379 ハイオーグ達の行き先 6
「ここで何をちているのかな~。
森を荒らしちゃ、ダメダメでちゅよ」
何で赤ちゃん言葉?
僕はバカにされているのだろうか、それともそういう喋り方なのか分からなかったが、何者だろう。
「君は誰だい」
「あたち?、答える必要はないでちゅよ」
まあ、そう言われればそうだけど…。
「僕の名前は翔、君の名前を聞きたいんどけど」
「ことわるでちゅ、森を壊す奴は悪い奴でちゅう。
この場所はあたちが先に見つけたでちゅから、ここからてでいくでちゅ。
悪い奴は森から追い出すでちゅう。」
そういうと草原の周りの森から木が突然動き出した。
枝を振り回しながら、根っ子をウネウネくねらせながら、10本の木がこちらに向かってくる。
勝手に木が動くなら、僕が苦労して木を伐採する必要などなかったのにと思いながら僕は向かってくる木に剣を構えた。
枝を大きく振ってやって来るが、僕からみれば動きは鈍く、大振りしているので懐に入れば当たることは無いだろう。
そして僕の伐採が始まった。
枝を一本切り落とし、次の木に移り枝を二本、更に次の木、枝を二本。
順番に枝をちょっとずつ伐採していく。
何周目かで、全ての木の枝はすっきりなくなってしまった。
あとは家の木材に使えるように木の根元、根っ子になる部分のギリギリを狙って切る。
すると木は動きが止まり、普通の木に戻って幹は棒倒しのようにゆっくりと倒れる。
全ての木を倒し、10本の木材が手に入った。
この子に感謝しないとな。
まだ続けるつもりなのかと思っていた時、精霊達とアナンタが空を飛んでやってきた。
精霊達は自然の中に溶け込み、周りからは見えないようにしていたが、アナンタだけは姿を消す事が出来ない為、そのままの姿で飛んできた。
「ご主人様、何で置いて行くのですか?」
「そうですよ、折角のデートなのに」
「ダーリンのいけず」
「お前達が買い食いすると言うからだろう」
「もう、そのくらい私達、レディなんだから気を使ってくれても良いんじゃないの」
「レディというなら、もっとレディらしくしたらどうだ」
「あら、ダーリン、ほら私達を見てみなさい。
皆、レディですわ、それに体もナイスバディだし、見てみます?それとも触ってみますか」
「どっちもしない。
それよりあの子知らないか」
「どの子ですか?」
「あ~」
「あ」
「あ~!」
エアル、アルケーと幼い子はお互いを見て驚いていた。
「ダプネーじゃないの」
「エアルにアルケー、どうして?同じくらいの成長だったはずなのに、何故今はこんなに成長しているのでちゅか?」
「知っているのか?この子」
「ええ、名前はダプネー、木の精霊ドリアードよ」
「ダプネーは、私のいた湖の近くにいたから、よく私とエアル、ダプネーでよく遊んだわ」
「それは通る人にいたずらをする事か?」
「え、それはその~、ご主人様」
言わなくても分かるが、いたずら好きな精霊達だ。
成長してからいたずらはしてないと思うけど、たぶん…。
「それで何でここにダプネーがいるの?」
「それはここに森の力が集まっている場所だから、ドリアード達はこういう場所にいるんです」
「やっぱりドリアードも光の粒みたいのから成長してドリアードになるの」
「はい、光の粒はいわば精霊の元と呼ばれるもので、それが水の力をつければウンディーネ、風の力をつければシルフとなります」
「それでここは木の力が集まる所ということか」
「でもでちゅよ、なんでそんなに成長しているのでちゅか?」
「ダプネー、それは翔様と一緒に居るからよ」
「なんでちゅか、どうしてその男と一緒にいると成長するのでちゅか?」
「あら、分からない?ご主人様から溢れる力を」
ダプネーは、じ~っと僕の方を見ながら暫く動かなかった。
そして、
「なんて凄い力なのだちゅか。
この場所の力より何倍も力があるでちゅ」
「でしょう。私達のご主人様ですもの」
「よし決めたでちゅよ。
あたちも、一緒に行くでちゅよ」
え、何でそういう話しになるの?
これ以上、精霊達集まってもどうするの?
まさか、精霊達に力吸われ過ぎて死ぬなんて事は無いだろうな。
段々不安に思えてきた。





