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149 キャンピング馬車

技師からの説明が始まった。


「この馬車には、今現在この国の最高レベルの装置が組み込まれております。

まず、注文を受けていた部分ですが、道路からの衝撃をやわらげる為、板バネ方式にして路面からの振動を緩和しており、車輪

には柔らかさと耐久性に優れた物を使用して、更に振動を軽減しております。

ちゅうに浮かすことが出来れば良かったのですが、我が国の技術では今の所不可能です」


「他の国では、浮かすことが出来るのですか」


「はい、先進国では飛行船なる物が、空を飛んでいるらしいのですが、私はまだ見たことがないです」


「それなら、この馬車も空を飛べるようになるかも知れないということですか」


「はい、その技術を手に入れることが出来ればの話ですが」


流石、ファンタジーだ。

飛行船って一度は乗ってみたい乗り物なんだよね、それが僕の船にできたら…、思わずニヤケてしまう。


「では、次の説明に入ってよろしいですか」


「あ、すいません。どうぞ」


「オホン、まず車輪を片側3個、両側で6個付けてます。

これは馬車が重くなり過ぎた為、余裕分を合わせ分配した結果6個になりました。

そして一番後ろの中心に駆動用の幅広い車輪を1つ付けてます。

これは聖霊石から装置を通して回転する力に変えて動かしてます。

あと前にも中心に普通の車輪が付いていますが、これは方向を変える為のものです」


見た感じ、自転車と同じだな

ハンドをきって向きを変えるという方法だった。


「1階部分までは耐久性を上げる為、木で作られており、2階分は軽量の為皮で作られております。

あと安全の為、聖霊石で防御壁を張る事が出来ます。

あと馬車に見せる為に、偽造装置も付けています。

このように馬はいないけど、馬が引いているように見せることも出来ます」


それなら最初から馬に引かせれば良いのでは、と突っ込みたくなるが馬の世話を考えるといない方がいいか。


「それでは中を案内します。

中にどうぞ」


僕達は馬車の前の方にあるドアを開け中に入っていく。

ドアを開けると、バスと同じように2段の階段があり、少し高くなっている。

中入ると意外に広い、天井の高さは頭スレスレだがソファーとテーブルが置かれて、大きな窓も付いている。

後方にはキッチンと小さなシャワールームも付いている。

床下収納も付いているので、荷物の保管も問題ないないだろう。

そして一番後ろを見ると扉が付いているが非常口だろうか。

壁に付いている梯子を登ると、2階は寝室になっていた。

高さは1メートルぐらいだが寝る分には、特に問題ない。

2階の後方部分は水タンクになっているそうだ。

暑い時は2階部分の皮シートがめくれて、風を通す事が出来た。


間違いなくキャンピングカーだ。

これだと何ヵ月も旅しても大丈夫だろうと確信した。


説明が終わり馬車を降りる。


「如何ですか、ご満足頂けましたでしょうか」


「大満足だ、凄い馬車だな。

それで、この馬車は金額はいくらなんだ」


「翔、それについては僕から話すよ。

1度王宮に戻ろうか、今日はまだ出発しないだろう」


僕達は、王宮に1度戻ることになった。

王宮に入り応接室でラウージャの話を聞いた。


「翔、実は頼みを聞いて欲しいことがあるんだ」


「なんだあらたまって、何だか恐いな」


「実は水の都イルプレーヌの話なんだが、イザカロ国を攻める時、領主のハーレイン男爵に応援要請をしたのだが、

海賊が現れて海賊の対応で、イザカロ国へ出陣できないと報告を受けているが、領主には、悪い噂しか聞かない。


出陣の準備はできていたはずなのに、動かなかった。

王都に国王軍が居座るっていたからという噂が流れたのだ。

ハーレインとイザカロ国は繋がっていて、王都を挟み撃ちにするつもりだったと、だが翔が催眠拡張装置を破壊したせいで作戦がふいになったと」


「たしかに、イザカロ国で催眠で操っていたリベッタなら考えそうだ」


「その真相を内密に調べて欲しいんだ」


「どうして僕が」


「どうせ通り道だし、ある程度の力量があり顔がまだわれていない人物という事で翔、君に白羽の矢がだったんだ」


「僕にそんな内偵みたいな事ができると思うか」


「大丈夫、ラウサージュを連れて行くのだろう、それなら護衛に景虎があり付いてくるから心配するな」


「そんな事まで知っているのかよ。

けどその断ったらどうする」


「断れないさ、あの豪華な馬車いくらすると思っているんだ」


「高いなら、いらないさ」


「おいおい、翔が注文して作ったんだぞ。

それも急ぎで、技師や職人達の手当てはどうするんだ。

あの馬車は、この国の集大成なんだぞ」


「それで、いくらなんだ」


「金貨5000枚」


「高すぎだろう」


「色々な機能が付いて便利だろう。

聖霊石で動かす事がどれだけ大変か」


「ぼったくりだろ」


「まあ、先ほどの依頼受けてくれるなら、支払いは国がするけど」


「ほとんど強制かよ」


「ありがとう、2~3日、王宮に泊まって出発の準備をしてくれ」


まだ行くと言っていないけど、依頼を受けるしか無さそうだ。

金貨5000枚なんて払えるはずもなし、『足元を見やがって』思わず愚痴がこぼれてしまう。

まだ、日が落ちるまでは時間があったので沙羅とラウサージュのいる魔法学園の寮に行くことにした。


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