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異世界で傭兵生活始めました  作者: ヤマイチ


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211 武器

「どうするの、この武器」


沙羅は呆れたように言っていたが、確かに僕達の住んでいる部屋と同じくらいの部屋を作ったが、それでも足りず同じ部屋をもう1つ追加で用意して何とか収まった状態だった。


「体育館2個分くらいか」


「翔様、武器を集めて何かするつもりですか」


「ミディア、そんなつもりはないが、領主に渡してはいけないと思って」


「それにしても、これだけの量、何処から手に入れたのやら」


「荷物を移動させるのに、ギリギリでしたね」


「ああ、もう少し遅かったら見つかっていたね」


「いっそ、この武器でイルプレーヌを攻め落とすか、翔」


「大地、何考えているんだ。

俺たちが戦争起こしてどうするんだ。

戦争なんて起きずに平和が一番何だから」


「翔は欲がないな」


「翔様は、あなた達と違うのですから」


「そんな事よりもこの武器だよ。

下手に大量の武器を持っていて疑われるのも嫌だし、ラウサージュから見てどうしたら良いと思う?」


「今はラウドですが」


「もう大丈夫なんじゃ、イルプレーヌへ行くこともないだろうし」


「そうですか、翔様がそう言うなら…。

武器の件は、やはり兄のラウージャに聞いた方が言いかと思いますわ。

この件だって元々は、兄の依頼ですから」


「そうだな、ラウージャに聞いて見るか」


僕はラウージャと通信をとることにした。


『ラウージャ』


『どうした、翔』


『今、大丈夫か』


『会議の途中だが、今なら大丈夫だよ』


『会議?、イルプレーヌの件か』


『いや、ネイロ帝国の件なんだ。

密偵を出して調べているんだが、やはり戦争準備をしているらしく、元イザカロ国との国境辺りに軍が集結しているようなのだ』


『本当か、やっぱり挟み撃ちにするつもりなのか』


『それで翔は、何か用があったんじゃないか』


『あ、そうだ。

領主の船を襲ったら、武器が大量に手に入ってどうした方がいいかと思って』


『領主の船を襲ったのか』


『襲ったって言うが、中を確認したら武器が満載だったから、武器を確保したんだ』


『正体はばれてないか』


『それは大丈夫だと思うけど』


『はぁ~、正体がばれたら窃盗で捕まる所だぞ。

捕まるならましだけど、隠密に狙われて殺される所だぞ』


『分かってるが、この大量の武器を領主に渡したくなかったんだ』


『そうだな、それはありがとうだな。

武器が有れば、いつでも攻めて来るだろうから、武器がなくなったら攻められないだろうからな。

それで武器だが、王国に預けてくれないか。

まさか、そのまま武器を持って革命するつもりなのか、翔』


『まさか、そんな事するわけないだろう』


『そうだろな』


『何でもお見通しかよ』


『こちらから武器を引き取りに、一個大隊を派遣するから待っていてくれ』


『それじゃ、イルプレーヌと戦争しようと思われるだけでは』


『それじゃどうするんだ』


『僕が行くよ』


『え、大量の武器だろ、翔では守り切れないのでは』


『それについては、後で説明するから』


『どうやって運ぶかは分からないが、翔に任せるよ』


『ありがとう、早速、王都に向かうよ』


『気を付けてな』


そこで通信が切れた。

皆は、どんな事になったのか興味津々で、覗いていたので話の内容を簡単に説明し王都に向かう事を伝えた。


勿論動くのは僕一人だけ、皆にはディメンションルームで待ってもらうことにした。

武器部屋も、誰も立ち入れないようにロックをかけた。


『スキル隠密』をかけ、イルプレーヌに作っていたドアをソッと開ける。

回りには人気は無く、マップで確認するが、隠密部隊も近くには居ないようなので、そのまま裏通りから表通りに抜ける。

疑われないように、スキルはキャンセルし普段通り商店街を抜け城門まで来た。


城門まで来ると、兵士の数が普段より多いような気がする。

城門の検査も普段より多く時間を費やし調べているように思われた。

その分長い行列ができ、皆、なかなか進まない受付に苛立ちを覚えていた。


30分程して僕の番が回ってきた。


「指輪を水晶にかざせ」


僕は指輪を水晶に翳した。


「ウム、レベル80で特にないようだな」


レベル80?僕のレベルは200のはずだが、どうしてだ。

いろいろ考えているうちに、そういえば大地に貰った紫の球が関係しているのかも知れないな。

そのまま通ろうとすると、


「ちょっと待て、お前にはファミリが居るだろ。

ファミリは、どうした」


僕は一瞬焦ってしまった。

しまった、ファミリの一緒に連れてくれば良かったのか、どう言おうか考えながら、


「な、仲間達は、えっと、か、海賊達に…」


「あ、すまん。

嫌な事、聞いてしまったな。

別に問題が有るわけではないから、ちょっと気になっただけだから、うん、気にするな。

よし、通って良いぞ」


何だか兵士の勘違いに助けられたようだ。

城門を抜けイルプレーヌの街が見えなくなるまで徒歩で歩き、それから街道を外れ人気のない山道を全力で走っていた。


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