161 告白?
馬車を止めた瞬間、女性達は馬車から飛び出し海の方へ走り出す。
僕は、誰も来ないと思うけれど防護壁を展開させておく。
海は、街道からすぐの高さ二メートルほどの土手の向こう側にあるようだ。
僕は1人土手を登り、土手から海を見ていた。
土手から海の中まで虹色に光っている砂浜が続いていた。
砂が色とりどりの色彩を出しているので、カラフルに光っている。
そして海も透き通るような透明度で、海の底までよく見えた。
今まで見たことのない幻想的な風景だったので、僕は土手に座り込み、すべてを忘れ去り見とれていた。
そのうち精霊達とアナンタは海で水遊びを始めた。
水遊びと言っても水の掛け合いをしているだけだったが、だんだんと激しさをまし、アルケーがとどめに大きな波を起こし、見ている
だけの沙羅、ラウサージュ、空、ミディア、ルナ、エマ、ルーク、景虎、茜、皆ずぶ濡れになっていた。
僕は土手の上に座っていたので、ここまでは波は来なかった。
皆、お互いを見て笑っていた。
「ずぶ濡れ~」
「アルケー、やり過ぎだよ」
「あはは、ゴメンつい」
「私達もずぶ濡れ何ですけど」
「ついでだから、私達も水遊びしましょうか」
「そうですね、沙羅さん」
「それじゃ、皆で水の掛け合いだ」
『キャッキャッ』
水遊びで楽しそうにしているなんて、子供みたいで可愛い所あるじゃないかと、皆を見ていた。
たまには息抜きも良いかも知れないなと思っていたら、後ろから、
「ご主人様も一緒に遊ぶです」
そうエアルが言ったと思ったら、いきなりの突風で僕の体は吹き飛ばされ、海に落ちた。
「エアル~!」
「はーい、遊びましょ」
「違う、なんて事するんだ」
「いいじゃないの、翔くん、何もかも忘れて今は遊びましょう」
「そう言うけど、沙羅…、」
途中までいいかけた時、沙羅が水をかけてきた。
仕様がない僕も参戦するか。
近くにいた沙羅とラウサージュに水をかける。
「翔様、やりましたね」
と言いながらラウサージュは僕に水をかけてくる。
こうなれば手当たり次第だ。
空、ミディア、ルナ、エマ、ルーク、景虎に水をかけていく。
勿論、仕返しはされるのだが、どれくらい遊んだろうか、休みながら海で泳いだり、アルケーが波を作り、それに乗って遊んだりして、日が傾いて来ていた。
「日は山の方に落ちているから、明日の朝には水平線から登る朝日が見られるかも知れないな」
「翔くん、それロマンチックだよね。
今日はここで馬車に泊まりましょうか」
「賛成」
「皆、賛成のようだな、それじゃここでキャンプするか、まずは夕食の準備をするぞ」
「お~」
声は皆するが料理するのは僕とルナだけ、皆には手伝ってもらうか
僕は、不意に海から山に沈みかけている夕日を眺めた。
そして目線を山から土手、土手から砂浜とずらしていくと、皆、海から上がる準備をしていたが、皆、服が透けていた。
濡れたせいで、服が体にピッタリとくっついて体のラインが綺麗に出ていた。
夕日に照らされた女性達は、とても美しかった。
濡れた髪、女性独特の体のライン、まるで絵画の一枚の絵のようだった。
「おい、お前達、体が透けているぞ」
僕は思わず言ってしまった。
皆は、僕の方へ振り向いた。
エマとルナは、見えないように胸と下半身を手で隠している。
そうやると逆に色っぽく見えてしまうのは何故だろう。
そしてルークは咄嗟にエマの前に立ち塞がり見えないようにしている。
景虎、茜は、いつの間にかいなくなっている。
沙羅、空、ラウサージュ、ミディアは隠しもせずに立ち尽くしていた。
「もしかして、下着は着けてないの」
「翔くん、今頃気付いたの」
「遅いですわ、翔様」
こちらを向いて、四人とも下着を着けていないようで、服が濡れている所為もあり体のラインもだけど胸の形もはっきりと服の上から分かった。
流石に下までは僕には見ることに躊躇った。
「どうして」
「私達は妻なのですから、恥ずかしい事はありません。だから…、ゴホン。
まだ無理なら私達を逃がさないように捕まえていて下さい」
「私達は愛想を尽かして、別の人の所に行くかも知れませんよ」
信頼度が今100なので、まずそれはないと思うけど、将来は分からないか。
「僕にはまだ君達を守り切る自信がないんだ」
「私達も、お手伝いしますから」
「それに、いつまたイザカロ国の時のように暴走するか分からないから、怖いんだ。
暴走した時、君達が近くにいたら巻き込んでしまうかもしれない。
そうなったら僕は生きていけないと思う。
だから、本当は安全な所で見守ってほしいのに」
「翔くん、言ったじゃない。
待ってるだけは嫌だって、待っている人の事考えたことある?
言ってなかったけど、私は前の世界の時クラスメイトになってから、ずっと好きでした」
「沙羅、僕はモテたことなかったよ。
ずっと1人だったし」
「そう1人だったからかも知れない。
いつも教室ではひとりぼっち、声をかけるにもかけずらかったわ。
そしてこの世界でまた会えた、私、内心凄く嬉しかったの、だから翔くんのお陰で部屋からの一歩が踏み出されたの」
「沙羅」
「私達も同じ気持ちです。
翔様と離れるのは嫌なんです。
何処までも一緒に連れて行って下さい。
私達は、翔様を愛しています。
だから翔様も私達を愛してください」
「え~っと、僕、あまりモテたことないから、こんな事どうすればいいか分からないけど、努力します。
ちょっと恥ずかしいけど、愛するということがどういう事なのか、僕には分からないけど、皆にふさわしい男になります。
だから…、少し待ってください」
「私達は、お側でずっとまってます」
「お~い、私達、精霊達もいること忘れないでね」
「アナンタもいるからね」
「ああ、分かった分かった」
「私達の時だけ、何か軽すぎない~」
「気のせいだよ」
「もう」
「さぁ、精霊達、夕食をつくるから手伝ってくれ」
「は~い、手伝います」
上手く誤魔化したな。
精霊達とアナンタは、恋より食い意地だな。
最近は信頼度をあまり見てなかったが、これが高いほど僕を好きだと理解出来た。
なので精霊達、アナンタ、妻達は信頼度100になっている。
ルナは80、エマ75、ルーク68、景虎84、茜76となっていた。





