397 遥と彼方
「神楽の容態はどうだ?」
ベッドの上に寝かされた神楽を見ながら、それを取り囲むように立っている女性達に問いかけた。
答えたのは沙羅だった。
「私達、皆で回復魔法を重複してかけたわ。
まだ低レベルの回復魔法だけど、皆でかけたから、何とか傷は塞がり今は落ち着いているわ。
特にラウサージュの必死さには負けるわ」
「だって今まで私を守ってくれていた神楽が居なくなると思ったら…、それは必死になるでしょう」
「兎に角、無事でよかった。
それで皆に伝えなきゃいけないんだが」
「どうしたの、翔様」
「それが神楽を傷つけた敵を捕まえたけど、それが同級生の遥と彼方だったんだ」
「えっ」
沙羅と紗耶香は驚いていた。
この世界に誰が来ているのかなんて分かるはずもなく、ましてや敵になっているなんて誰が想像するだろうか。
「今、隣の部屋に待たせているんだ。
よかったら、一緒に話を聞かないか?」
「そうね、神楽さんを傷付けたことは許さないけど、この世界に来て皆、苦労してると思うから」
「沙羅…、」
「私達は、この世界の人間だから神楽さんを看病しておきますから、沙羅さん達は一緒に話を聞いてあげてください」
「ありがとう、沙羅。
ちょっと行ってきますから、神楽さんの事はお願いしますね」
「大丈夫よ、そのうち目も覚ますと思うから」
僕と沙羅、紗耶香で話を聞くために食堂へとへと向かった。





