339 クエスト 4
「翔様、ティータイムされてはいかがですか?」
ネイバン執事が隣に正姿勢で立ち、僕に問いかけていた。
「え~っと、せっかくだから頂きます」
「あちらに、席を用意しておりますので、どうぞ」
ネイバン執事に連れられて行くように僕は後を付いていった。
そこには、よくオープンカフェで見かけるテーブルの中心に日除けの白いパラソルが付いた木で出来たテーブルに、椅子が4つ用意されていた。
簡易的な折り畳み式のテーブルと椅子のセットのようだ。
「さぁ、どうぞ」
ネイバン執事が椅子を引き勧めてきたので、僕はその椅子へと腰かけた。
メイドの1人がティーポットとティーカップ、そしてちょっとしたお菓子を持ってきた。
それをネイバン執事は、ティーカップを僕の前に置き、ティーポットから紅茶を注いでいた。
とてもいい香りが辺りに立ち込め、いかにも美味しそうな匂いだ。
そして、お菓子をカップの横に取り分けてくれた。
「ネイバンさんも、一緒にいかがですか?」
「いえ、申し訳ありませんが私は執事ですので同じ席につくことはできません」
「折角だから、一緒に飲みたいと思ったのですが…、」
「申し訳ありませんが、身分をわきまえないと執事としての仕事が出来ませんので」
「そうですか、残念です。
それにしても、この紅茶、美味しいですね」
「はい、これは輸入品ではありますが、私が厳選して選んだものです」
流石は帝国だな、輸出入でかなり潤っていると思われた。
いろいろな物が流通し、いろいろな物がこの国では手に入る。
これが国という物だろうか、でも何故戦争してまで領地を広げようとするのか、いまいち理解できなかった。
今現在、不便は無さそうだけど、それに物流で国は潤っている、それ以上何を求めるのか、それこそ人間の性かもしれない。
人間というものは、満足できない人種かもしれない。
目標を持ってやりとげて、その時は満足しても時間が経つと、満足出来ず次を目指す、無限ループの中に入っているような感覚だ。
国という物もそうかも知れない。
現状で満足出来ず、領土が拡大しより多くの資金を集める。
まあ、今の僕にはどうしようもない事だし、そういうことは国の偉い人達が考えることだろう。
僕は紅茶を飲みながら、ミネルバと女性達の訓練を見つめていた。





