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転生を希望します!  作者: 黛ちまた
皇都編

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073.自然体は必要ですか?

誤字脱字報告ありがとうございます。

いつも本当に申し訳ありません(汗)

体育座りしております。

絶賛一人反省中でアリマス。


ルシアンによる軟禁生活は終わりを告げた。ルシアンは職務に復帰する為の引き継ぎを、書斎でラトリア様から受けている。

なので私は一人、寝室にて反省会中。


何を反省しているかと言えば。


あれから、ルシアンに甘える事を強要とまではいかないものの、強請られるものだから、そんなに言うなら徹底的にやってやる!後悔させてくれるわ!

…と、謎の反骨?精神がメキメキと湧いてきて、やってやったのですよ、ワタクシ。


ほら、よく、嫌われる女性にある、やたらボディタッチが多いとか、甘えた声を出すとか、あるじゃないですか?

あれを取り入れて、べったべたに甘えたら、少しはルシアンが落ち着くかなとか思ったんですよ。

うわぁ、コイツ面倒臭い、って思われてやろうと。


…結論から言うと、大失敗に終わるんですけどね。

そして何でそんな馬鹿な思考に行き着いたんだと、あの時の己を問い詰めたい、小一時間程。


「ルシアン」


「なぁに、ミチル」


甘ったるい声で話しかけてみたりしたんですよ。


「そんな甘い声、閨事でしか聞いた事ありませんでした。ふふ、可愛い」


…と、喜ばれました。逆に閨事の時こんな声を?!と、羞恥で震えました、えぇ…。


じゃあ、と過剰なボディタッチをしてみる事にした。


腕にしがみ付いてみたらば、こめかみにキスされて喜ばれ、首に抱き付けば頰に、後ろから抱き付いても、正面から抱き付いてもキスされた。


…素直に喜ばれただけだった。


ボディタッチとか甘えた声は、好意を持ってない人からやられたくない事で、好意を抱いている人からされたら、嬉しい、と。メモ。

…ってちがーう!


「それで、気は済みましたか?」


……そしてやっぱりバレてた。


「ミチルが態度を変える時は、大抵何か考えた後なので直ぐ分かります」


アァ、ウン。デスヨネ。


ふふ、とルシアンは笑う。


「なかなか、楽しかったですよ。

演技でもミチルが甘えてくれて」


…うん、あぁ、えっと…。

なんか急に申し訳なくなってきた。


ルシアンは、ただ、私に愛されたいだけなんだよね。

いや、愛してない訳じゃなくって。どうすれば正解なのか分からないって言うか、私なんかが甘えていいのかとか。


…という訳で、一人反省中なのです。


わざとだって分かっていても嬉しいって言葉に、凹んだ。

大分色々出来るようになってきたじゃないか、自分!なんて思っていたけど、ルシアン的に全然な訳で。

セラにだって全然足りないって言われていたし。

…私は相変わらず、突然バーサクしてはルシアンに突撃してただけなのだ…。全く成長してなかったって事です。


凹みたいのは、ルシアンだよね。

私が凹むのはルシアンからしたら何で?って話だよね、きっと。


膝に顎をのせる。


…進歩しない。

自分なりに頑張ってるつもりだった。実際頑張ってはいたのだ。でも、子供レベルの頑張りだったんだろうなぁ。

キスも出来るようになったよ。抱き付く事も出来るようになったし。愛してるって言えるようにもなった。

だけど、頑張らないと出来ないし、言えない。頑張らないと。その事にルシアンは当然気付いてる。

私が頑張ってるから、ルシアンは我慢してくれていると言うか、見守ってくれているのだ。

ルシアンの考えとしては、私の理性がそうさせているのだろうと思っての、アレなのだ。


甘えたいという気持ちは、人並み所か、もっとあると思う。でも、それをしたら、ルシアンが鬱陶しがらないか、嫌われたらどうしよう、淑女として駄目なんじゃないか、いつもいつも、頭の中でストッパー役の私が言う。


