139 辺境地の先
今日は朝から、この街の先はどうなっているのか、確める為に出掛けていた。
事の発端は、昨日の食事の時、隼人が
「辺境地と呼ばれているけど、まだ森が続いているよね。
まだ先があるのではないか」
という話になり確めることになった。
メンバーは、隼人、紗耶香、博、藤堂さん、空、エマ、ルーク、精霊達、アナンタと何故か茜とルナも付いてきた。
女性達はまるでピクニック気分だった。
この辺りには、強い魔物も居ないから大丈夫だろうと考え、付いてくるのを許可したのだが、わざわざ付いてくる必要はないのに、まぁ、たまには息抜きも必要かと思っていた。
心地よい風が吹く森の中を森林浴を楽しみながら進んでいく。
アルケーのいた湖を通り、僕のダンジョンの近くを通る。
山を避けなるべく平地を探しながら進む。
時折、マップ画面で確認しながら進んでいるが、魔物などはおらず動物は沢山群れを組んで点在していた。
精霊達は、いつの間にか消えて居なくなっていたし、2~3時間歩いた所でアナンタとルナが歩き疲れたらしく、翼を広げ飛んでいく。
女性達も歩き疲れたらしく、お喋りが止まっていた。
そんな頃、マップ画面にも変化が現れだした。
ここまで緑の森のマップだったのに、この先の山の向こうから茶色に変わっていた。
山の向こうに変化があることを皆に伝え、山を越えたら昼食を取ろうと伝えた。
標高で言えば100メートルくらいの山だけど、疲れてきている体にはきついかかもしれない。
緩やかな傾斜を少しずつ登って行く。
荷物は指輪のボックスの中に入れられるので、荷物が無い分負担はだいぶ減っているだろう。
お昼少し過ぎた頃、皆登頂に成功した。
そこからの景色は、回りを一望できた。
マップ画面で茶色になっていたのは、砂漠だった。
この山の向こう側は、辺り1面砂漠の海になっていた。
精霊達の話では、昔砂漠だった所は海だったらしく、地殻変動により海の水が無くなり砂漠になったと言うことらしい。
『知っているなら、先に言って欲しかった。
そしたらこんな所まで来なくて良かったのに』
そう思ってしまう。
そして砂漠には近付かない方がいいと、砂漠に住む巨大なサンドゴーレムやサンドシャークなど狂暴な生き物のほかに、砂地獄という砂の中に吸い込まれてしまう場所があるらしい。
山の上から砂漠を見ていると確かに、砂の表面が何か動いているのが分かるし、あれが巨大サンドゴーレムだろうか、高さはおおよそ20メートルくらいある。
あんなやつ、どうやって戦うのだろうと気になったが、砂漠から出ることはできないらしく、砂漠に入らない限り襲って来ないらしい。
なるほど砂漠から先に進めないから、ここが辺境地か。
暫く砂漠を見つめていたが、誰かのお腹の音で昼食を取るのを忘れていて、すぐに昼食の準備に取りかかる。
砂漠の壮大さを感じなから昼食を取る。
時折、砂漠の砂が上に噴出していた。
自然現象なのか、魔物のせいなのか気になり近くに見に行きたかったけど、今のレベルではとても危険そうなので眺めているだけにした。
昼食を取り終わり、砂漠を堪能したあと僕達は帰路へついた。
たまには、こんな1日もいいよね。
仲間達と交流を深めた。





