護衛4日目ー5
僕は出された紅茶に口を付けた。
うん、元の世界の紅茶と、さほど変わらない味。
お菓子と一緒に美味しく頂く。
「そう言えばサフラン」
「何ですか?翔兄さん」
「駐留軍って言っていたけど、この街に駐留するってこと?」
「はい、私が駐留軍の指揮官として赴任しました」
「サフランが!?
ここは危険ではないの?
前回も機械化帝国が1番最初に攻めてきた場所でしょう。
また攻めて来たら...、ここが最前線になりますよ」
「分かってますよ、翔兄さん。
前回の機械化帝国の侵攻の時は、前の指揮官が先に逃げ出した為に総崩れしてしまって、大陸への侵攻を許してしまった。
その為に多くの人の命と王都まで侵攻されるという失態を犯してしまった。
だから、次は絶対に侵攻をさせてはいけない。
その為に私が指揮官を志願したんだ」
「でもサフランがやらなくても、他の人でも良かったんじゃないのか?」
「いや、これは王家の者の責務だと思う。
それともう1つが翔兄さんに憧れているからだと思う。」
「えっ、僕に?」
「はい。
機械化帝国がネイロ国の王都まで侵攻してきた時、民を守るべき王家の者なのに何も出来なかった。
そこに現れたのが翔兄さんだった。
そうまるで救世主のようだった。
ガクシン将軍も頑張っていたけど、翔兄さんの戦いに私は見とれてしまい、私も翔兄さんのようになりたいと思ってました。
だけど何の力も持たない私はどうやったら翔兄さんに近付けられるか考えて、やはり自分自身が先頭に立たないと皆が付いてこないだろう。
だから、前線であるこの街の駐留軍に志願したんです」
「そう言っても次期国王になる方がここにいては何かあったらどうするの?」
「大丈夫です。
その時は翔兄さんが居ますし、駐留軍にはガクシン将軍も、それに最新鋭の空中戦艦が有ります。
空中戦艦は攻撃力もあり探知機能も有りますから、直ぐに敵を察知してこちらから攻撃を仕掛けることが出来ますので、機械化兵士の侵入を許すことはないと思いますよ」
僕がサフランの次に国王になる予定になっているのだが、僕は面倒くさがりなのでなるつもりはない。
そうそうに逃げ出した方が良いかも切れない。
機械兵士の侵入を許すことがないなら、ククルの護衛もこれで終わりかなと思う。
さっさと大陸へ渡った方が良いか...。
空中戦艦もだけど駐留軍として兵士の数もかなり駐留する事になりそうなので、次、機械化帝国が攻めて来ても前回のようにはならないだろう。
それに一騎当千のガクシン将軍がいるんだから、安心して任せられるだろう。
僕はサフランと別れて、ギルド長のデンシンさんの会いに行き、多分ククルが襲われる事は無いことを伝え、僕は向こうの大陸へ渡ることを伝えた。
そしてククルのいる家に帰り、ガーランドさん、そして仲間達にその事を伝えた。
大陸を渡る為の船はガーランドさんが用意してくれるそうで、その日はお別れ会という事で最後の豪勢な晩餐会となった。
サフラン王子、ガクシン将軍、ヒューデントさんとその影達、デンシンさんとポーラが招待されていた。
豪華な食事に舌鼓を打ちながら、皆、盛大に飲み明かして、気付けば朝日が上り始めていた。
この状態で今から大陸へ渡るのは無理だろう。
今日は止めて明日にしよう。
それじゃ、お休みなさい。
僕は既に限界を迎えており、その場に崩れるように眠りについた。





