
そんなピエロの疑問には答えず、グランダイナは腰を深く沈め、獅子か虎の爪を思わせる拳を構える。
「アァッハァアアアアアアアッ!!」
まるで群れの覇権を争う獣の様な構え。
そこからグランダイナは腹の底に練り上げた気を放ち、踏み込む。
『クッ!』
歯噛みし、グランダイナの突撃に合わせて足を振り上げるサイコ・サーカス。
「アアアッ!」
だがグランダイナの振り下ろした右爪が、真っ向からそのつま先を叩き落とす。
『なにッ!?』
「らぁあああッ!!」
そしてすかさず、目を剥くサイコ・サーカスの腹へ左の爪を突き入れる。
『お、ごッ!?』
ピエロの口から溢れる、黒い霧と苦悶の声。それを耳元に、グランダイナは突き刺した貫手を引き抜く。
『う、ぐぅああッ!?』
引き出した掌に輝く、オレンジと青。
だがサイコ・サーカスは奪還を許さないとばかりにグランダイナの左腕を掴む。
掴んだ指の圧力に、軋み歪む黒の装甲。
そのまま引くも戻すもどちらも譲らず、奪い合いは膠着状態に。
「うっ、ぐ!?」
しかし、やがてグランダイナの装甲は握力に負け、音を立てて割れる。
だが同時に、グランダイナが左手に掴んだオレンジの光が、掌から腕の中へ。
『なんだッ!?』
その光の塊は、亀裂の入ったエネルギーラインを通って肩へ。
そして胸へ入るのに続き、波紋となって黒いバトルスーツの隅々にまで広がり満たす。
「おぉ! おぉおおおおおおおッ!!」
有り余り、飽和した余分を逃がすかのような叫び。
それと同時に、頭部を覆う逆さスペード型クリアバイザー、その軸に当たる部分が立ち上がり、展開。まるでテラのたてがみ甲殻をコンパクトにまとめたような形になる。
言葉どおりに一つになったような変化。
それにサイコ・サーカスの顔が驚きに歪み崩れる。
『そ、そんな……ッ!?』
「イィィヤッハァアアアアアアアアアアアアアッ!!」
グランダイナは驚愕に漏れた声を怒号で掻き消しながら、再び右の掌底。
青い光を握る左腕を、力任せに奪い返しながらの振り下ろし。
腰の入ったそれは吸い込まれるようにサイコ・サーカスの横面を打つ。
『ぐふッ!?』
獅子か熊の張り手のような。否、それと比較しても文字通り桁違いの威力を持つ掌底は、その力のままにサイコ・サーカスの顔面を引き剥がす。
仮面が落ちるように剥がれ、黒い霧と変わるピエロの顔。
「な!?」
その下にあった顔に、グランダイナは絶句。
『おのれぇッ!!』
その隙にサイコ・サーカスは顔を覆い隠し、背中から倒れ込むままに空間の裂け目へ。
「逃げられるッ!?」
梨穂の声にグランダイナはとっさに手を伸ばすも時すでに遅く、サイコ・サーカスの逃げ道は指が届く前に塞がれてしまう。
合わせて、満月が雲から顔を出すかのように薄れて行く闇。
同時にグランダイナの体もまた、風にさらされた砂細工のように崩れて消える。
その跡に立ちつくすのは、マーレを左手に、テラを右肩に乗せた悠華。
「……あの顔は、やっぱり、らっきー……?」
奪い返した竜を抱え、呟く悠華。その目には、サイコ・サーカスの引き際に暴いた素顔。荒城智子の顔が浮かんでいた。
今回もありがとうございました。
この七十四話で第三章も終了となります。
次回からは第四章に入りますが、更新速度を大幅に引き上げます。具体的には毎日更新といたします。今までの七倍速ほどになりますね。
というわけで次回は8月8日の更新になります。




