巨大な積乱雲
風の膜で覆われたお陰で、空中戦艦の中は凄く快適な空間となった。
あれほど揺れていた艦が、今は全く揺れを感じず、兵士達も緊張が解けたのか、のんびりとした状態となっていた。
周りの状況は、一切変わってないのに、この低落。
まずは、この気流を脱出してからのんびりとして欲しかった。
こののんびりとした状態、元を正せばサフラン王子の所為だ。
既に気流の壁を越えられると、兵士達は錯覚している為、緊張感がなくなってしまった。
まだ本当にこの風の膜で越えられるのか分からないのに、気流に流されるままにしないで、最後まであがいで欲しかった。
だけど、どうあがいても、この気流から抜け出すことは出来ないと皆、気付いてたのかも知れない。
「今の内、休める者は休んでおけよ!
また、風が強くなるかもしれないからな」
「「「イエッサー」」」
いやいや、僕が風の膜を張って周りの強風を防いでいるのであって、風がたまたま止んだ訳ではない。
いっその事、僕の張った風の膜を取り除こうかと一瞬思ったが、僕はそんなに器の小さな人間じゃないと自分に言い聞かせ、膜を取り除く事を止めた。
さっきまで頑張っていたんだ。
兵士達にも休息が必要だろう。
だが空中戦艦は気流の流れに乗ってしまい、脱出出来ないまま、流れが速くなっていた。





