154 キャンプ
僕は馬車の音で目が覚めた。
街道近くの見えにくい木の脇に停めていたが、意外と朝早くから馬車が通り過ぎているようだ。
起きてしまったものは仕様がない。
朝の瞑想を行う為、起きようとするとやはり精霊達とアナンタが回りに集まっている。
胸の感触、肌の感触、ついそそられてしまう。
ちょっとくらい触っても大丈夫かな、そう思い手で触れようとした時、
「ゴホン」
誰かが咳払いをした。
咄嗟に手を引っ込めたが、危ない危ない、危うく取り返しのつかない事をするところだった。
1人ずつ横にどかしていくと、『あれ、1人多い』そう思い、最後に僕に抱きついている手をほどいて、顔を確認するとエマさんだった。
体、全体を覆う毛が柔らかく手触りがいい、そうまるで猫を触っているような感触、それにエマさんも意外と胸が大きい。
つい覗き込んでしまうが、これじゃただの変態だと気付き、皆に気付かれないように馬車を降りた。
街道外れのこの場所は、草原が広がっており、点々と木が生い茂っていた。
近くに座れそうな大きな岩があったので、そこで日が昇るまで瞑想することにした。
相変わらず、街道から馬車の行き交う音が響いてくる。
回りが静かな分、余計に煩く感じてしまう。
暫くすると誰かに見られている気がした。
回りを見渡すが誰もいない。
瞑想し始めるとまた見られているような感じがするので、メニュー画面、マップで確認してみるが、回りには誰もいないようだ。
気になりながらも、日が登り始めたので瞑想を止めた。
そしてそのまま朝食の準備に取りかかる。
準備が終わった頃に、やっと起き出してくる。
「おはよう」
「ご主人様、おはようございます」
「翔くん、おはよう」
「翔様、おはようございます」
「すいません、翔様、朝食作ってもらって」
「大丈夫ですよ、ルナさん、慣れてますから」
「皆、揃ったかな、食事をしながら聞いてほしい。
今日は、レクラメーシャンの街に行きたいと思う。
食材の補給もだけど、イルプレーヌの情報がないか聞き込みをしたいと思ってるがどうだろう」
「翔様が決めたことなら」
「イルプレーヌにはどんな食べ物があるのかな」
「アナンタは食べることばかりだなあ」
「まあ、行ってみればわかるかな」
食事を済ませ、レクラメーシャンに向かって馬車を走らせた。
街までは、あと少しの時間なので10分も立たず到着するだろう。
次はどんな街だろうか、とても楽しみだ。





