謎の仲間 19
流石に高所恐怖症の僕は、この高さでも怖い。
底までの高さは20メートルくらいだろうか?
下を見ただけで僕を吸い込もうと大きな口を開けて待っている。
だけど僕は風の力で飛ぶことが出来る。
清水の舞台から飛び降りる気持ちで、穴の中に身体をそのまま前のめりになり落ちていく。
端から見れば、自殺しているように見えるだろう。
このまま風を使わなければ楽になれるのかな…、ふとそんな考えが頭を過るが、まだまだやらなければならないことが沢山ある。
元の世界にだって帰りたい。
仲間だって、婚約者達だって僕を待っている。
まだ死ぬわけにはいかない。
地面が近づいて来た所で、一気に風を噴射させ落下速度を相殺させ、そっと地面に降り立つ。
と言ってもさっきの噴射の風で周りに気づかれたのではないか?
そんな心配をしながら、周りを警戒していたが、どうやら誰も気付いていないようだ。
幸い、辺りには隠れやすい岩がゴロゴロと沢山転がっている。
一応、隠密で僕の姿が見えないようにしているが、用心には用心を重ねて岩に身を隠しながら横穴に近づいて行く。
穴の底には小さな川が流れており、穴の奥へと流れ込んでいた。
どうやらここは鍾乳洞らしく、長い年月、水の侵食によって作られた洞窟のようだ。
横穴の大きさは直経10メートルほどの大きさ、奥は暗く何処まで続いているのだろうか?
まだ中には20人がいるはず、注意しながら進まないと、ばったり会って戦闘になったりするかも知れない。
なるべくなら無駄な戦闘は避けたい。
慎重に辺りに気を配りながら、洞窟の中に入っていった。





