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転生を希望します!  作者: 黛ちまた
皇都編

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016.ルシアンの甘い甘い罠

えー、ご注意お願い致します。

ルシアンのタガが外れます。

壁の花って、良いよね。

ずっとそれで良い、って思うのに。


まぁ、ルシアンの婚約者になった時点で、土台無理な話だったんだよね。

カーライル王国でのデビュタントの時は、ルシアンと出ました。婚約者として。

アルト家から贈られたドレスとアクセサリーを身に付け、馬車でお迎えに来てもらって、色んな人と踊る筈なのに、ルシアンが全部断ってた。恐ろしい程の独占欲!

お陰で学園での授業以外で男性と踊った事がないと言う、妙なレアキャラ化した。


この流れでお分かりの通り?私は今、皇室主催の夜会に来ている訳です。

ルシアンの横で、セラとフィオニアという、美形揃いに囲まれた状況で大変いたたまれない。

セラがいるだけで、精神的にホッとするけど。

しかもお酒も飲めないしで、セラが持ってきたフレッシュジュースを、ルシアンの試飲後に飲むという、厳戒態勢で臨んでいる。


ちなみにルシアンは既に淑女に囲まれております。


「ルシアン様、是非私とダンスを…」


「ずるいわ、私も踊っていただきたいですわ」


次々と出てくるダンスのお誘いを、「妻以外とは踊る気がないものですから、申し訳ございません」とぶった切った。


令嬢達が一斉に私を睨む。

あああああああ、ストレスで胃に穴が開くぅぅぅ。


「…それは、奥様が嫌がるからですか?」


見知らぬ令嬢が尋ねる。


「妻に他の紳士と踊って欲しくないので、全てお断りさせていただいております。私がみなさんと踊っている間に妻が誘われでもしたら、とても耐えられません」


自分の独占欲です、と言い切るルシアンに、何故か令嬢達は頰を赤く染める。

ドン引きする所じゃないの、コレ。


「一曲踊って、すぐにお戻りになれば、奥様もどなたにも誘われないのでは?」


そうよそうよ、という声が上がる。


みんなめげないねー。さすがだねー。

これが肉食女子だよねー。


確かに私を誘う物好きはいないかも知れないけど。


「妻からわずかの時間も離れたくありませんので」


またしても令嬢に冷ややかに睨まれる私。

全て私の所為ですか…。


ルシアンの言葉は令嬢達からすると、自分が言われたい言葉のオンパレードらしく、ルシアンが言葉を発するたびに令嬢達はうっとりする訳です。

そして言われてる私の存在は許せないらしい。


…辛い!!

ロイエからもらった扇子で顔を隠して、笑顔を貼り付けてはいるものの、辛すぎる!

まだ夜会始まったばっかりなのに!


「アレクシア皇女のお越しである!」


騒ついていた場が一斉に静まり返り、みんな皇女のお出ましを待つ。


皇女はロイヤルパープルのドレスをまとい、祖父であるクレッシェン公爵に伴われてやって来ると、専用の椅子に腰かけた。


上位貴族達から皇女への挨拶が始まる。


私とルシアンは他国の貴族の為、最後だ。王族ならば皇国の貴族よりも先に挨拶になるんだけどね。


挨拶の為、令嬢達が離れて行ってほっとした。


アレクシア姫への挨拶も終わって、セラのいる場所に戻ろうとルシアンと歩いていた所、誰かとぶつかった。そして冷たい。なんか濡れたっぽい。


「!」


シルクの手袋とドレスに赤い沁みが!!

凄い!毛細管現象で、シルクの手袋がみるみる染まっていく!


