表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
192/1026

192 復活

「……、」


「…、し…、」


「…、翔様」


あれ、この状況は前にもあったぞ。

そうだ、この世界に飛ばされた時、戦場のど真ん中に居たっけ。

あの時は何も分からず、目覚めてセレナさん達に付いて行ったな。

その時と同じ状況ということは王竜に殺されて、よく異世界の物語である最初に戻ったということか。


折角、ここまでレベルが上がったのに、また1からやり直しになるわけ、でももう一度やり直せるのなら、だいたいのイベントは分かるので、もっとベストな異世界生活が出来るのではないかと思ってしまう。


「翔様、早く起きて下さい」


も~う、さっきからうるさいな起きますよ。

あれ、でもセレナさんに起こされるはずなのに、男の人の声だ。

何かがおかしいと感じた。

この世界に来たとき、地面で寝ていたはずなのに、今は何だか柔らかい物の上で横になっていた。


手を動かし、感覚で確かめると毛が少し長く柔らかい感触がする。

そうまるで絨毯のような感触だ。

何かが違う。

そう思い、ゆっくりと目を開けてみた。

そこにいたのは、ラドンと精霊達の四人が僕の回りで心配そうに見ていた。


「僕は一体、どうなったんだ」


「良かった、ご主人様」


「良かったです~」


「心配させないで、ダーリン」


「目が覚めたです、心配したです」


「翔様、ご気分はどうですか、大丈夫ですか」


「ああ、ラドン大丈夫だけど、僕は確か王竜に殺されてたはずでは」


「それについては、王竜様よりお話がありますので、アナンタと一緒に謁見してください」


僕はゆっくりと起き上がろうとした時、得たいも知れない疲れと脱力感が襲いかかって来た。

一瞬、ふらついて倒れそうになるが、精霊達が支えてくれた。


「ありがとう」


「大丈夫ですか、まだ休まれたほうが良いのでは」


「大丈夫、ちょっと目眩がしただけだから」


そう言って、僕は体に力を込めゆっくりと立ち上がったが、まだ少しふらついていたので、近くにいたエアルに肩を貸してもらった。


「ずるいです。エアル」


「代わりなさい、エアル」


「嫌です、私が先に取ったもん」


まだ僕はふらふらなのに、精霊達がうるさかったので、代わりばんこに形を貸してもらう事になった。

隣ではアナンタがまだ寝ていた。

先程まで寝ていたのは、毛皮のようだ。


熊のような魔物で身長は4メートルくらいか、魔物の形のまま絨毯のようにされていた。


「アナンタ、起きろ」


「むにゃむにゃ、もう食べられないです~」


また食べ物の夢を見ているらしい。

そう食っちゃ寝竜だ。

僕はそっと耳元で、


「今日は、飯抜きだ」


と呟いてみたら、アナンタはいきなり泣き出して、


「イヤだイヤだ、ご飯頂戴、何度もするから」


等と言っていた。

精霊達には、「ご主人様、ひどい」と言われる始末、泣くとは思ってなかったし、そうそうにアナンタを起こした。


アナンタは辺りをキョロキョロ見渡し、最初に出た言葉が、


「私のご飯どこ」


だった。

その言葉の所為か分からなかったが、ラドンが、


「謁見の前に、お腹が空かれたでしょうから、先にお食事にしましょうか」


と言われたので、食事にすることにした。

何故か、僕もかなりお腹がすいて『グゥグゥ』とお腹が鳴っていた。

どうして僕とアナンタは生きているのか不思議だったけど、王竜に会えば全て分かると言われたので、腹ごしらえして体力を回復させてから謁見することに為った。


何故だか精霊達も一緒に食事をしていた。

ラドンも一緒に食事をしていたが、僕と変わらない量を食べていた。

アナンタが沢山食べるのは竜人族だからという訳ではなかった。


評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