334 招かざる者 3
アサシン達は、ウェスタを見た途端、動きが止まった。
武器が無くなってしまった事で戦意喪失した訳ではなく、明らかにウェスタが現れてから様子が変わってしまった。
いつの間にか、僕が捕虜にした女も泣き止んで、何故か震えているように思えた。
「どうしたんだ、コイツらは」
「ダーリン、それはこの人達が信じている神様が火の神様だからよ」
「そういえば、この国は火の国だと言われていたな、宗教的な事か」
「まあ、そんな所だと思うわ。
人間に関しては、ダーリン以外どうでもいいから」
「ウェスタもあまり知らないと言うことか?」
「火の神様なら多少分かるわよ。
精霊の世界では、国という枠組は無いけど、この辺りを納めているのが、火君という方が納めているはずですわ。
私も上位の精霊になって、指示する立場になりたいわ」
「精霊の世界もやっぱり縦社会な訳」
「まあ、上の命令には逆らえないわね」
「大変だね、精霊の世界も」
「でも私は自由な方よ、私はダーリンの力を貰って精霊力が上がっているけど、だいたい精霊力の大きな力が溢れている土地は、上位の精霊が住みついているわ、下位の精霊は、そのおこぼれを貰うしかないの、だからそこにいる上位の精霊に逆らう事は出来なくなるわ」
「なるほど、弱い精霊は弱いままになるということか」
「そう、だから強い精霊になるためには自分で精霊力のあるところを探さないといけないわ」
「それで僕の所に来たという訳か」
「まあね、それでダーリン、この人達どうしますか」
「ん~、もう来ないように脅してくれ」
「分かりましたわ、ダーリン」
ウェスタはアサシン達に体を向き直して体中の炎をメラメラと活性化させながら脅しにかかる。
「お前達、私が誰だか分かるな」
「は、はい。火の神様です」
「私に逆らうとどうなるか分かるな。
火の国中の火の神様が集まり、お前達が滅ぶまで焼きつくすだろう」
「逆らいませんから、どうか穏便にお願いします」
「では、これ以上この者達に関わる事はしないようにな」
「わ、分かりましたから」
「関わると、この女を供物にしてまず手始めに焼きつくすだろう。分かったなら立ち去れ」
「はい、直ぐに」
アサシン達は、来た道を慌てて引き返していくが、あれ…、この女をお前達、忘れているぞ。
大事な姉貴ではなかったのか。
その姉貴は姉貴で、余程怖いのかへたりこんで顔面蒼白で震えていた。
あまりの恐怖で声もでないようだ。
この姉貴はどうしようかと悩んでいた。





