謎の仲間 36
「隼人先輩〜!」
「立ち上がって下さい!」
「は、や、と!は、や、と!は、や、と!」
サッカー部員達による隼人コールが熱気を帯びていた。
逆にアマゾネス達は、お頭の強さに憧れをいだき、お頭をねぎらっていた。
「流石、お頭!」
「お頭に付いてきて良かった」
「よっ、世界一!」
部下達が煽てまくって、お頭は上機嫌となっていた。
そして隼人の飛ばされた壁際では、隼人が倒れたまま動かなかった。
しかし、誰一人として隼人を助けようとする者はいなかった。
隼人は、必ず立ち上がってくると皆が信じていたからだ。
隼人に助けなどいならい、隼人に送るのは声援のみだった。
「ゆっくりと休んでいる暇はないよ!
このくらいでくたばる訳ないだろう!
皆は騙されても、あたいは騙されないよ!」
そう言って大きな怒鳴り声を上げたのは、お頭のゴリラだった。
すると隼人の周りの砂利がパラパラと崩れたかと思ったら、隼人はゆっくりと立ち上がった。
「よっこいしょっと」
爺くさい隼人は、立ち上がり首を左右に動かしゴキゴキ、手を動かしゴキゴキと骨を鳴らしていた。
「チェッ、折角、殺られた振りして近づいて来るのを待っていたのに、無駄骨じゃねぇか」
「演技が下手なんだよ!
それに殴った時の感覚がちょっとおかしかったから、直ぐに分かったさ」
「クソ、あれで騙されないなんて、どれだけ戦闘狂かよ。」
ゴリラは戦闘経験が、かなり高い。
少しの違和感も瞬時に判断し、深追いをしようとしない。
それが今まで戦いに生き残ってきた経験が活かされているのだろう。
まともにやりあったなら、レベル差では隼人が有利だが、戦闘経験の豊富なゴリラに足をすくわれるだろう。
隼人はここにきてどう戦おうか考えていた。