ルシアンの事が好きすぎて、自分をさらけ出せない。

失いたくない。嫌われたくない。失望されたくない。ルシアンの理想の女性でいたい。

でもルシアンは理想を言わない。だから、どんな自分でいれば良いのか分からない。それが分かればまだ、何処まで自分を出して良いのか分かってくるのに。


……でもそれって、自分なのかな。

本当の自分を好きになってもらえてるのかな。


ルシアンは私を清冽だとか公正だとか言うけど、そうあるべし、と思ってるからで、全然そんな事はない。

嫉妬もするし、嫌いな人だっているし、苦手な事からは逃げまくってるし。


貴族って、素の自分出さないよね。家族にも。家族間でも普通に距離がある。だから、凄く楽。

本気で他人ひととぶつかり合うとか、前世でもした事ない。

一人で生きていく、って思ってた。カーストだって下だったけど、同じ下の人と馴れ合う事はしなかった。


強いね、とか言われた事あるけど、全然そんな事ない。

自分の弱みを見せられないんだから。

本当に強い人は弱みを見せられるんだと思う。


全く素を見せないなんて言う神業は出来ないから、少しは知られているんだろうとは思うけど。

弱みってさらけ出していいの?さらけ出さなくてもいいもの?よく小説やらマンガでは、素の自分をさらけ出せる相手を好きになっていく訳だけどさ。乙ゲーなんかはそこが攻略ポイントって言うか。


「……分からん」


こんな時、セラがいたらな、って思う。

言葉にしなくても分かってくれて、凄い楽だった。

……楽。はぁ、つまり私は自分が楽したいって事ですかね。気を遣わないでいられる相手といたい、というのは別に悪いとも思わないけど。


私に好かれる為に自分を変えたルシアンの素は、何処なんだろう?それがあのヤンデレ?

そこまでした自分を愛して欲しいという欲求?

レシャンテと話してた時の姿が素?


「ミチル?」


書斎から戻って来たルシアンが、私を探して寝室にやって来た。体育座りしている私の横に座ると、私の髪を指で梳く。


「ルシアンは、私の何処が好きなんですか?

私はルシアンに全てさらけ出してませんよ?」


「私もミチルに全てをさらけ出してませんよ。

全て見せて、ミチルに嫌われたくありませんから」


私に隠してる部分って何だろう?


「何かをずっと考えてると思ったら、そんな事を考えていたんですか?」


…そんな事、ね。

まぁ、今更だしね。


「ミチルは私の事を全て知らないと、好きでいられない?」


そうではないな。

レシャンテと話していた時の、あのルシアンの事は知らなかった。知らなくても好きにはなった。知ったからと言って気持ちは変わらなかった。


一房、私の髪を手にすると、ルシアンは口付けた。


「…そんな事、ないです」


私が否定すると、ルシアンはふ、と微笑んだ。


「ねぇ、ミチル」


「はい」


「貴女がもし、私の全てを知ったとして、私への気持ちを失ったとしても」


唇が、重なる。


「貴女を逃す気はないんです」


もう一度唇が重なった。


うっ、今の、きゅんとした…っ!


「…それを言うなら、そっくりそのまま、お返しします。もう、ルシアンは私のものですよ?」


ふふふ、とルシアンは嬉しそうに微笑む。


思ったよりアレだったとか言われても、こっちこそ逃がさないよね、このイケメンの事。


…私、結構肉食なのかも?

それとも、好きな人が出来たら肉食になるもんなのかな。…あぁ、それはあるかも知れない。

だって私、ルシアンの事を好きになってから、触れたいとか、キスしたい、キスされたいって欲求がいくらかなりとあったもの。


自分からキスをする。啄ばむようなキスを。


「もっとして、ミチル」


そんな風におねだりされると、嬉しくもあるけど、恥ずかしくもある。


閨事も経験してて、未だにキスひとつに恥ずかしくなる自分はどうかと思うけど、ドキドキしてしまうものは仕方がない。


「ルシアンは、恥ずかしくないのですか?」


「恥ずかしがって、ミチルがキスをしてくれるなら、します」


そういう話?!


「私は色々と、遠回りをしているんです」


「遠回り?」


ルシアンは頷く。


「皇都の学院で過ごしてる間、ミチルからは離れてましたし、戻ってからも何かと障害があって、穏やかにミチルと過ごせていません。恋人としても、婚約者としても、過ごした時間は多くない。婚姻を結んでからもそうです。

