表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
197/1026

197 ディメンションルーム

異空間魔法の説明を見ると、異空間を使用して発動する魔法と書いてあったが、よく分からなかった。


とりあえず異空間室が使えればいいかと思い、ラドンが使っていた異空間室を思い出しながら、挑戦していたが、何が悪いのかなかなか出来ないでいた。


何度目かの挑戦で、やっと異空間が開いた、それと同時にメニューの魔法欄にも異空間室の文字が出てきた。


異空間が開いた穴は、真っ暗で入るのにも躊躇ためらうような暗闇になっていたので扉をイメージしたら、それが現実となり、人

ひとりが入れるくらいの扉が出来た。


僕は扉のノブを回し扉を引いた。


『ギィー』


扉を開け中に入ると、そこは何もない真っ白な空間になっていた。

高さは三メートルくらい、広さは一辺が三十メートルほどの何もない正方形になっていた。


異空間室は出来たが何もない、ただ広いだけ…、これをどうしろというのだろうか。

僕の魔法の失敗なのか、それとも真っ白な空間に自分で家具を入れないといけないのか、疑問が浮かんでくる。


ラドンに聞いてれば良かったな、後悔してももう遅い。

ラドンの異空間室はどうなっていたか、よく思い返していた。

室内はどうなっていた、壁は木の板を組み合わせて作られていた。

台所もシャワールームもあったが水はどうしていたのだろうか、暖炉も付いていたし大きなベッドもあった。


入り口は狭いのにどうやって入れたのだろうか。

あれ、そう言えば僕は何故、入り口に扉を付けれたのだろう。

もしかして、イメージで家具を作ることが出来るのか、僕はテーブルをイメージしてみると、そこにテーブルが出来上がった。


成る程、分かったぞ。

僕の異空間魔法の中では、僕のイメージ通りの物が出来るようだ。

魔法を解くと消えるということはないよね、そう思いながら一度魔法を解除して、もう一度異空間魔法を発動する。


扉は付いてあるが、中はどうだろう。

扉を開け中に入ると先程作ったテーブルが、ポツンと一つだけ置いてあった。


この魔法は使える。

野宿する必要ないし、休みたい所で異空間室を開けば休めるし、後は内装工をどうするかは皆で決めるか、あと人がいる状態で異空間

室を閉じることが出来るのか確かめたかった。


魔法名をディメンションルームと変え、魔法を使いやすいようにしてみた。


そして僕は夕食の準備をキャンピング馬車の前で作っていたが、ディメンションルームの中に人がいることが出来れば、馬車なんて要らないと思う。

それか普通の馬車に入り口だけ作って、移動すれば異空間内は振動も来ないから、これが便利か、これも後で皆で話し合うか。


日が暮れ始めた頃、村人達が何やら騒ぎ出したので、僕は少し気になったので聞いてみたら、今日は神様への豊作祈願の祭りらしい。

1ヶ所ある小さな祠に神様が祭られており、そこに着物やお酒、貢物を飾ってあった。


「これは翔さん、先程はありがとうございました。

お陰で皆に酒や食事を振る舞う事ができました。

翔さんも一緒にどうですか」


「村長、それは有りがたいですね」


そう言ったがテーブルの上に置かれていたのは、皆、自宅から持ってきたお酒一瓶と、ほんの僅かな料理だけだった。


「翔さんにとっては、物足りないでしょうが、私達貧しい村人達にとっては、久しぶりのご馳走なんですよ」


「そんなんですか」


村人達を見てみると、確かに皆ガリガリに痩せていた。

問題は税金が高すぎるということらしい、食べるのにも困るのに税金を納めないといけないなんて、バカみたい。

何の為に生きているのか分からない。


何だか可哀想になり、僕は村長に料理を振る舞う事を願い出た。

村長は、そこまでしてもらうには…、と言っていたが僕は料理を作り始めていた。

仲間の分は先程作ったから、あとは材料が足りるかどうかだけど、まあ、材料は狩るか街に買い出しに行けば良いから、使いきる覚悟で料理を作るか。


リングボックスから酒樽を一つ出して、皆に振る舞ってその間に料理を作り、次々と提供していく。


なんか毎回宴会しているような気がするが気のせいだろうか、仲間が動けるようになるまでは、ここに滞在しないといけないから、少しでも印象を良くしとかないとね。


宴会は夜遅くまで続き、護衛の騎士達もいつの間にか参加していた。


評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