314 王都の騒動 10
僕は背筋が氷ついたような感覚を覚えた。
目の前の忍者を見ると、自分の経験からいってかなりの実力者で有ることは間違いなかった。
黒い忍者服に、赤い目が異様な雰囲気をかもし出し、蛇に睨まれた蛙のように動く事が出来ずにいた。
すると忍者は長剣を、横一線、僕目掛けて振ってきた。
僕目掛けてというよりは、だいたいの場所は分かるが、何処に居るのか分からない状態のようだ。
でも僕は、一瞬の早い剣速に避ける事は出来ずに、反射的に剣で受け止めしてしまった。
それが僕の失敗だった。
剣を躱すことが出来れば、逃げる事も可能だったのかも知れないが、剣が止められた事で忍者は僕の居場所を特定し、暫撃を僕目掛けて何度も振っていた。
僕は二本の剣で防いでいたが、受け止め受け流すのが精一杯で防戦一方だった。
そしていつの間にか、僕の姿は露になり忍者は的確に狙って来るようになる。
頭、足、腕、胸と狙いを定めて剣を振ってくる。
防戦一方では、いずれ殺られてしまう。
どうにかしないと…、そう思いその場で右、左とステップを踏み出す、段々早く、そして右と左の動く距離を広げながら加速していく。
高速になってくると、忍者の攻撃がズレはじめ、攻撃が当たらなくなってきた。
その時には、僕は忍者の周りを一周回りながら右、左とフェイントを織り混ぜていた。
次は僕の番だ。
回りながら忍者を切り刻んでいくが、機械人形の所為か血は一滴も流れていない。
それどころか、僕目掛けて攻撃が服しか切れていないようで、中の硬い物に当たる音、
『ガキッン』
という音しか聞こえない。
服が破れ、中が段々露になるとシルバー色のロボット、サイボーグと言われる部類に入るか、全身シルバー色の防具に覆われ、可動部分は金属で出来たメッシュになっているようだ。
丸いヘルメットに赤い目が印象的だ。
こいつが忍者の集団のリーダーだろう。
明らかに防具の質感が違うようだ。
さぁ、どうやって攻めるか。
船も段々近づいて来ている。
もし、こいつがあと何人かいたら、僕はなぶり殺しの目に合うだろう。
せめて船が来る前に、こいつをどうにかしないと。
僕は竜聖剣に取り換え、何処を攻めるか考えていた。





