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166 隠密部隊3

「翔くんが死んでしまうかと思ったじゃない」


沙羅は先ほどから泣きじゃくっていた。


「翔様が殺されたら生きていけません」


「ミディア、生きてるから」


「翔、死んでしまったら困る」


「ラウドはこんな時まで演技出来るなんて凄いな」


「翔様が死んでしまったら、お給金が…」


「ルナ、僕の事より給料か」


「だってお金が大事ですから…、冗談ですよ」


「それにしても危なかったなり。

私も動けなかったなり」


「正直、自分でも死んだかと思った。

レベル差もあるけど戦闘経験がたりなすぎるな。

海賊探すついでにどこかでレベル上げするか」


「翔殿」


「神楽、分かってる」


先ほどの戦闘の時、隠密部隊にマーキングしたが、その内の一人が見張りだろうか、すぐ近くにいることがマップで確認していた。

チュー助にはメールで、隠密部隊につけられているので、直接会わずにメールで報告をやり取りするように指示した。


つけられているのを知っているのは、僕と神楽、茜の三人のみだけで他の皆には下手に意識してしまわないように伝えないようにした。

そして僕達は普段通りに行動することにした。


「まず、ギルドにいってみるか」


「そうですね、海賊の手掛かりがあるかも知れないし」


僕達は普段通り、ウインドウショッピングを楽しみながら、ギルドを探した。

商店街が終わりかけた所に、ギルドはあった。

扉を開け中に入ると、今までの雰囲気とは違い、明らかにベテラン、もしくは猛者達が多々居るのが分かる。

異様な雰囲気の中、僕達はギルドの受付へと向かった。


「いらっしゃい、この街は初めてですか」


「はい、そうです」


「それなら、まずこの街のギルドに登録お願いします」


「他の街でと登録したけど」


「これは、冒険者様が今どの街で活動をしているという目安になりますので、ご協力お願いします」


「なるほど、分かりました」


僕は受付に置いてある水晶石に指輪をかざした。


「はい、ありがとうございます。

現在、海賊退治のクエストを受けられてますね」


「それで海賊達の情報、何かありませんか」


「海賊達の情報は、あまりないのですが、大型の輸送船ばかり狙っているらしいです」


「そうですか、それじゃこの辺りのクエスト何かありますか」


「う~ん、討伐クエストならフレイムゴーレム討伐や、スネークファング討伐、ジャイアントアント討伐とかですかね」


「討伐出来なかったら、ペナルティとかありますか」


「いえ無いわよ。討伐されるまで無期限だから」


「それなら、討伐クエスト取り敢えず全部受けていいですか」


「全部ですか?」


「はい」


「は~、あまりむちゃしないで下さいよ」


「分かってますって」


「1番近いのは、南に行った所にあるディープインレットの村の村長にクエストの内容を詳しく聞いてください」


「分かりました」


「何か分からないことあったら、いつでも聞きにいらっしゃい」


「はい、ありがとうございます」


僕達は張り詰めた雰囲気の中を早々に立ち去る事にした。

ギルドから出ると、皆、大きく深呼吸していた。


「この辺りの冒険者は凄いですね」


「達人ばかりなり」


「今日中に、ディープインレットに移動しますか」


「翔くん、そうしましょ。

またいつ殺されそうになるか分からないですもの」


「分かったから、食料や調味料、生活用品を大量に買ってから出掛けますか」


「は~い、賛成」


街で買い物を済まし馬車屋で馬車を受け取り街の外に出てディープインレットに向けて出発する。

街から少し離れた所で隠密部隊は付いて来なくなっていた。

僕と神楽、茜は取り敢えずホッと胸を撫で下ろした。


ディープインレットまで約二時間の予定で進んでいた。

馬車の運転をルナに任せて、僕は追っ手が来ないかマップとにらめっこしていた。


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