185 20階層
出会うコボルトを撃退しながら、次の階層へと進んでいた。
16階層、レベル150のコボルトが来るかと思ったがレベル141、数は12匹。
まだ1匹ずつ倒せば何とかなるはず、僕とアナンタはコボルトに向かって走り出していた。
そしてあっという間に20階層、コボルトのレベルはそれほど上がらず、数だけ増えていたが僕とアナンタの敵ではなかった。
僕のレベルは151まで上がり、アナンタも124まで上がっていた。
「20階層のボスは何が出るかな」
「ご主人様、何か楽しそうです~」
「次は何が出るか楽しみでない?
今までからして巨大なコボルトかな」
「翔様、真面目に試練受けてくださいね」
「すいません、試練はちゃんと受けてるのですが、次が楽しみで」
「翔様に余裕が出来たということですね」
「そうかも知れませんね」
そう言っている間に20階層ボスが現れた。
ボスと言うよりは、コボルトの集団だ。
レベル150、数は50匹、レベルはほとんど僕と変わらなかったが、僕とアナンタの敵ではなかった。
「アナンタ」
「はい~、ご主人様」
アナンタのブレス攻撃、レベルが上がり威力もましたブレス攻撃は、コボルトの大半を業火で焼き付くし、コボルト達は炎の中でもがいていた。
そこへ僕の『スキル飛剣』を三撃、一撃でもコボルトの体を半分にする力はあったが、取りこぼしがないように念のためあと二撃飛ばした。
ブレス攻撃の炎が鎮火したあとには、ドロップアイテムのみ落ちていた。
それを集めるのが倒すより大変だった。
「翔様、この調子なら50階層まで楽勝ですね」
「今のところは大丈夫そうですが、この先はどうなるか分かりません」
「お腹すいた~」
「お、翔様、そろそろ時間ですので今日はここまでにしましょうか」
「そうですね、それにしてもアナンタの腹時計は正確に時間を告げているな」
「そうでもないです~、ご主人様」
ラドンの作った異空間室で休みをとることになった。
「ここまで来るのに、もう30日はかかっているか」
「そうです、翔様」
「少しペースが遅そすぎるか」
「そうですね、思った以上に時間がかかりすぎてますね。
これでは100日を越えそうですね」
「少しペースを急いだ方がいいかな」
「翔様、焦りは禁物です。
今の調子なら50階層などあっという間ですよ」
「それならいいのですが、ズルズルと遅くなるのは嫌なので、出来れば早く試練終わらせたいのです」
「それはどうしてですか」
「まだクエストも、街の調査も終わっていない。
それに仲間の皆も待っているから、早く帰らないと」
「それなら尚更、今日はゆっくり休んで明日に備えましょう。
21階層からは、魔物のレベルはそんなに上がらずに数が増えていくだけのはずですから、私も疲れましたので先に休みます」
「あ、はい、お休みなさい」
僕もベッドにはいり、メニュー画面を見ていた。
この試練の迷宮ではスキル欄は使えるけど、いつの間にかマップ機能は使えないし、外との連絡も取れない。
入り口に防御壁が張られていてから、何かが外との通信を妨害しているのかも知れない。
仲間のこと、家族の事が気になってなかなか眠れなかった。
村に置いてきたけど皆大丈夫かな。
もっと安全な場所に移動すれば良かったかな。
キャンピング馬車には、防護壁が張っているので万が一ということはないと思うけど、メンバーは強いし精霊達もいるはずだし、でももし隠密部隊が襲っていたら、神楽や茜だけでは太刀打ち出来ないだろう。
それは僕がいたとしても同じことだけど、僕が居ない時に襲われてもしもの時は、僕はどうするだろうか。
そんな事考えていたら、眠れなくなり早く試練をクリアしないと、と考えてしまう。
眠れない。
なるべく楽しい事考えよう。
思い出したのが、前の世界の時、皆でキャンプしたこと事、あのときは楽しかった。
皆でご飯作ったり、歌を歌ったり、肝試ししたりと、だいたい隣には隼人がいたな、そして家族の事を考えていた。
僕の家族は四人、お父さん、お母さん、そして2つ離れた妹がいた。
僕が居なくなって心配しているだろうか、それとももうあきらめているだろうか。
元の世界に戻れるだろうか、その時セレナさんの顔が浮かんだ。
帰りたい気持ちと、残りたい気持ちがあり自分でもどうしたいのか分からなかった。
そんな事考えているうちに眠りに就いていた。
一粒の涙を流して…。





