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転生を希望します!  作者: 黛ちまた
皇都編

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029.レーフ殿下、歓迎夜会

……夜会ですわぁ…。

遂にこの日が来てしまいましたわー。

ルシアンが新しく作ってくれたドレスを着て髪もキレイに結い上げてもらって、化粧もした時は、まんざらでもない、って言うか、嬉しかったんですよ。

おぉ!変身したみたい!って思って。

ルシアンに手を引かれて馬車に乗ってしばらくしてから、またしても気分がドナドナに…。


ミチル1:でもほらミチル!殿下がいるから、今までみたいにならないんじゃないかって、ルシアンも言ってたじゃないの?!

ミチル2:そうよそうよ!

ミチル3:きっとみんな殿下に群がるに違いない!

ミチル4:ルシアンと踊って楽しんでればいいのよ!

ミチル2:そうよそうよ!


…という、脳内会議を三巡ぐらいした所で、皇城に到着シマシタ。

到着してしまいマシタ。


隣に立つルシアンは困ったような顔をしてる。

…もしかして、私がウジウジしてるから、ルシアンの事を困らせてる?!


「…もしかして私、ルシアンの事を困らせておりますか?」


ルシアンは困った表情のまま頷いた。


「!」


ジーザス!

困らせてた!!


「ミチルがあまりに可愛くて」


「?!」


そっち?!そっちなの?!

私が夜会嫌だーって思ってる姿が可愛いって言うの?!斜め上過ぎない?!


……なんか急に、力が抜けてきた。


本当にルシアンはブレない。


「もう、ルシアンはいつもそうやって」と抗議してみるも、効果なし。


ふふ、とルシアンは笑うと、おでこと頰にキスをしてきた。

まったくもって周囲の目とかお構いなしですよ!


「本当の事です。ミチルはいつも可愛い。このまま連れて帰りたい」


今来たばっかりですけど、それには激しく賛同します!

脳内ミチルが全員一斉に賛成の挙手を致しましたよ!


ルシアンは手袋を外すと、私の頰に触れ、優しく撫でる。

ドキドキしつつも、ルシアンの手が温かくて、優しくて、胸の奥から優しい気持ちになってくる。


「側にいますよ」


気にしちゃ駄目!いや、そんな事言ったって気になるけど!

でも、ルシアンが私を想ってくれて、守ろうとしてくれてるんだから、その気持ちを受け止めなくては!ルシアンの気持ちを無にしちゃいかん!

負けるなミチル!!頑張れミチル!!


微笑み返して、ルシアンの手に自分の手を重ねる。


ミチル1:もういっそ開き直って、ルシアンとラブラブしてみよっかな!

ミチル2:そうだそうだ!

ミチル3:賛成です!

ミチル4:どうせみんな殿下の所に行くんだから、いつもと違って盛ってるルシアンをこれでもかと言う程に堪能した方が、精神衛生的にも、時間的にも、夫婦としても良いんじゃ?!ロイエならそう言うに違いない!

ミチル2:そうだそうだ!


「ルシアンは今日も素敵ですわ」


脳内でリピートしてる、ルシアンは今日もイケメン、を、貴族らしく言ってみたよ!


ルシアンは一瞬無表情になった後、嬉しそうに微笑んだ。


「どうしたんですか?私は嬉しいですが」


「…開き直ってみようかと思ったのです」


開き直る?とルシアンが聞き返してきた。


「…淑女らしくない事を申し上げますけれど…。

くよくよしてルシアンを困らせてる自分がいい加減に嫌になってきましたし…近頃はルシアンの事を見つめられるようになってきておりますもの、せっかくこうして一緒にいるのですから、ルシアンといる事に集中しないのは、とても勿体ない事だと思い至りましたの」


目をほんの少し見開いて、ルシアンは私をマジマジと見つめたかと思うと、優しく微笑んで私の髪にキスをした。


「本当に可愛い」


それから頰にキスが落とされる。


「貴女が愛しくて堪らない」


顔に熱が集まる。


イケメンには見慣れてきても、イケメンの口説きにはまだ耐性が追いついてない!追いつけてないよ!


