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転生を希望します!  作者: 黛ちまた
皇都編

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220/360

二人の枢機卿補佐

本日2つ目です。


雷帝国の帝都は巨大な為、枢機卿がいるカテドラルと、大司教がいる教会の2つが存在します。

その教会のトップであるノウン大司教視点になります。

貴族が行くのがカテドラル。平民が行くのがノウン大司教の教会という感じです。


あまりキャラクターを増やしたくはないのですが、話の展開上、どうしても無しには出来ない為、これからも少し増えます。

申し訳ないです。


ディンブーラ皇国のマグダレナ教会から、枢機卿補佐が着任した。

マグダレナ教会の教皇となられたのはディンブーラ皇国の皇族だ。政治的思惑が教会にも及ぶのではと、我ら帝国の聖職者は戦々恐々としていた。

教皇着任から一年も経っていない為、様子見の状況は変わらないが、今のところ新教皇がそう言った政治色を匂わせる事はない。そう思っていた矢先の枢機卿補佐である。

どう言った思惑あっての事か。


補佐が着任したのは、私の元と、枢機卿であるレペンス枢機卿の元だ。私自身は枢機卿ではないのだが、来年の春に枢機卿着任が決まっている為、補佐を寄越されたのだろう。

二人をレペンス枢機卿と共に迎える。

黒髪に分厚い眼鏡をかけた青年と、白髪の青年だ。

レペンス枢機卿の補佐となったのは、黒髪の青年で、レイと言った。対して私の補佐になった青年は、リュリュといった。


どうしたものかと思っていたが、このリュリュという青年は、とてもよく気が付いて、ちょうど良い頃合いにお茶を淹れてくれるし、必要な書類も用意してくれたりと、使い勝手が良い。口数は多くないものの、控えめに微笑む彼に、私だけでなく、他の者達も癒されているようだった。

これは良いもらい物かも知れぬ、と思い始めていた頃、所用があって皇都のカテドラルに立ち寄る機会を得た。


レペンス枢機卿と話をするうちに、補佐のレイとリュリュの話になった。

レイは大変優秀で、レペンス枢機卿不在時の代理を見事にこなしてしまうと言う。

優秀と誉れ高いレペンス枢機卿の代わりが果たせるとは、なかなかどうして、優秀な人材を教会は送ってきたものだ。

だが、レイはリュリュと違って、人と繋がりを持とうとせず、ただひたすらに仕事に打ち込んでいるとの事。

あまり話している所も聞かないとの事であるから、徹底している。

それから、たまに窓の外をじっと眺めていると言う。


「あれだけの人物。もしや皇都に想う人でもいるのではと勘ぐっておりますよ」


コロコロと、鈴の鳴るような声でレペンス枢機卿は言った。


「ご冗談を、レペンス枢機卿。彼は司教です。俗世とのそう言った交わりは禁じられている身ですぞ」


「心までは縛れないでしょう」


それはそうだが。


実際、肉体関係を結ばずとも、プラトニックな関係を結んでいる聖職者がいる事は知っている。一線を超えてしまう者がいる事も。

ただ、そうなったとしても、彼らにはその先の未来がない。大体が関係が破綻する。


「彼の場合、お相手が貴族の令嬢なのではないでしょうか。彼の身のこなしも洗練されたもの。彼自身が貴族の令息であった可能性も高い。

引き裂かれ、もう2度と会えないように異国の地に追いやられてしまったのかも知れません」


「…レペンス枢機卿にしては、随分と詩的な事をおっしゃる」


つい先日まで、彼の情緒は不安定であったのに、今日は随分と機嫌の良い事だ。


「私にそのような才能があったとは知りませんでした。

今からでも枢機卿を辞してそちらの道に進んだ方が良いか、悩みますね」


「ご冗談を」


彼の言葉は、冗談なのか本気なのかが測るのが難しい。


用を済ませて自分が預かる教会に戻ると、迎えに来たリュリュが困ったような顔をしていた。


「どうしましたか、リュリュ?」


「それが…」と言い淀むリュリュ。

彼にしてはとても珍しい。


「大丈夫ですから、言ってみなさい」


「レーフ殿下が亡くなられたとの噂が…」


突然の事に言葉に詰まる。


「それは、確かな情報なのですか?」


「いえ、噂です。ですが…」


そう言って俯くリュリュ。


あぁ、そうか。

彼は皇都から来た。


レーフ殿下がディンブーラ皇国の皇都で害されたのであれば、皇国出身のリュリュを敵視する人間は増える可能性がある。


「そのような根拠のない噂に惑わされてはなりません。

我らマグダレナ教会は、表の事とは一線を画すもの。

女神への信心と国家間の争いは関係ないのです。

もし何かありましたら、遠慮せず私に言いなさい」


私がそう言えば、リュリュはようやくホッとしたのか、いつもの笑みを浮かべた。

年齢は18と聞いているが、教会でずっと育ったのだろう、とても穢れのない青年だ。


「ありがとうございます、ノウン大司教様」


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