「あら、失礼。ルシアン様しか見えなくて」


空になったグラスを持った令嬢が、嘲笑うように私を見ていた。

その表情から、わざとかけたのだと分かった。


「ミチル、怪我は?」


ルシアンはハンカチで私の腕についたお酒を拭く。

セラとイーギス、アメリアが私に向かってくるのが見える。


私は首を横に振った。


「怪我はありませんわ」


カーライル王国では、モニカや王子と親しくしてたから、こんな風に嫌がらせされたのは実の姉以来だなぁ。


初めて着たドレスで、確かに1回ぐらいしか着ないものだけど…色的にこれ、ワインだよねぇ。

前世では、ワインはワイン用のシミ抜きがあるぐらいだったから、落ちないんだろうなぁ。


「せっかく作っていただいたドレスですのに、汚してしまいました、申し訳ありません、ルシアン…」


私にお酒をかけた令嬢は、私が着ているドレスを汚して、恥をかかせる事だけに意識がいっていたのだと思う。

妻のドレスを作るのは大体夫だ。

自分のした事が、自分が気を引きたいルシアンに跳ね返る事を、今更ながらに認識したのだろう。

突然顔色をなくし、ルシアンに必死に謝り始めた。私にじゃないんだねー。


「わ、わざとではなかったのです、ルシアン様っ」


ルシアンはその令嬢の方を見る事はなく、私の頰を撫でた。


「また新しいドレスを作りましょう。だから、そんな悲しそうな顔をしないで下さい、ミチル」


いや、私が悲しそうな顔をしてるのは、ドレスもあるけど、この令嬢の態度にドン引きしてるからで…。


「ミチル様、大丈夫ですか?」


「ミチル様!」


セラが私の前にやって来た。

何故かオリヴィエ様まで?!近衛騎士なのに?!


「こちらの令嬢とぶつかって、お酒が少しかかってしまっただけです。ご心配をおかけして申し訳ありませんわ」


「風邪を引くといけない。今夜はもう失礼させていただきましょう」


ルシアンが私の手を握る。


え?!

いやいや、この程度大した事ないよ?!

あれ?でも、汚れたドレスを着ていたら、夫の面子とか、色々あるのかな?


「ですが…まだ夜会は始まったばかりですのに…」


「皇女殿下への挨拶は済みましたし、退出しても問題ないと思います。よろしいですね、オリヴィエ様?」


ルシアンがオリヴィエ様に尋ねると、オリヴィエ様は頷き、ワインをかけた令嬢を射殺さんばかりに睨みつけている。

令嬢は青白い顔をしてぶるぶる震えている。

オリヴィエ様、公爵令嬢だしねー…。


「皇女殿下へは、私がご報告申し上げておきます。

伯爵、夫人が風邪をひいてはいけない。早くお帰り下さい」


ルシアンは会釈をすると、私の手を引いた。


あらら、あらら、と思っている間に大広間をでて、周囲を厳重に囲まれて、馬車に乗ってしまった。


えぇーーーっ!!過保護ーーーっ!!


「可哀想に」


そう言ってルシアンは、膝の上に座っている私の髪を撫でる。


ねー、コレ、何処まで本気で言ってるんだろう?

どう考えても、大した事ないよね?


「こんな事をされる為にミチルは皇都に来た訳ではないというのに」


はっ!そうか!

請われて来た国の夜会で、妻が嫌がらせを受けたの図になっちゃうのか。

やられた事自体は大した事ないと思っていたけど、そういう問題じゃなかったっぽい。


「大丈夫ですわ、ルシアン。どうか、気になさらないで」


モテる夫を持つ妻の宿命だなーとか思っていたよー。

…大事になりませんように…。


「もう、カーライルに帰りましょうか。あちらなら、こんな事をする者はいないでしょう」


ルシアンに言い寄る人はいても、嫌がらせをする人は確かにいなかったね、うん。

さすがに王太子夫婦と懇意にしている宰相家の人間に攻撃する馬鹿はいない。


「もう…ルシアンたら、心配性ですわね」


「そうやってミチルは直ぐに我慢をする」


ルシアンは私をぎゅっと抱きしめる。

きゃーっ!


「我慢ではなくて、本当に気にしておりませんもの」


これは本当です。


「これまでも、ミチルは命を狙われた事があるんですよ?もう少し危機感を持って下さい」


たかが女の嫉妬ではあるけど、その嫉妬で2回とも命狙われたんだったな、確か…。

手相とかみてもらったら、女難の相が出てます、とか言われそうではある。


「そうでしたわね。そうなったらまた、ルシアンに迷惑をかけてしまう所でした」


頰をむにっとひっぱられた。

何だろう、気に入ったのかな、最近よく引っ張られている気がスル…。


「迷惑だなんて思った事はありません。そう言う事を言ってるんではないのに」


「ごめんなさい、ルシアン。いつもいつも、ルシアンが助けて下さるものだから、甘えてしまってるんですわ」


私がそう言うと、ルシアンの表情の強張りが少し取れた。


「必ず助けます。ですが、何者にもミチルを傷つけられたくない」


ルシアンがめっちゃ過保護すぎる?!


