298 嫌がらせ
僕達は、厳ついおっさん達を無視して、料理が来るまで今後の事や、他愛もない話に花を咲かせていた。
暫くすると料理が運ばれてきたが、店員さんは先程よりも暗く青ざめているように見えた。
最初は、スープから、匂いはコーンスープの匂いだが、色は黒っぽい。
1人1皿ずつスプーンと一緒に配られていくが、店員はスープをテーブルに置く際、手が震えて皿とテーブルがカチャカチャと音を鳴らす。
スープの中身まで溢れそうだったが、淵の所でかろうじて溢れなかった。
皆にスープを配り終えると、そそくさと店員は店の奥へと消えていった。
店員は周りの強面の人達に恐がっているのかと思ったが、僕はそんな事、気にしない。
スープを一口、『こ、これは、味は確かにコーンスープだけど、今までに食べたことない味、コーンの他にいろんな食材が合わさりハーモニーを奏でている』
「これ、美味しくないか」
隼人が珍しく声を出す。
いつもなら黙々と食べるだけの奴なのに、よっぽど美味しかったのだろう。
「美味しいよ、これ」
「ご主人様、頬っぺが落ちそうです」
皆、美味しいに賛同していたが、何故、こんなに美味しいのに、お客が居ないのだろうか。
そう思っていた時、強面の人達が、
「そういや、ここのスープに虫が入っていたことあったな」
「いや、虫をスープと一緒に煮ているんじゃないか」
「色が黒だから、中に何が入っても分からないからな」
そう周りからヤジが始まった。
なるほど、強面の人達が周りから嫌がらせをしているから、お客が居ないのか。
でも何のために…、レベルを確認してみると皆100前後、この人数、僕1人で倒せるレベルだけど、この国に来たばかりで問題を起こしたくないというのが、僕の見解だったが、
「うるせ~、お前ら、文句が有るなら表に出ろ」
隼人が突然キレた。
「何だと~、俺らを知らないのか、てめ~」
「知らないな、この街来たばっかりだからな」
「分からね~なら、分からせてやるよ。
てめ~ら、表に出やがれ」
「おう、おめ~ら、覚悟しろ。
翔、出番だ。」
「はぁ~、何で僕なんだ。
ケンカ売っているの、隼人だろう」
「翔は、この状態なんとも思わないのか」
「それはこんな美味しい食事、邪魔されてムカつくけど」
「そうだろ、だから翔、行ってこい」
「だから、何故、僕なんだ」
「お前なら、1人で十分だろう」
「あのな~」
「いってらっしゃい、ご主人様」
「翔、俺らは食事してるから、早く戻って来いよ」
「殺さないようにな、翔」
何で僕がと思いながら、仲間達に追い出された。
僕は強面達に囲まれながら店の外へと出た。
「覚悟はいいか、お前を倒して、店の中の仲間達も1人ずつ殴り倒してやっからな」
「はいはい、それで何でこの店で嫌がらせしてんだ」
「それは、俺達を倒すことが出来たら教えてやるよ」
「分かった。約束だからな」
僕は戦闘モードに切り替え、相手の出方を伺っていた。
強面達、20名、早く終わらせて僕も食事の続きをしたくて我慢出来ずにいた。





