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巨大な積乱雲
眩しい…。
辺りは稲光の光で真っ白。
それ以外は何も見えなかった。
『ゴロゴロゴロゴロ』
『ドドドーーーーーン』
至る所で連鎖するかのようにカミナリ音が鳴り響いていた。
流石にこの状況は兵士達だけではなく僕もビビってついつい耳を手で塞いでしまう。
艦に直撃するカミナリもあり、その度に艦が大きく揺れる。
「やはりここは天竜の棲み家だろう」
「天竜の棲み家?」
「そう、試練を乗り越えた者だけが天竜に会うことが許されるという言い伝えだ。
この中心に別の場所に転移する扉があり、そこを通ると天竜族の住む世界が広がっているらしい」
「らしい?とは分からないという事ですか?」
「戻って来た者がいないからな、試練に落とされたのか、それとも天竜に食べられたのか」
「えっ、でも噂があるという事は誰か帰って来たのではないのですか?」
「それが噂でしかないんだが、天竜族の一人が下界におりてきたらしい」
「それもらしいなんですね」
「あくまで噂だからな」
真相は分からないが、戻る事も出来ないし、前に進むしかないだろう。
なるべくなら変な関わり合いも持ちたくないが、天竜族とはどんな種族なのか気になる所でもあった。