「正直に申し上げてもよろしいかしら?」


どうぞ、と言ってルシアンは私の頰を撫でる。


「あの程度の嫌がらせ、何とも思いませんの」


「そうなんですか?」


頷く。


「ただ、せっかくルシアンが私の為に作って下さったドレスを汚された事は、悲しいです」


一度着たドレスはもう着ないのだから、その一回はちゃんと着てあげたいと思ってしまう貧乏性の私。


「もう少し周囲に注意して歩けば良かったです」


ふふ、とルシアンは微笑むと、私のおでこにキスをし、瞼、頰に順番にキスをした。

それから、唇に。


「今夜は思った以上に早く帰りますから、二人で酒をいただきましょうか」


お、飲酒の許可が出ました!




うむぅ…本当にお酒に弱いですなぁ、私…。


ルシアンのお膝の上で、薄めてもらったお酒を飲んでおります。

でももう酔ったっぽい。

顔が熱いー。

そんな私を、とろける目で見るイケメンは、何処か困ったような顔をしている。

なして?


「ルシアン?どうして困った顔に?」


「ミチルが可愛いからに決まってます」


そう言って頰にキスをするルシアン。


可愛いって言われた。

両手で頰を触る。

嬉しくて顔がにやけそうー。


「今、嬉しくて微笑んでしまいそうなのを耐えてるんでしょう?」


考えている事を見透かされてしまった。


「ルシアンは、どうして私の考えていることが分かるのですか?私、もしかして声に出してしまっている?」


いいえ、と言ってルシアンは笑う。


「何故分かるかは秘密です」


「えぇ、ルシアンの意地悪」


ルシアンが私の顔を両手で挟んで、顔を近付ける。


「?」


「今の、とても可愛いかったです。もう一度言って?」


「ルシアンの意地悪?」


ふふふ、とルシアンは笑うと、キスをした。


「可愛い。ミチルが可愛すぎて堪らない。今すぐ抱きたい」


「ルシアンの」

「えっちですよ?」


「言われたー」


ルシアンは私のことなんてまるっとお見通しなんだよね。


「ルシアンはどうして私に食べられたいのですか?えっちなら、いつもしているのに?」


なんだかんだ、私拒んでないよ?拒めてないの間違いだけども。


「分かっていないのですか?困った人ですね…」


耳を噛まれた!


「だめです、耳は、弱点なんです!」


慌てて両耳を手で隠す。

そんな私を見てルシアンはくすくす笑う。


「知ってます。だから攻めてます」


「意地悪ルシアン」


「嫌いになりますか?」


首を横に振る。


「好きです。大好き」


ルシアンの頰にちゅーする。


「あぁ、もう。我慢してるんだから、煽らないで、ミチル」


困ったような顔でルシアンは言う。


「だって、好きです」


「その気持ちを態度に表して欲しい」


「態度?」


えぇ、と頷いたルシアンは、指で私の頰に触れ、唇に触れ、首筋、鎖骨、となぞっていく。


「ミチルの事が愛しくて、今したように触れたくてたまらない。もっと先もね?

ミチルは?私に触れたいとはあまり思わない?」


「触れたいですよ?」


「でも、ミチルから触れて下さる事は少ないでしょう?」


最近、頑張ってるけど、私はまだまだなのは自覚ある。


「何処までが、許容されるのかが、分からないです」


「それを決めるのは私ですよ?だから気にせず触れてみて下さい」


どうぞ、と言われた。


「今?」と尋ねる。


えぇ、とルシアンが頷く。


躊躇っていると、もうちょっと飲みましょうか、とお酒を飲まされた。


「ルシアンは悪い人です」


ふふ、とルシアンは笑った。


「今頃気が付きました?」


「罠に嵌められてしまうー」


ルシアンは私にキスをした。甘い。ルシアンが飲んでるお酒の味がした。

私が飲んでるのよりも、何倍も強いお酒を飲んでるのに、素面に見える。

このイケメンは、そういえば酔うのか?