「…恥ずかしいですわ、ルシアン…」


ふふ、とルシアンは笑うと私の手を撫でた。


「かなり良い雰囲気の所申し訳ないけど、姫と殿下がいらしたわよ」


「!」


セラに言われて、大広間の奥、皇族専用通路に目を向けると、ちょうどアレクシア姫とレーフ殿下が入って来た所だった。

危ない危ない。

セーフセーフ。

イケメンに夢中になって、挨拶とかうっかり忘れるとか、大失態ですからね!


いつもなら直ぐにルシアンの周りに令嬢達が群がって来ていたのに、今日は大広間に入っても誰も来なかった。

皆、殿下目当てって事ですね?!

平和が訪れた!


…とは言え、これはこれで腹が立つ。

ルシアンの事を本当に好きでもなかった癖に、ルシアンに群がった挙句、私に嫌味とか言ってきたりしたのかと思うと!

私はそんな人達にやられていたと言うのか!

やはりこれは、ルシアンを満喫せねば!!


姫と殿下に挨拶を終えた私は、ルシアンと二人で壁の近くでイチャコラする事に決めた。

イチャコラって言っても、破廉恥な事はしませんよ?

ただもうひたすら、二人の世界を満喫してみようかと思って!


「ルシアン様」


ルシアンの前にリリー・エルギン嬢が立った。


二人の世界を始める前に妨害が入りました!早すぎだよ!

もうちょっと空気読もうよ!

っていうか、リリー様は殿下はいいの?


リリー嬢、今日も贅を尽くしたドレスですね!

淡いピンク色のドレスは、ちょっときつめなリリー嬢にはちと似合ってない。でも女子はピンク系好きだよね。


ルシアンはあからさまに興味なさそうな視線をリリー嬢に向ける。


「私のファーストダンスのお相手をお願い出来ませんか?」


凄い!妻がいるのに、己のファーストダンスの相手をして欲しいとか言えちゃうなんて!だってそれ、特別扱いだもんね。貴方が好きですと言ってるようなものですよ。


「申し訳ありませんが」


「令嬢が勇気を出して誘っているのだ、そんな事を言わずに踊ってあげようとは思わぬのか?」


そう言ったのは、オーディエンスを引き連れた、偽ルシアンこと、殿下だった。

オーディエンスはルシアンには見向きもせず、殿下をうっとりした顔で見てる。

この前はそんな風に見られていたのはルシアンだったのにね。本当腹立つわー。


「妻以外とは踊る気がありませんので」


「噂通りそなたは、妻にしか目を向けないのだな」と、殿下は困ったような顔で言った。


こうして二人が並んでるのを見ると、最初はそっくりすぎる、と思ったけど、よくよく見てると違いに気付く。というか、並んでるから差に気付く。

まず、身長が違う。ルシアンより殿下の方が気持ち高い。確かルシアンより殿下の方が4歳程年上なんだよね。ルシアンももう少し身長伸びるのかな?まだ十代だし、男性は成人してからも身長が伸びる事があるって言うもんね。

髪の長さも所々違うし、殿下の方が身体ががっしりしてるような?


殿下は私の方を向いて笑顔になった。


……嫌な予感。


「夫人、私と踊ってもらえるか?」


…えーと…コレ、断っちゃいけない奴だよね…?

相手、殿下だし、今日は殿下を歓迎する為の夜会だし。


ルシアンから冷たい空気が出てる!視線が冷たい!オーディエンスからも圧が!

