151 孤独感
朝を告げる鐘が街中に響き渡る。
「しまった。寝坊した」
いつもなら夜が明ける前に起きるのに、疲れていたのだろうか。
今日は日課にしていた朝の瞑想ができなかった。
それにしても重い。
皆、平等にということでベッドを繋げて妻候補達と一緒に寝ているが、結局最後は精霊達とアナンタが割り込み僕の隣を占領している。
寝相が悪いので、精霊達とアナンタは僕を押し潰すような格好で寝ていた。
僕は皆を起こさないように、そっと退かして部屋にあるソファーへと座り込む。
精霊達もスタイルいいし、顔もいい、回りから見ると羨ましい限りだが、手を出すとすべてが終わってしまう気がするから、今は見ているだけで充分だ。
こうして見ると綺麗な人ばかりだなと実感してしまう。
いつまで一緒にいてくれるのか、いられるのか、不安になってしまう時がある。
僕に自信がないせいなのかも知れない、元の世界ではあまりモテた覚えもないし、いつも1人でいたような気がした。
集団でいるよりも1人でいたかった。
皆で陰口を言われるのも嫌だけど、言うのも嫌いだ。
人に任せられることも、頼られることも嫌だった。
何とか皆に合わせてきたけど、これでよかったのかと後悔する時もある。
唯一、隼人だけが何となく気があった。
1人が好きだった僕に、何気に付き合ってくれて、よき理解者だったのかも知れない。
今は仲間が増え、1人ではなく皆で過ごすことが多くなった。
異世界ということもあって1人では生きていけないということを実感してしまう。
元の世界では、1人でなあなあと生きていけると思っていた。
だけど他人を頼らないといけないことに気づいた。
戻れるか分からない異世界では、何が起こるか分からないから、誰かを頼りたいと思える。
今は僕を頼ってハーレム状態になっているが、僕も皆を頼ろうと思った。
そしたら、僕も少しは変われるかな…。
『コン、コン、コン』
ドアをノックする音がする。
「はーい」
僕が返事をすると、扉を開けルナが入ってきた。
「お食事の用意ができました」
「ありがとう」
皆を起こし朝食を取り、街へ買い出しに出かけた。
「皆には、少しでも安全を確保して欲しいから、防具を揃えようと思うんだけど」
「翔様の言うことなら」
「翔くん、お金は大丈夫なの」
「沙羅、お金はまだ沢山あるから、無くなったらまた稼げばいいから」
「ご主人様、私達の物は」
「精霊達は、自然に溶け込むから必要ないだろう」
「そんなご主人様、不公平です」
「じゃあ、おやつ買ってやるから」
「やった~」
適当にあしらったが、精霊達とアナンタは物より食べ物だなと実感した。
一軒の防具屋を見つけ、覗いて見ることにした。
「いらっしゃい、何をお探しで」
店の亭主だろうか、声をかけてきた。
いろいろ話をしているうちに、犬人族ということが分かったが、見た目は体が大きく筋肉質で厳ついおっちゃんという感じで、どうみても犬人族ではなく熊人族じゃないだろうかと思った。
「女性達の装備を探しているんだけど、軽くて丈夫なやつって何かない?」
「そうだなぁ、ん、なかなかの別嬪さん揃いじゃないか」
「ちょっと」
「あ、すまんすまん、うちでおすすめはチタニウム合金で作られたプレートアマーだ」
手に取って確認すると上下に別れており、上は形で言えばブラジャーのような形で薄い金属でできているが、固さも充分ありとても軽い。
下は同じ金属で形はミニスカートのような形、動きやすいように、板を組み合わせて作られているようだった。
「この装備の下に、この服を羽織ればどうかな」
「これは?」
「薄い布だけど、通気性と動きやすいように作られている。
そして、繊維に魔法防御の糸を使用しているから、多少の魔法はびくともしない」
「なかなかいいんじゃない、皆どう?」
「翔くんがいいなら」
「私もそれでいいと思うわ」
「じゃあ、これにするか、人数分…、景虎さんと茜さんはどうしますか」
「私達の分もあるなりか
しかし、そんな鉄の鎧着けたら動きが悪くなるなり」
「景虎さんと茜さんは、別の所で買うとして、あとの皆分お願いします」
「あの~、値段聞かないのですか」
「えっと1着、金貨1枚です」
「意外と安いな、人数分」
「ありがとうございます。
あと、お子さまの分ですが子供サイズが無いので、時間頂ければ仕立て直しますが」
「いつくらいなりそうか」
「そうですね、2日ほど頂ければ」
「分かった、ルークの分は仕立て直してくれ」
防具を買ったお店をあとに、他の店をみて回る事にした