「このまま、罠にハマって下さい。優しくしますから」


優しい罠ってなに。


「ミチル、私に触れて?」


うー。更に酔いが回ってきたー。


そっと手を伸ばしてルシアンの唇に触れる。


「いつも、私を困らせる所です」


指を離そうとしたら、手を掴まれた。


「困るだけ?」


「困ることのほうが、多いです。でも、好き。もっと、して欲しいって、思ったりもして、ミチルはいけない子なのです」


「何を、もっとして欲しい?言って、ミチル」


凄い色気を放つ目が、私を見つめる。

心臓が鼓動が早いのは、お酒の所為もあるけど、きっとこの目の所為だ。


「ルシアンの目が色っぽい。駄目です、そんな目で見たら駄目。抵抗出来なくなる。いつもそうです。おかしくなるのです」


「抵抗する必要ないでしょう?」


「悪魔の誘惑みたい」


ルシアンが私の指を舐めた。


指でルシアンの唇に触れたけど、ここは指で触れるとこじゃないよねー。

唇はちゅーするとこです!


ちゅーをしたら、頭を掴まれて、動けなくさせられてしまい、そのまま大人のちゅーに突入ですよ!


食べられたいとか言いながら、ルシアンに食べられてる気がする!


「むー、ルシアンが私を食べてるだけです」


ルシアンは私の唇を舐めた。


「違いますよ、私は受け入れただけです」


「えー?」


口では本当敵わない。

いや、口だけじゃないなぁ。全部?


「唇だけですか?触れたい場所は」


首に触れる。キスマークは、大抵ここに付けるよね!


ルシアンの首にキスをして、吸ってみる。

出来たかなーと思って、首を見てみるけど、出来てない。


楽しそうにルシアンは笑うと、そうじゃないですよ、こうするんです、と言って私の鎖骨の上あたりにキスをした。

チリッとする。

鏡で見ないと分からないけど、キスマークを付けられた気がする。過去の経験からして。


再チャレンジしてみる。

んー、出来ない。ちょっと場所を変えてみよう。

何度か繰り返した結果、出来た!


「出来た、キスマーク。

これでルシアンはミチルのものです」


「よく出来ましたね。

…でも、一つじゃ足りないかな」


そう言って私の髪を撫でる。

あっ、リボンが外された!もー、せっかく緩くまとめてたのにー。

私は、お酒を飲むと寝落ちするからと、既に湯浴みも済んで化粧も落としてあるのです。

いつでも寝落ち可!


「えー、上手く出来たのに」


「もう少し下に練習してみて?」


でも、シャツがあるから出来ないよ。


「釦を外して」


あ、そうか、釦は外せるものだった。


ルシアンのシャツのボタンを外す。んー、もう一つぐらいかな、ここは鎖骨だし。


「全部外してもいいんですよ?」


ルシアンも同じように夜着なんだけど、紐で止めるタイプではなく、ボタンで止めるタイプだ。

前世でいうところの上下別タイプのパジャマな感じ。

ちなみに私はぜんっぜん透けない、厚めのシルク地のネグリジェ着用。


「全部は必要ないです」


「どうして?ミチルの触れたい場所はここだけ?」


あ、そういえば、ルシアンの腹筋に触ってみたかったんだよね。

いつも胸筋とか首筋に目がいってしまうけど、実はシックスパックなんではないかと思っていたのだ。


そうと分かれば全部ボタンを外してしまえー。


せっせとボタンを外す私のおでこにルシアンがキスをする。


よし、全部ボタン外したぞ!


いつもえっちする時にしか見ない胸筋は、やっぱり逞しい。

両手で触ってみる。おぉ、硬い。鍛えられてる!!


「ミチル、徴の練習でしょう?」


あ、そうでした。


そう思ってしようとしたけど、しづらい。


「ルシアン、横になって下さい。この体勢、キスマーク付けづらい」


ぐいっとルシアンをカウチに押し倒す。


…む。鍛えられてるからか、なかなかキスマークがつかない。

違うな、私が下手なのか。

少しずつ位置をずらしていく。


ルシアンが甘い声で言った。


「もう少し、下へ」


皆さまも、お酒にはくれぐれもご注意下さい。


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