殿下が苦笑する。


「ファーストダンスの後でいい。私が夫人と踊っている間、そなたもリリー嬢と踊ってはどうだ?」


リリー嬢の顔が一瞬明るくなった。期待に満ちた表情でルシアンを見る。

こうしてると普通の女の子なんだよね、リリー嬢も。


「いえ、結構です」


その後のルシアンの鬼のように冷たい反応に、瞬間的にリリー嬢の顔が暗くなる。


…ルシアン…。


「何故、そこまでして私と踊るのを嫌がられるのですか?」


おっと、リリー様ってば直球で攻めますね?!この前もそうだったけど、割と我慢出来ずに口にするタイプだよね、このご令嬢。

ドキドキしながら成り行きを見守る。


「最愛の妻に冷たい態度をする方に、必要以上に優しくする必要がありますか?

エルギン侯爵は私の妻を貶める発言をなさいましたし、関わりたくないと思うのは自然な事と思いますが」


セクハラ発言と、女なんだから家に籠もってろよ、って奴ですね。


「父と私は違いますわ。それに、先日の皇都でお会いした時にはご挨拶をしてお茶にお誘いしただけです」


「私達を田舎者とおっしゃったように記憶してますが?」


ルシアンは追撃を止めない。これは撃ち落とす気満々だね。


「あ、あれは…あまりにもつれない態度をなさるから!」


つれない態度されたら、暴言もオッケーな訳あるまいよ…。

この令嬢は、色々と我慢出来ないんだね。あの父親だもんね。

我儘に育てられたんだろうなぁ。


「リリー様も殿下に踊っていただいてはいかがですか?」


「!」


トドメとも言えるルシアンの発言に、リリー嬢の顔が白くなる。


たった一曲すらおまえとは踊りたくない、別の男と踊ったら?と言われたらさすがにリリー嬢のHPはゼロに…。


「殿下!私のファーストダンスのお相手をお願い出来ますか?!」


怒ってる!

この人、悲しまずに怒るタイプ!


殿下は苦笑いした後、頷いた。


「構わんが…」


「ありがとうございます。では後程、よろしくお願い申し上げますわ!」


言うだけ言ってリリー嬢は去って行った。


「では夫人、私達も後で」


了承していないのに、殿下は言うだけ言って、オーディエンスを引き連れて去って行った。


あーあ…。

なんかこう、色々と穏便に済まないね…。


「ごめんなさい、ルシアン…」


ルシアンに謝ると、苦笑していた。


「さすがに、本日の主賓からの誘いは断れませんから、仕方がありませんよ」


そうなんだけどね…。


楽団による音楽が始まり、殿下と姫が踊り始めた。

姫の今日のドレスは、淡い黄色の、シンプルなものだった。でも、くるりと回ると、幾重にもレースが重なったドレスがふわりと翻って、花が咲いたみたいに広がって、とても可憐で美しい。

姫、ダンス上手だなー。


「次の曲、私と踊っていただけますか?」


ルシアンが私の手を取り、甲にキスをする。


「勿論ですわ、ルシアン」


曲が終わり、ルシアンに手を引かれて、私達も踊り始める。


「夜会にあまり参加しませんから、こうして踊るのは久しぶりですわ」


ルシアンとしか基本踊らないというのもあるけど、ルシアンのリードはついていきやすい。

授業でしか踊った事ないけど、ジェラルドのリードは強引だったなぁ。下手じゃないんだよ、力強いの。あの力強さが好き、という人もいると思う。

私も昔に比べれば普通に踊れるようにはなってる筈だけど、いかんせんルシアンがダンスが上手で、私に合わせてくれている可能性が大。ダンスのレッスンはセラにいつもやってもらってるけども、自信ない。


「そうですね。こうして、ミチルと踊り続けていられるのであれば、夜会でのダンスも不快ではありませんが」


同じ人とばかり踊るのは基本、マナー違反だからね。


こうして、ルシアンのリードに任せて踊るのは、私も好きだ。

安心するし、楽しい。


「私も、ルシアンと踊るのは楽しいですわ」


楽しい時間というのはあっという間に終わるもので、ルシアンと3曲連続で踊って(ルシアンが手を離さなかった)、殿下が苦笑いを浮かべながら近付いてきて、ちょっと強引に私の手を取ると、引っ張られた。

殿下と踊る事からは逃れられないらしい…。


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