私自身がミチルの言葉の意味を履き違えていたのもあって、無駄な時間を過ごしています。

それを取り戻そうとすれば皇国の貴族の問題。済んだかと思えば帝国の皇帝兄弟の問題に巻き込まれて。

しかも、食べて欲しいと私が言い続けた所為でミチルの心のハードルを上げていましたし。

恥ずかしがっている場合ではないんです」


はぁ、とため息を吐く目の前のイケメン。

なんだか、胸がうずうずしてきた。それと、口元が緩んでしまうのを抑えられない。


「ルシアン、私の事、好きすぎじゃありません?」


「何を今更…。頭がおかしくなるぐらいミチルの事ばかり考えています」


ふふふっ、と私が笑うと、ルシアンはとろけそうな目を私に向けた。


「可愛い」


「ルシアンの方が可愛いです」


「私が?」


ルシアンの問いに頷いて、抱き付く。


「愛おしい」


そう言ってキスをする。

直ぐに抱きしめ返されて、キスのお返しもされた。


「ルシアンが好き、大好き」


「私も、貴女が愛しい」




*****




年が明けてしばらくして、ラトリア様、ロシェル様、お義母様はカーライルに帰る日が来た。

三人を見送ってから出仕する事にした。


「レンブラントに帰ったら、溜まっているだろう仕事を片付けないといけないと思うと、気が重いよ」


ため息を吐くラトリア様に、ルシアンはにっこり微笑んだ。


「兄上なら大丈夫です」と心にもナイ事をしれっと言い放つ。


引きつった笑みを浮かべて、ラトリア様はありがとう、と答えた後、しょぼんとしながら馬車に乗り込む。


「まだ寒い日が続くでしょうから、二人共気を付けてね」


「お義母様もお身体にお気を付けて」


お義父さまはもうカーライルに戻っているらしいので、お義母様の帰りを今か今かと待っている事だろう。


「ロシェル様、お気を付け下さいませね」


「ありがとう。次にお会いするのはカーライルね。その時にはお義姉様と呼んでいただきたいわ」


そう言ってにっこり微笑むロシェル様。

春になったらお二人は結婚する。婚姻準備はほとんど終わっているとの事だったから、後は結婚式ですね。


三人を乗せた馬車はゆっくりと走り出した。


「さぁ、私達も行きましょう」


ルシアンに手を引かれて馬車に乗り込む。


「以前から思っていたのですけれど、ルシアン、お義兄様に冷たくありませんか?」


「そうですか?」


過去に何かあったのかと疑うレベルで素っ気ないよね?


「お二人の間に、何かあったのですか?」


実は後継問題でどうこう、とか。


優秀過ぎる兄に実はコンプレックスを…とか。あぁ、それは前にそんな事を言っていたような気もしたけど、この前レシャンテと話した感じでは全く気にしてなさそうだったしなぁ。


「何もありません」


じっとルシアンの顔色を伺う。


「特に何もありませんよ、本当に。父にしてもそうですが、やたらと構ってくるのが鬱陶しいぐらいです」


……お二人の愛情、一方通行っス。

まぁ、あの二人、イジるもんね。ルシアン的には面倒臭いんだろうな。


「私が構って欲しいのはミチルだけです」


「……光栄デス」


うちのルシアンは今日もブレません。


ルシアンは宰相(代行)に復帰した。私もそれに付いて皇城に出仕している。


もうすぐ女帝が退位し、アレクシア姫が皇位を継ぐ。

宰相職も別の人が受け持つ。その選定もそろそろ決まると言う事だったから、ルシアンのお役御免の日も近い。


長いようで短い一年間だった…。いや長かったな…。

…ってまだ終わってないけど。


帝都から戻ったゼファス様に、あちらで何が起きたのか聞いても面倒臭いの一言で説明を拒否られた。

酷くない?!


ステュアートとフローレスも戻って来て、出仕している。

何故かステュアートは髪が黒く染められていた。しかも左腕怪我してるし。

大丈夫なのかと問えば、業務に支障はありません、と社畜乙な事を言われた。


ステュアートはカーライルに貴族籍を移す事になっているけど、フローレスは残ると聞いているから、二人はあと僅かしか一緒にいられないんだなぁ、なんて思っていた。

聞けば幼馴染らしい。家格も同じで、学院にも同年で入学した二人の縁はずっと続いていた訳だ。

それがステュアートの移籍?により離れ離れになる訳で。


「ステュアートとフローレスの事は残念ですね」


「何がですか?」


「ステュアートはカーライルに籍を移すではありませんか?幼馴染ですから、寂しいのではと思ったのです」


「フローレスもカーライルに来ますよ?」


「?」


「迷っていたようですが、帝都に同行した際に決めたようです」


二人をヘッドハンティングしたのはお義父様らしい。

その上で、ルシアンの下に付けるのに、ちゃんと動けるかを確認する為に帝都に拉致されたらしい。

本当はステュアートだけを連れて行こうとしたら、フローレスも行きますと言って聞かなかったらしい。

安全は保証出来ないと言っても聞かず、何処に配置したものかと悩んだ末、別に配する必要もなかった、ノウン大司教の下に付けたらしい。


それで帝都に同行してみて、自分もカーライルに行く事を決意したらしい。


……何があった?


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